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「お前たち女を三人見なかったか?」
「聞いても無駄だろう……」
いたずらが大好きな小さな妖精たちは、好き勝手な方向を指差すとどこかへと去っていった。
「そう言うなよ。いたら聞きたくなるのが心理だろう」
そう言うカイルの足元が水っぽくなる。
湿地帯に入ったようだ。
そのまま少し進めば、採掘用の灯りがいくつか見えた。
近づいてみると、木の幹に背中を預け耳を塞いでいる少女が一人。
その足元には二人の女が倒れ、もう一人……バンシーがその上に漂っていた。
「大丈夫か? 二人は悲鳴を聞いて?」
一人残った少女が涙目で頷く。
バンシーがカイルの声にゆっくり振り返ると、先にカイルに牽制された。
「煩い、泣くな」
バンシーはカイルの一言に心なしかうなだれると、顔を覆ってどこかへと消えてしまった。
いじめられて泣いて帰ったように見えなくもない。
「お前さんも悲鳴を聞いたのか?」
少女がまた頷く。彼女は魔法職なのでなんとか悲鳴に精神力が耐えられたのかもしれない。
先にリコが倒れた一人を確認し、カイルも続いてもう一人を抱き起す。
「こちらの娘は大丈夫そうだな。そちらは?」
「あんだけ俺に噛みついた割にメンタルは弱えな。明日まで起きないんじゃないか」
そう言うと「よっこいせ」とその女を抱え上げた。
その間にリコはもう一人を回復さる。彼女はすぐ目を覚まし、自力で動けるようだった。
魔法職の少女と手を固く握り、来た道を戻る救助隊に無言で、必死について来た。
「目当ての物は見つかったのか?」
「み、見つけたけど……探し始めてすぐにバンシーが現れて…」
「三つしか発見できなかったんです…」
「馬鹿だねえ。赤字じゃねえか」
カイルは成人女性を一人抱えているとは思えないほど軽々と進んでいく。
途中で現れたピクシーに「あっちで遊べ」と言えば言う事を聞いて何処かへと行ってしまった。
沼からは何かが目を出してこちらの様子を伺っていたが、目の前を通り過ぎても襲い掛かる気配はなかった。
その様子を後から来る二人がおっかなびっくり、だけど不思議そうに見る。
足首まで水に浸かりながら進むと、途中でカイルが止まった。
「夜光石ってのはな……」
足元には水に半分くらい浸かった岩。
女性でもなんとか動かせそうなくらいの大きさだった。
「……こうやって水に浸かってる岩の下にあるんだよ。全部の岩がそうじゃねえ、見分けるコツはあるけどな」
そう言って足で押し上げると、ゴロンと岩が転がり、水中に舞い上がった泥の向こうに青白く光るものが見えた。
必死に探して三個だったのに、ここにはいくつあるのだろう。
「二分しか待たねえぞ」
言葉の意味がわかり、寄り添うように歩いていた冒険者二人が慌てて水の中に手を沈める。
適当に掴んで引き上げれば、砂利と一緒に夜光石が四個入っていた。
もう一人は五個。




