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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第18話:創造主が言った「考えろ」の意味について考える三人



あれからどれだけ時間が過ぎたのだろうか…。

この世界には時計がない。だから時間は自分たちの感覚でしかないのだ。周りを見ても太陽の傾きで時間を推し量ることは出来るが、ここは〝無〟の空間のために太陽すらなく、ただ〝光〟それしかないのだ。






「創造主様は私達にここで〝考えろ〟って言われたわよね……………。」




輝夜が話を切り出した。






「ああ。確かにそう言った。だが何を考えろと…?」




「あの前後の言葉を思い出しましょう。」






悠一の言葉に輝夜も満流も頷いた。










〝偉大なる力というものは簡単には手に入らないのが世の常だ。しばらくそこで考えるがいい〟










「創造主様は〝何について考えろ〟とは言われなかった……………。」




「だが俺たちは俺に力を授けてほしいと言った。」




悠一も頷きながら




「そうすると普通に考えると、〝その力について〟考えろって事になりますよね。」








少し考えたあと輝夜は満流に尋ねた。




「………………ねぇ、満流。具体的にはどんな力が欲しいの?」




満流はその言葉で〝ハッツ〟とした。






「まさか俺が望む形での力を授けてくれるのか?」




「は?まさか!そんなに世の中甘くないでしょ?」




「ハハハ!そうですよ。輝夜さんの言う通りです。」




悠一まで満流を見て笑っている。満流の中では輝夜が味方をしてくれない事で少し苛っとしていた。






〝そんな言い方しなくても……………。輝夜は俺の恋人なんだし、ちょっとくらいは味方してくれてもいいじゃん!〟




むくれる満流を見て笑うのをやめて冷静に考えることに二人は気持ちを切り替えた。






「でもある程度自分に必要な力を考えておくのもいいと思うわよ?私にだって必要な力があるのかもしれないし……………。それに……………。」




輝夜はそこで言葉を止めた。満流にはその先の言葉が何となくわかる。やはりキングだからだろうか……………。満流自身も同じことを考えているからだろうか……………。






「それに……………?」




悠一が言葉を繰り返した。輝夜はニッコリと笑って






「悠一くんが〝黒〟から〝白〟へと変わること、ないのかな~って。」




その言葉を聞いて悠一は顔がポッと赤くなった。それを見て満流が言葉を補足した。






「な、仲間として!だぞ?!」






悠一はすぐには返事が出来ずにいた。そういうことが可能なのだろうか…。




〝僕は満流のように操られてるとかじゃない。だから僕の使命は黒のナイトとして生きて行くことだが……………。もし、白のナイトとしてこの先、生きられるのなら彼等と共に歩んでいけるということ。〟






悠一は身体の奥底から湧き上がる温かい気持ちに、涙しそうになりながらちょっとはにかんで




「アハッ、……………だといいな。」




そう答えて笑った。








悠一の意思も確認したし、輝夜と満流は安心した。






「よし!どうせだ!それも創造主に話しようぜ?」




「あははっ!そうね。沢山考えてそれを創造主さまに話ましょう!」






三人の意見が一致した。








どれだけ時間を費やしたのかはわからないが、もうさっきまでの不安や焦りは三人の中からは完全に消えていた。この先、何が起ころうとも力を合わせて乗り越えていける!そんな気がしてならないのだ。






「じゃあ、要望を出していこう!」


「お?いいね。覚えきれないからどっかメモ出来ないかな?」


「あぁー、僕はいつも持ち歩かないんですよね…。」


「私もだわ。」


「チェッツ、俺が持ってるわけないじゃん。」


そう言って満流は床を足で蹴った。




「……………ん?」






硬い大理石で出来ていると思っていた床が満流が蹴った箇所だけ擦り傷が入った。




「は?これ、大理石じゃないのか?ーだったら!」






満流はしゃがみこんで指先で床に文字を書いてみた。




しゅる、しゅるしゅる…。




「お?やっぱり!」




満流が指で書いた文字が浮き出てきた。






「これは面白い仕組みですね。」


「くすくすっ。本当。ここじゃ、お腹は空かないけど、何だか喉が渇いた気がするわ。」




「ハハッ、そうですね!」




すると目の前に〝ポン、ポン!〟と二人が飲みたいものが現れた。




「ーは?なんだ?お前たちだけ?」




「いや、突っ込むとこ、そこじゃないですよ?」


輝夜も激しく頷いた。






「チェッ!」


満流は軽く舌打ちをして、ふと、目の前に現れた飲み物へと視線を向けた。




「なあ…。もしかしてこの世界って、考えたことが形になるんじゃないか?」


「あ…。」


「なるほど。だから創造主様は〝考えろ〟って言ったのかもしれませんね。」




三人はお互いの顔を見合わせた。








***






「────よし!それじゃあ、こんなものか。」






満流がそう言って立ち上がった。








その時だ。またもや空間が歪み、駒たちが共鳴する…。






〝────創造主様のお出ましね!〟




三人は待ちに待った創造主に再び会えることで逸る気持ちを抑え、待機する。

目の前に創造主が再び現れた。やはりさっきと同じで悠一はその圧によって地面に押し付けられる形になった。






ご覧下さりありがとうございます。自分でもまさかの展開になってきました。

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