↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/53

第十七話 魔族の仕事

 今日は王宮騎士団、魔道士の方々に呼ばれ一日学校を休んだ。


「もしその気になったらこちらへ連絡してくれ。我々はいつでも君を歓迎するよ」


「はい。それではこれで失礼させていただきます」


 王宮騎士団からの勧誘。ありがたい話だけど卒業はかなり先だからまだ実感がわかないな。

 次は王宮魔道士のところか。


「王宮魔道士となり、一緒に国を守ろうではないか。魔道士になりたくなったらいつでも言ってくれ」


 同じく勧誘。ただこちらはウチのクラス全員に声をかけているようだった。ライトブロックの件だろうね。情報が早い。


「あら、レイ。今日はこっちに来てたのね」


 ルーナに声をかけられる。いつもの調子で返しそうになるが流石に王宮内でそれはいけない。


「ハッ、王女殿下。お声をかけていただき光栄です。今日は騎士団、魔道士の方々に呼び出していただきここへ参りました」


「あっと、ごめんなさい。ふふ、また学園で会いましょう」


「はい、また学園で」


 ふぅ、宮仕えになるとこれが当たり前になるわけか。大変、いや結局は慣れか。お給料もいいし選択肢としてはありなんだけどね。

 

将来どんな仕事に就くか、か。 せっかく学園に入ったんだから安定したところ、もしくは稼げるところに入りなさいとはイングリッド婆の言葉。


 世の中いろいろな仕事がある。ロウソクの火を消す仕事、粉挽き、魔王。

 三年の先輩方のところにどんな求人が来ているのか見に行ったことがあった。高給な仕事が多い中変わり種の仕事、下着泥棒が見つかったときに押収品を体育館にならべる仕事、衛兵下着並べ課の募集を見たときは魔族の行く末を案じた。


 今日の予定が終わりギルドの椅子に腰掛け冒険者達と会話に興じた。


「自分の実力に自身があるならやっぱり冒険者じゃないかな」


 最強の冒険者パーティを保有すると言われているレヴィアさんが話に入ってきてアドバイスしてくれた。


「お金も稼げる、タイミングが良ければボーマンさんみたいに貴族になることもある」


「夢がありますよね、冒険者」


「ふふふ、まだ三年あるんだ、じっくり考えるといい」


「お、レイじゃないか。就職活動はどうだった?」


 ボーマンさんも話に入ってきた。


「いつでもきてくれってお話でしたね。まだ決めていませんが」


「はは、そうかそうか」


(レヴィアよ、レイの勧誘ありがとう。約束の金だ)


(ククク、この世は金、権力、力! なんだけどね。それじゃ夢がないよね)


「どうだ、学校は。もうかれこれ2ヶ月か。流石に慣れたか?」


「ええ、おかげさまで。イリスには助けられましたよ。俺以外は皆顔なじみだったそうで、俺もすんなり入ることが出来ました」


「そいつはよかった」


「ああ、それと確認だ。午後から5認定試験があるから忘れないようにな」


「はい」


 冒険者のランクは1~10に振り分けられている。4までは依頼をクリアしていくだけで誰でも取得できるが、5からは筆記試験と実技試験が追加、両方合格しなければ取れなかった。


「レイ君はここへきた時に冒険者になったんだろ? 二ヶ月で、しかも学生さんなのに早いねぇ」


「週末はよくイリス達と討伐依頼に出かけていたようだったからな、それならあっという間よ。5までならな」


「ナルホド」


「ああ、そうだ、レイ君の力を見ておきたいな。見学させてもらおうかな」


 昼食後、ギルドの隣に併設されている訓練場で実技試験。


「今回実技試験官を担当する者だ、よろしく。レイ君、君の噂は聞いているよ。むしろお手柔らかに頼むよ」


 イリスと訓練するときと同じように木刀に布の服。服に魔力を流し防御力を上げた。


「いきます」


 イリスと同じくらいの力を出す感じで。加減て、難しい。


「カーン」


 数度切り結んだ後、試験官の木刀を弾き飛ばした。


「参った、実技は合格。噂通りの強さだね、レイ君」


「ありがとうございました」


「へぇー強いね」


「だろ? イリスと同じくらいって話だからな、負けたらしいけど」


「よし、次はおれの番だ!」


「レヴィアよぉ。今試験中なんだけど」


「えぇーー? いいだろ?」


「もちろんだ! 面白いからやるか!」


 むむむ、ここで強制バトルか。しかも相手はシェリルを口で打ち負かした曲者レヴィア。正直今一番戦いたくない相手だな。

 レヴィアが着替えて訓練場にあらわれる。


「お手柔らかにお願いします」


「さーてどう動くかな」


 ゆらりと動いたと思うと、不意を突かれたような位置から剣撃が飛んでくる。

 これを『かろうじて弾いた』ように見せたあと、バックステップで間合いを取る。


「そうだな、イリスと同じくらいか。ではこれならどうだ?」


 急激に木刀の動きが早くなる。これはイリスではさばききれない領域か。

 数回防御した後、木刀を弾き飛ばされ負けた。


「ヒュー! やっぱレヴィアはつええな」


「わがまま言ってゴメンねレイ君」


「いえいえ、とても勉強になりました」


(クックック。俺の剣の動きがほとんど見えていたじゃないか。目がとにかくいいのか強いが力を隠しているのか。詳しくはわからないが、面白いやつだ。まあ、力を隠しているとしてもシェリル程度か。イリスにいきなり勝って目立ちたくなかったってところか、それはわかるな)


(一振りだけ圧倒的な速さのフェイント剣撃があった。アレが見えてしまうとやばいやつだと思われそうだったから見なかったが。何とか隠し通せたかな? ふぅ、肝が冷える相手だ)


 その後着替えて筆記試験を受けた。


「おつかれさん。試験結果は明日な」


 ふぅ~、今日は疲れた。


「おかえりー。どうだった?」


「なんとか受かると思うよ」


「そうよね、レイならあのくらい楽勝よ。早く私と同じ7まで上がってね」


「ハハ、ここからがなかなか上がらないって聞いたけど、ほどほどに頑張るよ」


 今日は疲れたがイリスの元気な顔を見るとなんだか癒やされる気がする。

 夕食後お風呂に入り今日は早めに眠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。