第18話:創造主が言った「考えろ」の意味について考える三人
あれからどれだけ時間が過ぎたのだろうか…。この世界には時計がない。だから時間は自分たちの感覚でしかないのだ。周りを見ても太陽の傾きで時間を推し量ることは出来るが、ここは〝無〟の空間のためにそれすらもないのだ。
「創造主様は私達にここで〝考えろ〟って言われたわよね……………。」
輝夜が話を切り出した。
「ああ。確かにそう言った。だが何を考えろと…?」
「あの前後の言葉を思い出しましょう。」
悠一の言葉に輝夜も満流も頷いた。
〝偉大なる力というものは簡単には手に入らないのが世の常だ。しばらくそこで考えるがいい〟
「創造主様は〝何について考えろ〟とは言われなかった……………。」
「だが俺たちは俺に力を授けてほしいと言った。」
悠一も頷きながら
「そうすると普通に考えると、その力について考えろって事になりますよね。」
少し考えたあと輝夜は満流に尋ねた。
「………………ねぇ、満流。具体的にはどんな力が欲しいの?」
満流はその言葉で〝ハッツ〟とした。
「まさか俺が望む形での力を授けてくれるのか?」
「は?まさか!そんなに世の中甘くないでしょ?」
「ハハハ!そうですよ。輝夜さんの言う通りです。」
悠一まで満流を見て笑っている。満流の中では輝夜が味方をしてくれない事で少し苛っとしていた。
〝そんな言い方しなくても……………。輝夜は俺の恋人なんだし?〟
むくれる満流を見て笑うのをやめて冷静に考えることに二人は切り替えた。
「でもある程度自分に必要な力を考えておくのもいいと思うわよ?私にだって必要な力があるのかもしれないし……………。それに……………。」
輝夜はそこで言葉を止めた。満流にはその先の言葉が何となくわかる。やはりキングだからだろうか……………。満流自身も同じことを考えているからだろうか……………。
「それに……………?」
悠一が言葉を繰り返した。輝夜はニッコリと笑って
「悠一くんが〝黒〟から〝白〟へと変わること、ないのかな~って。」
その言葉を聞いて悠一は顔がポッと赤くなった。それを見て満流が言葉を補足した。
「な、仲間として!だぞ?!」
悠一はすぐには返事が出来ずにいた。そういうことが可能なのだろうか…。
〝僕は満流のように操られてるとかじゃない。だから僕の使命は黒のナイトとして生きて行くことだが……………。もし、白のナイトとしてこの先生きられるのなら彼等と共に歩んでいけるということ。〟
悠一は身体の奥底から湧き上がる温かい気持ちに涙しそうになりながらちょっとはにかんで
「アハッ、……………だといいな。」
そう答えて笑った。
悠一の意思も確認したし、輝夜と満流は安心した。
「よし!どうせだ!それも創造主に話しようぜ?」
「あははっ!そうね。沢山考えてそれを創造主に話ましょう!」
三人の意見が一致した。
どれだけ時間を費やしたのかはわからないが、もうさっきまでの不安や焦りは三人の中からは完全に消えていた。この先、何が起ころうとも力を合わせて乗り越えていける!そんな気がしてならないのだ。
「────よし!それじゃあ、こんなものかしら。」
満流がそう言って立ち上がった。
彼等の足元にはチェス盤の床。その上にあろうことか三人は要望を書いたのだ。
硬い大理石で出来ていると思われたチェス盤の床は指でなぞるだけで文字を書ける。
それも白色、黒色、何でも自由自在だ。
その事に気付いたのはふとした瞬間の出来事だった。そう、三人は〝この空間では考えた事が現実になる〟という事に気付いたのだ。
その時だ。三人の目の前に創造主が再び現れた。やはりさっきと同じで悠一にとっては凄い圧を感じたようだ。
ご覧下さりありがとうございます。自分でもまさかの展開になってきました。




