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episode 11
僕は先生に出会って少しずつ心が溶かされていった。
あの頃、先生に出会っていなかったら僕はこの世に存在していなかったかもしれない。
それ程追い詰められていたと大人になって振り返ったらそう思う。
…彼女は当時の僕と同じ目をしていた。
『…私に礼など不要ですよ。気持ちだけ受け取らせて頂きますね。
その代わりに
…君の目の前に以前の君のような子がやってきたら話だけでもきいてあげてください。』
そう目を細め微笑む恩師は白いベッドで僕にそう託して目を閉じた。
…ガンだった。
今でも恩師の死を思い出すと心が抉られるように辛い。
4年前の事だった。
僕の合格を待っていたかのように先生はずっと今か今かと自分の事のように待ち、その後言葉を残して亡くなった。




