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先行投資


 自分たちでポーション販売を初め、数日が経過した。

 ニコの手助けがなかったらきっと失敗に終わってただろうけど、それでも何とか順調なスタートを切ることが出来たのだ。

 お陰でお金も順調に手に入れることが出来るようになった。

 けれどもポーションを作り続け売り続けないといけない状況であれば、いつまで経っても楽をすることが出来ないので何かを変えなくてはならない。


「ねぇ、ラインハルト、ちょっといい?」

「ええ、何でしょうか?」

「まだまだお金を稼げていないけど、新しいことを初めるというのは駄目かな?」

「……それは、ポーション作りを止めるということかい?」

「ううん、そうではないの。ポーションを作って売って、お金が稼げるからこそ他のことに挑戦出来ると思うの」


 全くお金がなければ新しいことを始める余裕すら無い。

 この先がどうなるかわからないけど、本来の目的を達成しようとするならこのままでは駄目だ。


「そうか……それで何を始めようと言うんだい?」

「ゆくゆくはカフェを開いて、ゆっくりとコーヒーを飲みながらノンビリしたいと思ってる。けどその前に始めないといけないのは……農業よ」

「農業? それはまた何でなんだい?」

「前にも話したけどね、私が開きたいお店に必要なものは高すぎるの。とてもじゃないけど、市民が手を出せるものではないわ。でもね自分で作れるようになったら、きっと安く出来ると思うの」


 ここでどれだけの作物が作れるかは分からない。

 だけども砂糖にコーヒー豆、その他にも作って手にいれたいものは一杯ある。

 エレンたちに心置きなくお菓子を食べて貰えるようするためには、作るべきものは多いのだ。


「そうか……なら、準備を進めないといけないね」

「ええ、植物の種を手にいれないと。それに栽培が行える土地……はまずは庭で行えばいいか」


 家庭菜園と呼ぶには些か育てるものが本格的だけど、それを実現させないと気軽にコーヒーを飲めないのだ。

 本当に出来るかどうかは分からないけど、やってみないことには何も始まらない。


「分かった、直ぐにでも手配しておくよ……けど、最近少し頑張りすぎじゃないかい?」


 薬草採集からポーション作り、そしてその販売まで。

 やらないといけないことは沢山ある。

 だけど今は全てが充実しているし、時折フェリが近寄ってきて癒してくれるから疲れは溜まっていない。

 どんなに大変でも仕事と休憩、もふもふタイムの黄金バランスは守っている。


「私なら大丈夫よ。それよりラインハルトこそ大丈夫なの? 私よりも頑張ってくれているけど」


 色々と至らない私のために、たくさん頑張ってくれている。

 私なんかよりも疲れは溜まっているはずだと思う。


「私も大丈夫ですよ。それにエリスの力になれることが嬉しいですからね」

「そうなの?」

「ええ……それより、先程ニコがエリスを探していましたよ」

「本当に? 何かしら……教えてくれてありがとう、ちょっと行ってくるね」


 こうして何事もなく日々は過ぎていく…………あんなことが起こるその日までは、少なくともそう思っていた。

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