蜩のキッチン(あとがき)
永らく「蜩のキッチン」を読んでいただいていた皆さん、ありがとうございました。
「続 蜩のキッチン」が綴られることは、この先 あるかどうかは、私にも分かりません。
ですが‥、
続きが無いことが、蓉子と深澤がお互いに幸福の路を歩んでいることと理解してください。
何故なら、蓉子と深澤は、これまで不幸の狭間に立つ度に惹かれ合い、
糸が繋がられてきたように思うからです。
いつか、また。
☆…☆………
蕎麦打ちをしたあの日から
またしても‥
二年間、全く 連絡がなく‥
2012年新年を迎えて日の出と共に深澤はメールを寄越した。
『蓉子ちゃん、明けましておめでとう!!
元気にしてるか?
僕は、猫の手を借りたいほど忙しいよ。
この分じゃ、三月の年度末まで体が持つかどうか!!
良かったら、蓉子ちゃんを思いっきり抱かしてくれないか?』
新年の挨拶なのかどうか、いつもの冗談だろうと、私は、即答で
『良いわよ!!いつでも!!』
すると‥
『本気だよ』
『本気なら、尚更 嬉しいわ!!』
それから、メールが途絶えていたが
三月三日、
お雛祭り、女の子の日
その日は、誰も居なく私は一人の夜を明かすには寂しいものを感じ‥
深澤にメールをした。
『今夜ならいいわよ』
『分かった!!』
深澤は駅前の日航に部屋をとったと連絡が来た。
私は約束の時間の一時間後に、部屋をノックした。
「とうとう、来ちゃった」
私は、その夜 生まれて初めてアルコールを口にした。
私と深澤の関係は、なんなんだろう?
そんなことどうでもいい。
多分、夫婦以上の深い絆で結ばれているかもしれない。
もうすぐ‥
また、蜩が啼く季節がやってくる。




