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兵庫県での出来事①

出張の旅も、場所が変わればメンバーも十人十色。


色々な班長がいる。


その中でも、ひときわ異質な班長は“ナニー班長”である。


ナニー班長とは、60代の最高齢班長。


言葉がいつもナニーよ、ナニー持ってきて!


道具の名前を忘れているのか、めんどくさいのかわからないが、口を開けばとにかく


「ナニーよ!」


を連発する、変わった班長である。


そのため、何を言っているのか非常に理解しにくい。


地面に杭を打ち込む重機のオペレーターで、仕事中、私に


ナニー班長「おい、ナニー持って来て!」


と言ってきたので


私「ナニーて、何ですか?」


と聞くと


ナニー班長「ナニーて、あれよ!

ナニーよ!」


と、答えてくる。


私はナニーがわからない時は、ナニー班長と長年コンビを組んでいるK先輩に聞く。


私「ナニー班長がナニー持って来てって言ってるんですが、ナニーて何ですか?」


K先輩はナニー班長の姿を確認する。


K先輩「ああ、しょうせん棒や。」


しょうせん棒とは、土木用語で長い鉄の棒の事。


鬼の金棒とかも呼ばれている道具。


他にも


ナニー班長「おーい、ナニーやけん、ナニーせんか!

ワシ、ナニーな!」


と、言ってきたので、私はK先輩に、ナニー班長は何を言ってるのか聞くと


K先輩「ああ、休憩時間やから休憩せんか。

ワシ、ブラックの缶コーヒーな。

て、言ってるわ。」


私「マジですか!」


K先輩「ああ。

あの人は、ブラックの缶コーヒーしか飲まんからな。」


なるほど…


と、思っていると、更に


ナニー班長「おーい!

もうナニーやけん、ナニーでナニー買ってきてくれ!

ついでにナニーも頼むわ!」


そう言われた時、困惑してK先輩に


私「ナニー班長、何を言っているんですか?

時間的に、お昼だからブラックの缶コーヒーを買ってこい、までは理解したんですけど…」


と聞くと


K先輩「ああ、惜しいけど違う!

もう昼やからコンビニで唐揚げ弁当買ってきてくれ。

ついでにピースのスーパーライトを頼むって言ってるわ。」


私「ええっ!?

そうなんですか?」


もう難しすぎて、信じられない…


しかし、更に極めつけは…


私がショベルカーの重機で残土を山のように盛っていると、ナニー班長が大声で私に


ナニー班長「お前、ここナニー!

それナニー!

あとナニーッ!!

お前、またナニー!

バツナニー!

ついでナニーッ!!」


と、身振り手振りしながら叫んで来たのである。


これはさすがに、もうワケわからん!


K先輩に通訳の助けを求めると


K先輩「ああ…

お前、ここに残土を盛るな。

それは15メートル離れた場所に盛れ。

あと、高さは2メートルな。

お前、また昨日と同じミスしとるぞ。

バツとして後で缶コーヒーブラック買ってこいな。

ついでに車に燃料入れてきてくれ…

だとさ。」


………


凄い!


もうここまでくると、ナニー班長とK先輩はベテラン夫婦並み、もはや阿吽あうんの呼吸レベルだ!


しかし、ここで疑問が出てきた。


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