第五話 闇之弾丸、炸裂
「やあ、一年ぶりだね。姉さん」
私は震えずにはいられなかった。
天夜――――彼は私の一つ下の弟だ。
だがある日、彼は突然姿を消し、その数日後には殺人集団の一人としてニュースで報道されるようになり。
高校一年のある日に、彼は突然私を殺す為に部屋に侵入。
幸い殺されずに済んだが、彼は殺人集団の一人として逮捕され、無期懲役の判決を受けた筈なのだ。
それがどうして、こんな世界に。
しかも、前とは気配が違う。
近付くだけで寒気が走るのだ。
「お前は誰だ!」
リョーヘイは天夜に向かってそう叫ぶ。
「ん? 僕か?
僕は天夜。そこにいるアサミ姉さんの弟だよ」
天夜が私を指差して答える。
「アサミの弟・・・・・・?
どうしてお前がこんな所にッ!」
リョーヘイの問いに対して嘲笑すると、天夜は悪い笑いをしながら答える。
「決まっているよね。君達勇者を殺す為だよ。
如何やら姉さんも、死んでないのにこっちに来たみたいだけど、僕に勝てるの?」
私と天夜は違う。
私は彼の言う強さに興味は無く、デスゲームに巻き込まれるまでは、ただ平凡に生き続けてきた。
天夜は、強さだけを追い求め、若干十代にして大人を体術のみで駆逐出来る程に成長していた。
勝てる道理などない。
「確かに現実世界じゃ、強さを求めて鍛え続けた君には勝てない。
でも、今の私なら・・・・・・」
「悪いけどね、僕は今のつまらない君達と遊ぶのはやだよ。
帰れ」
右掌を向ける。
周囲に出現した闇の気が爆散すると同時。
私達は光に包まれ――――