↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/26

閑話 王宮 その2

誤字報告ありがとうございます。

ということで本日二度目の更新。


 国王様にラインハルトが提案した内容が採択され、オルタスの町ではポーションの自由売買が認められることになった。

 しかしそのことが面白くないと思う者たちがいる。


「なんなのだアイツは!」


 自室に戻った臣下の内の一人である男は悪態をつく。


「クソッ……このままではあのお方に顔向けが……」


 男は親指の爪を噛みながら頭を悩ませていると、扉が三度ノックされた。

 そして中に入ることなく、指示を伝えられる。


「いつもの場所でお待ちになられているとのことです。速やかにお出で下さいませ」

「わ、わかった。直ぐに向かおう!」


 一秒たりとも待たせるわけにはいかないので、男は慌てて部屋を出る。

 そして王宮をも出て城下町にある一軒の建物に入った。

 そこには初老の人物が座しており、男は跪き頭を下げる。


「お待たせ致しました、ダラス様」

「それは良い。だが、お主はワシに伝えねばならぬことがあるのだろう?」


 威圧的な空気に男は冷や汗をかく。


「も、申し訳ありません。私目の力では止めることが出来ず、オルタスの町でのポーションの自由売買が認められてしまいました」


 ダラスの怒りを買えばどうなるか分かっている男は、恐怖で声が震えながら報告を行う。


「決まってしまったものは仕方がなかろう。国王も血迷った判断をなされたものだ…………もう、先は長くないだろうな」

「ダラス様、それは……」


 他の者に聞かれれば大問題、それこそ国家反逆罪に成りかねない言葉に男は焦る。


「何を焦ることがある。今回の王命は失敗に終わる。それを見て、他の貴族がこれからも支えようと思うかね?」

「い、いえ……」

「そうなれば次に王となるのはアーデルト王子だろう。さすれば我らの思うがままになるのだ。今の国王を気に掛けていては、手に入れられるものも入れられぬわ」


 ダラスはニヤリと笑う。

 ダラスは第二王子のアーデルトが即位出来るよう様々な支援を行ってきており、裏から政治の全てを牛耳る手筈を整えているのだ。


「第一王子が即位されるということはないのでしょうか?」

「……それはないだろうな。情報は常にいれているが、病で床に臥せったままのようだ。そんな者に国の重責を担わせることなど出来るまい」

「そうでありますか……」

「そんなことより、オルタスの町の件は対策を考えているのであろうな?」

「はい、もちろんであります。直ぐ様に圧力を掛ける手筈を整えます……しかし辺境の地ゆえに、なにぶん発令が早すぎ準備もありませんので、今すぐにとはいきません……」


 男の言葉を聞きダラスは机を拳で叩く。


「そんな言葉を聞くために私はお前を呼んだのではないわ! これに失敗することが何を意味するのか分かっておるのか?」

「は、はい」

「ならば、今すぐにやるべきことを成せ! これ以上の言い訳は聞かんぞ」

「は! 畏まりました」


 ラインハルトの動きの方が早く、結局はポーション販売の開始を邪魔することが出来なかったのだが、既にその魔の手はオルタスの町に迫っているのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。