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君が教えてくれた「こと」  作者: NEMI a.k.a. タピオカ


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第3話 Friends

凛が爆速で自転車をこいで図書館へ向かっている頃、その後ろを自転車で追いかける二人組の姿があった。

「天音!!凛早すぎて足折れる!!」

「凛は学年の中でも運動神経がかなりいいからね。まずあれに追いつこうとすること自体間違ってるよ。」

凛は中学の時陸上大会で受賞経験があるくらいには運動神経が良い。

追いつけるわけがない。

彼女らがいくら足に力を込めようとも、凛との差はどんどん開いていき、ついには見えなくなってしまった。

「…ゼェ…もう…見えなくなっちゃった!ハァハァ…どこ行ったのかもわからないやん…ゼェゼェ」

「この先で勉強ができる場所……。緑乃図書館かも…。というかそこしかない。」

「あぁもう!賭けや賭け!このまま突っ走るぞぉぉ!!ゼェゼェ」

彼女たちが図書館に着いたのは、凛が十和と合流した7分後のことだった。


「へぇ〜あの子か〜」

「端から見たらうちら不審者だよ。」

図書館の窓からひょこっと顔を出し覗き込む。

「凛の教え方は先生たちの数百倍にも及ぶからね。これで彼は成績上位間違いなしだよ。」

「いやなんで美心がドヤってんのさ。美心は成績学年トップになるかわりに表現力を失った悲しきモンスターでしょ。」

「えっ、ひどくない?私でも少しは教えられるし〜!」

「いやいや、いつもどんな感じが思い出してみなよ。」


『この数式をここにぶち込むと、こーなるから、あれをこうすればこう!う〜んbeautiful☆』


「ちゃんと計算して見せてんじゃん!」

「解き方じゃなくてもっと本質的に教えてほしいんだよ!凛は自分の頭のなかで計算する癖があるから急に計算式が飛ぶんだよ!」

「グッフ」

ドツボを突かれたのかダメージを受ける美心。

「でも成績がええし〜!将来的には困らんし〜!」

「話が根本からそれたなぁ。」

美心は根本からの天才だ。自分には届かない領域にいる。天音はそう思うことにしていた。

先生からも東大を目指せられると言われるくらい頭がいい。

確かに教え方が下手でも知識があればやっていけるのだろうか。

「…ずっと見てるのも悪いし、そろそろ帰ろっか。」

「せやな〜。明日もついてかない?」

「すぐバレそう。」

こうして、今日のところは図書館をあとにした。


その後も毎日のように凛の後をついていき、日が経つこと5日目。

図書館の駐輪場に自転車を停めたタイミングで、待ち伏せしていた凛達に確保された。

「十和がなんかチラチラ見てる人たちがいるとか言うからもしかしてと思ったらやっぱり!!」

「てへっ★。許してヒヤシンス」

「一部にしかわからないネタやめて?」

…なんか変な人たちが来たな。

「えっと…この方たちは友達?」

「あーそうだった!十和は初対面だったね。よ〜し!イカれたメンバーを紹介するぜ!まずは美心ちゃん!」

「どうも〜美心でっす!趣味は人間観察と家事!成績は学年1位だから、なんかあったら言ってね!この美心先生が丁寧に教えてあげる。」

「いやいや、美心の教え方はヘドロに埋まったドブでしょ。」

「えっ、ひどくない?」

「もう一人は天音っち!」

「あっ、えっどうも。橘天音です。…成績は二人よりかは下なので、あまり期待しないでください。」

「人見知り出てるぞ〜!目線を上げろ目線を〜!」

「いや、初対面ってどうすればいいかわかんないじゃん!?」

「こんな感じだけど、明日には普通に話せると思うからよろしくね〜!以上!」

…やっぱ騒がしい人たちだな…

「よ〜し!じゃあ今日はこの4人で勉強しよう!」

「よ、よろしくお願いします!」

「十和く〜ん!そんなかしこまらなくてええんやで〜。みんな楽しく行こ〜!」

こうして人生初の友達複数人での勉強会が始まった。


「だから!ここをこうやってこうすればいけるの!」

「それじゃわかりづらいよ!ここでメネラウスを使って辺adを求めるでしょ。そうしたら…」

「ここをガーってやればいける!」

「美心ちゃん一回黙って!?」

…騒がしいなぁ…。

ただ、こんな中でする勉強も悪くないと感じていた自分もいた。

互いに教え合って。時には休憩して。

初めて味わった友達の楽しさは、僕にとってはとても心が動かされるものだった。


「あっ、そろそろ帰らないと門限が…」

「えっ!?十和くんの家って門限こんなに早いの!?」

「そうなんだよ!十和の親ちょっと厳しすぎだと思って!」

「そうかな…?」

薄々は感じていたが、やはり僕の親は周りとは違うようだった。(主に父親の方が)

7時までには帰らないといけないし、テストでも満点以外はほぼ文句をつけてくる。

今持っているスマホも、母親がなんとか説得して購入させたくらいだ。

「自分の親も勉強しないと怒るけど、さすがにそこまで厳しくはないよ…。」

「力になれないかもだけど、つらかったらいつでも話してね?」

…ここまで心配してもらったのは中学の時以来だ。

いつも父からのストレスを、将に話して解消してたっけ。

高校に入ってからは悩みを話せる人が1人もいなかった。

だからこそ死のうなんて思ってしまったのだろうか。

やっぱり友達っていいものだ。

「うん。ありがとう。」

彼女達には本当に感謝しないといけないな。

そんなことを思いながら、今日は解散しようと思った。その時だった。

「あれ?十和じゃん!」

懐かしい声。中学時代、唯一の心の支えだった彼の声。

振り返るとそこにはかつての旧友の姿があった。

タイトル原曲「Friends / BAD HOP」


皆さんこんにちは。nemi a.k.a タピオカです。

今回でメインのメンバーが全員揃いました。

次回旧友が出てきますが、彼はあんまり出演でないのでサブということで。


今回の豆知識は、父親の話でもしますか。

父親が厳しいという話を出したのですが、正直ここまでは厳しくないものの、周りと比べると少し厳しい感じでした。

周りがフォートナイトとかをしてた中で自分だけ許されなくて話についていけなかったり、勉強について厳しかったり。

途中出てきたスマホの下りに関しては実話です。

とはいえ、父親がいたおかげで底辺高校にはいることはなくなったっていうのはありがたいところだったのかもしれません。


そんな訳でそろそろ締めましょう。

面白ければ、ブックマークや評価、ご感想お待ちしております。


次回作の更新までお待ちください。

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