高知市での出来事①
これは、鳥取県の出張が終わり、次の出張先である高知県高知市に行った時の話。
1日の仕事が終わった後、寝泊まりしているのは国道沿いにあるビジネスホテル。
ホテルのレストランで出張メンバーの2人と夜食をとりながら、私は高知の酒はどれだけ美味いかを力説していた。
私は徳島県民だが、日本酒は高知の酒を好んで飲んでいたからだ。
すると、ホテルのオーナーがその話を聞いていたらしく、よほど嬉しかったのか、私に高知の冷酒6本をプレゼントしてくれた。
私も酒が結構好きな方なので、喜んで頂く事に。
すでに晩酌でお酒を飲んでいた体に、冷酒を更に流し込む私。
口当たりが良く、すぐに一本全てを飲みほした。
さすが冷酒、酔いが回るのが早い。
気がつけば、私はすっかり出来上がってしまっていた。
食事を終わらせた後、皆は部屋に戻っていったが、私は1人で高知観光に歩いて出かける事に。
このホテルから歩いて20分ぐらいの所に、高知の観光名所である“はりまや橋”があるからだ。
時間は20時。
季節は2月の肌寒い中、私は持続する冷酒の酔いにフラフラとしながら、ホテルを出発した。
しばらく国道沿いを歩いていると、川沿いにある屋台のテントの明かりが目に入る。
私は屋台に入った事がないので、観光ついでに屋台にも行ってみようと思い、川の土手沿いに進路を変更した。
フラフラと視界が揺れる中、土手沿いにある屋台のテントに到着した。
早速屋台に入ろうとした時、ある事に気づいた。
入り口がないのである。
運動会で使われているような巨大なテントに、シートで周りを完全に包み込まれた状態の屋台。
とりあえず周りのシートを手で押してみて、入り口を探してみる。
しかし…
酔って視界が揺れる状態であったため、よくわからない。
入り口はチャックで封鎖しているのか?
と思い、チャックを探してテントの周りを手で押して探していると、テントの中から男と女の声が聞こえて来た。
女の声「ちょっと、誰かがテントを揺らしてない?」
男の声「なんか外の様子がおかしいぞ?」
私はちょっと恥ずかしくなり、屋台を諦めて離れようとした。
すると、テントを固定している地面からクサビを打ち込んだロープに足が引っ掛かり、テントのシートに向かって江頭2:50バリの全力ダイブしてしまう。
テントのシートに私の体がめり込んだ時、テントの中から悲鳴が響いた。
女の声「キャアァァァァァァ!!!?」
男の声「おい店主ッ!!
熊だっ、熊が出たぞっ!!!」
その悲鳴を聞いた瞬間、酔っぱらって視界が揺れる中、私は全速力でその場を走り去った。
もう気分は痴漢犯と間違われた人物。
捕まったら冤罪で逮捕されると思い、走れメロスの如く、必死に走った。
冷酒が若干リバースし、道中の道路に汚物で所々にマーキングをしながら、走って走って、息も絶え絶えになるぐらい走った…
………
気がつけば…
どのルートで来たかわからないが、無事に私は“はりまや橋”の手前まで来ていた。




