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序章【はじめての寮生活】
「よっ」
部屋に入った俺を出迎えたのは、ちょっとノリと頭の軽そうなやつだった。
「お、おぅ」
俺、早くも圧され気味。
「お前が、遠江龍兵?」
目の前のやつが俺の名前を言う。うん。間違いない。
俺が頷くとそいつはにゃははと笑いながら言う。
「ってことはやっぱこれからのルームメイトってことか。
俺は駿河慧斗ってんだ。よろしくりん」
「よろしくりーん」
「お、ノリいいなお前。お前とは仲良くなれそうだぜ!」
うーん、俺は仲良くなりたくない部類かな、この駿河は。
しかし、これから三年間はコイツとルームメイトだ。
「うぃっす、どうもっす」
そんな感じで俺はルームメイトという心強い友達(?)を手に入れた。
これから、この玉ノ凪市で生活するには何かと便利な地元人。俺はそいつを狙って二人組の寮室をオーダーした。
ルームメイトはちょっと変なやつな気がするが、俺のこれからの高校ライフも明るい気がするぜっ。
俺は遠江龍兵。玉ノ凪市、緑染ヶ崎南高校にこの四月から入学する、新一年生だ。
ついに来た念願の高校ライフ! 俺はリア充になるっ!