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第十三回 脱稿

 改稿着手から約二ヶ月が経った八月の終わりに、担当編集者様の丁寧なご指導のもとに一通りの改稿が終わったのですが、今度は外部の編集者の方に助っ人をお願いして、さらに原稿をチェックしてもらうことになりました。

 私は初めての書籍化で何もわからないので、これは何か事情があってのイレギュラーな対応かもと思ったのですが、ファン文庫さんでは普通のことなのだそうで(実際、奥付を見ると編集者様のお名前が二人併記されていることも多いです)、一冊の本を作り上げるために、そこまでの手間をかけるのですね。


 ここで、初めて作品を読む方に、あらためてチェックしていただき、自分でも心新たに読み直して、最初の乱暴な改稿で必要な情報が抜け落ちたままになっていたことに気付くなど、さらに作品をブラッシュアップしていただきました。

 また、おまけコーナーやあとがきについても、この二人目の編集者様に、大変お世話になりました。


 こうして、ふたりの編集者様の丁寧なご指導のもと、WEB小説『木苺はわたしと犬のもの ~司書子さんとタンテイさん~』は、商業小説の原稿『司書子さんとタンテイさん ~木苺はわたしと犬のもの~』として生まれ変わりました。


 生まれ変わった作品は、蓋を開けてみれば、最初のツイッターでの雑談時に想像した『そういうタイトルの架空の本』に、WEB版よりずっと近いものになっていました。

 あの時に想像した『架空の本』は、もちろん市販の本のはずで、でも、『私ではないどこかの商業作家さんが書いた市販の本』のような作品を実際に書くには、私では力が足りませんでした。が、今回、プロの助けを得たことで、想像の中の『架空の市販本』の再現度が、ぐっと上がったのです。


 この段階で、文字数は、102,439字になっていました。

 不思議なことに、まず大雑把にごっそり削って必要な箇所は後から戻そうと思った最初の乱暴な減量時から、さらに1万字以上減っています。


 これは、本当に不思議なのです。

 だって、推敲の過程で、けっこうな加筆もしたので。

 スタート時点で、すでに、要求された数字を下回っていますから、もう文字数を減らすために苦しむ必要はなく、ゆったりと書いてよかったのです。新しいシーンも、何箇所も書き足しています。その代わり削ったシーンもありますが、全体的に細々と描写も足しています。

 それなのに、なぜ減っているのか……。


 自分でも不思議だったのですが、よくよく考えれば、思い当たることはあります。

 推敲の過程で文章に細かいつっこみが入った箇所をこまごまといじっているうちに、その部分を何度もじっくり見ることによって、(……もしかして、この一文って、実はそもそも不要なのでは?)と気付いてしまい、結局、文章を修正するのではなく、一文、あるいは一節丸ごと削ってしまったということが多々あったのです。

 文章に細かい指摘が入るような箇所は、だいたい、そもそも不自然だったり無駄だったりする箇所だったんですね。勉強になりました。

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