20「稲妻式リヒテンベルク図形入れ墨なのです」
私は茫然自失な状態で、ベッドの上に座っていた。
返り血は既に洗い流しており、姿はエロくバスローブ。多分かなりのやつらを魅了出来る自信あるわ、女限定だけど。
まあ、それはともかくらえらいことになった……。
まず、予想以上に戦闘が楽しかったので大暴れしちゃいました。まあそれはいい、別になんの問題もない。既にあいつらが来た時点で諦めている。
問題なのは……
「この腕の傷よ……どうすんのよこれ」
バスローブを脱ぎ、胸を露にする。ああ、我ながら綺麗な形。
でも胸の中心部分に刻み込まれているリヒテンベルク図形、腕にもあるし。芸術的に綺麗だけれど、これじゃあ貰い手更に来ないわね……。
……どうしようかしら、これ。
「お姉さま、大丈夫?」
「あー、大丈夫よー」
ドアの向こうからラストの声、私は適当に答える。
……別に傷自体はいいのよ、服の下にいっぱいあるし。
でも、腕にも顔にもリヒテンベルク図形……ヤバいわね、これ更に怖がられるわ。
「ばっ、バルカ様……」
「……あー、大丈夫よアリーシュ」
私が心配で来てくれたのね、アリーシュ。正直、返り血浴びたから流したかっただけなのよ、心配させてごめんね。
ちょっと身体の傷とかが無視できないくらいになっているだけだから。
「そろそろ戻るわ……あー、ラスト?」
「なにかなー?」
「裾の長い服用意してくれる? 胸も開いてない奴」
服、腕か首元かが絶対露見しちゃうのよね。流石にこれを勲章みたいに見せびらかすのはねぇ……。
顔の傷? ドラゴン退治は誉れよ。
「はいはーい」
とたとたと扉の外から遠ざかっていくラストの足音。あいつ、犯されてから戻るどんなないわよね?
……流石に、ないわよね。流石に。
「……あの、バルカ様」
「ん? どうかしましたか、アリーシュ」
「あっ、ありがとうございましっ――っつ~……」
……外からゴンッ、て鈍い音が。アリーシュ、大丈夫かしら。
「まっ、またバルカ様に助けられてしまいました……私のような庶民の命のために」
「ような、じゃないわよアリーシュ。私にとって貴女は友達。ただの庶民だなんて誰にも、たとえ神にだって言わせないわ」
……ふふん。私、いいこと言った! すんごいいいこと言った!
と思っていたら、アリーシュから返事が返ってこない。
……あら、もしかして困らせちゃってるかしら?
「お待たせー……って、なんで泣いてるの君?」
「うっ、嬉しくて……私と、バルカ様が友達と、いっ、言っていただいて……」
……よかったー、嫌われてなかったのね私。本当によかった。
ちなみに差し出された服は何故かタキシードでした。なんでそれ選択したお前。




