プロローグ《1》
夢を見ていた。
知らない場所で、誰かが戦っている━━。そんな夢。
俺は凄く羨ましいと思った。この世界は暇で、退屈だと思う。だから━━もっと見ていたかった。
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光が差し込み、俺は目を覚ました。
「・・・あぁ〜もう朝か」
俺は蒼馬 蓮。一応、高校生の17歳。趣味はゲーム。高校生にしては長い時間ゲームをしていて、学生のなかでは最強クラスかそれよりちょっと弱い位だと思う。朝起こしてくる幼なじみはいないし、ラブコメでよくあるイベントも起きていない。朝食を食べ、学校に向かう。
通学路で、俺は奇妙なものを見た。いや、見てしまった。そこには、無人の車。車は、俺に向かって直進していて━━。
俺は、なぜか冷静だった。これから死ぬことだけがわかり、周りを見たが、誰も死なないことが分かった。だからか、更に冷静になれた。今世最後の一言は
「俺の人生はあっけなかったな。まあ、そういうものか。だったら、今度は別の世界で生まれたいな」
━━━そして今日、俺は死亡した。
《side???》
「ついに生まれたぞ!!」
私は声をあげる。私の━━いや、私たちの子供が生まれたんだ。
「あなた、名前は何にしましょうか?」
妻のリーヴェリアが言う。
「そうだな、うむ、《フィーレン》はどうだ?」
私は、前から決めた名前を言う。なんとなく、この名前がよかったんだ。
「いい名前ね。もうちょっとカッコいい名前のほうがよかったんじゃないかしら」
妻はそう言うが、
「いや、これでいいんだ。一番こいつらしいじゃないか」
「それならいいわ。じゃあ、今日からこの子はフィーレンね!」
私は、今日こそ希望に溢れる日は見たことがない。しかし、今日から毎日みるのだろう。楽しみでしょうがない。
「おまえは強く、優しく成長するんだぞ」
これが、親である私がかけられる精一杯の言葉だ。
━━━
深い海の底から浮かび上がるあの感覚。
俺は目を覚ました。
「あい〜あーい」
うまくしゃべれない‥‥。うまくしゃべれない!?どういうことだ!?いや、そもそもなぜ俺は生きて━━。
俺はそこで気づいた。「これ、転生じゃね?」と。
もしここが異世界なら━━
「うえーあえ《ステータス》」
ブォン
効果音がなり、目の前に水色の画面が現れる。
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N フィーレン・エイプレイ
LV 1
ステータス
【HP10】
【MP100】
【STR(筋力)1】
【INT(知力)15】
【VIT(防御力)1】
【MIND(魔法抵抗力)5】
【DEX(技術力)3】
【AGI(敏捷力)1】
《スキル》
《真理の魔眼》
(鑑定)(魔力視)(真偽把握)(眼強化)
《模倣》
《成長限界突破》
《剣製》
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‥‥‥ははっ。本当に異世界だったのか。
よし、せっかくの異世界、楽しまないとな!
‥まず、どうするかだよな。うーん‥‥‥
ステータスとスキルか‥ヤバいな、ゲーマーの血が騒いで来た!やっぱり特訓だな。
0歳児に出来るのは魔力関連か?一応魔力視があるらしいからな。でもどうする?魔力をあげるには使いきるのがいいのか?
よし。イメージしろ。空気中にある魔力と同じものを感じて‥‥‥引っこ抜く!!
「ああぁぁ!!!!」
がぁぁっ!!めちゃくちゃ苦しい!
ステータスは‥‥変わってないな。
くそ、これは違うのか。なら‥‥魔力を動かすのか?
ああ、なんとなくそんな気がしてきた。
もう一度だ。イメージしろ。体内の魔力を身体の外に出すんだ。
くっ、かなり抵抗があるな。少しずつ動いているが、引っかかりがある。でもできたんだ。
ステータスだ。
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ステータス
【MP101】
【INT16】
【MIND6】
【DEX6】
スキル
《魔力操作LV1》new!
《痛覚耐性(弱)LV5》new!
━━━
ステータスが増え、スキルも増えた。
━━━。よっしゃあ!!!これで強くなれる!
でも、こうやって冷静に考えてみればすごいことだな。これを毎日やれば強くなるんだ。
そういえば、今世の両親はどこにいるんだ?
ああ━━。本当に楽しくなってきたな。