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25「趣味は狩猟なのです」

「私はバルカ・ド・モンテクルズ、趣味は狩りですわ。よろしくお願いいたしますわ」


 簡潔に自己紹介を済ませ、私は席に座る。

 聖アリストテレス学園の授業初日は、簡潔な自己紹介から始まる。ちなみに、どういう訳か男女両名から尊敬の眼差しを受けているのだけれど……何故かしら、非モテフラグが立ちました的な展開になっている気がするわ。

 さて、その後適当にモブいキャラ達が自己紹介を済ませ、ついにラストの番となった。

 ……不安要素しかないのが怖いのよね。


「初めまして! ボクはラスト・モンテクルズ、趣味は――火遊び、よろしくねー♪」


 きゃぴっ、とあざとく決めポーズ。そして巻き起こる野太い歓声。女子生徒からぎろりと睨まれ黙る男達。お前らそれでも玉付いてるのか。

 ラストはその声にウィンク、突如前屈みになる男達。何で私の時は憧れの騎士を見る目で、ラストのは色欲的な感じの目なのよ。

 何だ、そんなに傷だらけの女は嫌か。まあ腕にも顔にも傷だらけだもんな私! アッハッハッッハッ! 母国と何ら環境変わらねえ! もう笑うしかねえ!


「鬱だ……」


 後半からはほぼ何も聞いていなかったわね。教師の名前? 何だったかしらオホホのホ。案外教師の名前なんて覚えて無くてもなんとかなるものよ。

 実際、そこそこに関わるのは担任だけだし。


「バルカ様-、大丈夫ですか?」

「ちょっと、母国と扱いが変わらない自分がね……」

「大丈夫です! バルカ様はどこにいても、私の理想の王子様です!」

「うん私王女だから」


 アリーシュはアホの子可愛い、でも今はもうちょい賢くなって欲しいわ。

 しかし……疲れた。本当に疲れた。


「どうしたのお姉様、血抜きされた牛みたいにだらっとして」

「だからグロい例えは止めなさいラスト。質問攻めで疲れただけよ……」


 つうか、ただのイノシシ仕留めただけでなんであんなに騒がれるのかしら。

 へっ、ドラゴン退治? んなもん話したらドン引きされるか神様でも見るような目で見られるかのどっちかだからしてないわよ。

 私は出会いを求めてここにやってきたの。神になりに来た訳じゃ無いの。


「そういえばバルカ様、今から騎士の演習があるそうなんですけれど、よろしければ一緒に見学に行きませんか?」

「騎士?」

「あー、あの青臭そうなちん……奴等の集まりのね」


 おいラスト、お前何を言おうとした。

 ぬぁぜぇ目を反らすラストォ!?

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