答え
「汚い町だな・・・
本当に人が住んでいる町なのか?
薄気味悪い。」
そのとき奇跡が起こったのか旅人の男が訪れた。
男がそう言葉を発した瞬間、人々は何かを思い出した。
「んん?別に灰ぐらいなら払えばよいのではないだろうか?」
甚大な被害が出ていることには違いないが、この規模の被害は実際今までにないわけでもない。
ではなぜ国民たちはすぐに気力を失ったのか?
それはこの国から「きぼう」が失われたからである。
魔女は魔法によってこの国に灰を降らし、その期限としてこの国から「きぼう」を取った。
それゆえ国民は耐え忍び切り抜けることを忘れ、朽ち果てようとしていたのだ。
奇跡的にやって来た魔法のかかっていない風来人により、この国にやはり奇跡的に「きぼう」がもたらされた。
「きぼう」が戻った国民たちは貯蓄を切り崩すことを思いだした。
すぐに灰がやみ、しばらくの復興作業ののち、またこの国にはもとの活気が戻った。
土地を愛する人柄ゆえ、また魔女に苦しめられることになるのだろうが。
おしまい
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答え きぼう
解説 リポグラム、あらかじめ使わない文字を設定し、その制約の中で文章や物語を作る言葉遊びである。
このお話は魔女が二度目に杖を振る前と降った後の二つにわかれる。第一話が前編、第二話が後編でなく第一話のうちに後編になっていることがヒントと言えばヒント。
「ほ」と「ぼ」などの濁音の違い、そして「っ」と「つ」などの違う大きさの文字を同じ文字と見なして、「ゐ」、「ゑ」、わ行の「う」を除き「ん」を加えたものを五十音とする。
前編では五十音がすべて一度以上使われている。
後編では同じくその五十音がすべて一度以上使われている。「う」、「き」、「ほ」を除いて。「こうへん」にも「う」が含まれているので後編ではなくわざわざ「半分よりあと」と表記されている。
まあそんなのわかるわけないよな。難易度極高ってことで。
終わり
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