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43 延原くん
舞い落ちる桜の中で抱き合う二人の様子を、少し離れた場所から見守っていた。
宮本がそんな僕に声をかけてきた。
「あれで良かったのか?」
「……」
「お前、少し未練あっただろ?」
黙り込む僕を、宮本は少しからかうように覗き込んでくる。
「何で分かるんですか?!」
「そりゃあ、年の功ってやつだ」
「仕方ないですよ。栞は僕には――。それに、ロイドは……」
「友達か?」
「違います!」
「ふははは!」
焦る僕の反応を楽しむように宮本が笑う。
「部長――」
「私はもう部長じゃないよ」
僕は少し気になっていたことを口にした。
「宮本さん。もしかして僕のこと、利用しました?」
「今更気が付いたのか?」
くすくす笑う宮本を少し睨んだ後、真剣な眼差しで言った。
「責任取って、僕も国家プロジェクトに加えてください」
「はははっ。殺されるかもしれないぞ?」
「脅しですか?」
「忠告だ」
宮本はふぅーと息を吐くと、諦めたように肩をすくめた。
「まあ、君以外にあの研究の後任はいないよ」
(よっしゃー!!)
その言葉を聞いて、僕は心の中でガッツポーズをした。
そんな嬉しさを隠せない延原の表情を見て、宮本はふっと目を細めた。
(まあ、逃げたくても逃がさないけどね)




