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刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第17話:創造主と再び会うまで…!



三人があてどなく彷徨っているうちに段々会話が少なくなってきた。それは辿り着けない事への焦りからだろう。しかも周りは光に溢れた真っ白な何もない空間だ。景色が変われば気持ちも変わるのだろうが、どこまで歩いても歩いても変わらないのが一番の原因なのだろう。


「もう、どれくらい歩いただろうか…。」


満流が零した。



「さあね。辿り着くまで歩くしかないんじゃない?」


輝夜が冷静に答えた。それに悠一も頷いた。



「なあ……………。万一、辿り着けなかったら俺たちどうなるんだろうか……………。」


「はあ?何バカな事言ってんの?!辿り着けないはずないじゃない!」


「だってさ、これだけ歩いてんだぜ?」


満流の不安が輝夜と悠一にも伝わる…。だがここで諦めては駄目だ。



「満流、弱音吐くだなんてあんたらしくない!」


そう言って輝夜は満流の頬をビンタした。



「────!?」


驚く満流と悠一。



「いつだって私を守ってくれて、勇気付けてくれたのは、どこの誰?!他ならぬ満流でしょ!?」


満流は輝夜に叩かれた頬に手を添えて茫然と輝夜の言葉を聞いていた。



〝……………。そうだ。俺は輝夜を守るために産まれたようなものだ。こんなとこで諦めてたら意味がない!〟


満流が強くそう思った時、また周りが眩い光に包まれて、その眩しさが収まったと思ったらあの見覚えのある景色に変わっていた!



足元にはチェス盤の模様……………。そしてチェスの駒の銅像が幾つも並んでいる…。


この無の世界で唯一、無じゃい場所はただ一つ!




「────ここだ!」



満流と輝夜は声を揃えて言った。一方、悠一はというと




「な…んですか、ここ……………!圧がすごいです…!!」


チェス盤の床に倒れ込んでいた。

すぐさま輝夜が駆け寄った。



「大丈夫?悠一くん……………。」


満流は心配ながらも輝夜が悠一へと向かうのを見てちょっぴり面白くない。



「すみません……………。ただ、ここが物凄く圧が凄くて息苦しいのです。お二人はそういうことは……………。」


そう言ってゼエゼエ言っている悠一。ふと二人を見るが輝夜も満流もキョトンとした顔をしていた。



「ははっ、流石キングとクイーンだ。」



そう呟いて必死で息を整えた。




「────何か来ますっ!」




悠一がそう言うと三人の前に創造主が現れた。




相変わらずその身体は巨大で巨人のようであり、神のごとく美しく存在自体が威厳を帯びていた。その圧を感じているのは、どうやら悠一だけのようだ。これは個人の性格によるものなのかもしれない。





「久しいな、白のキングとクイーンよ。お前たちがここを訪れる理由も私は知っておる。」


その言葉に満流は


「だったら話が早い。創造主様、すぐさま俺に力を授けて欲しい!」


そう言って創造主に頭を下げた。



輝夜も立ち上がり


「私からもお願いします。創造主様。」


息が切れ切れの悠一も


「僕からもお願いします……………。」


そう言ってその場で頭を下げた。




「うむ……………。お主らの要望はわかった。だが、偉大な力というものは簡単には手に入らないのが世の常だ。しばらくそこで考えるがいい。」



そう言って創造主は姿を消した。




「────創造主様っ!」


三人が手を伸ばしてもその手が届くはずもない……………。




創造主が消えた後もチェス盤の床のこの空間はそのまま残っていた。



「時間がないのに……………。」


満流はとても悔しそうだった。ギュッと握りしめた拳は小刻みに震えていた。輝夜は今はそっとしておくべきだと思った。そしてふと疑問に思ったことを口をついて出ていた。



「ここでは時間の流れはあってないのかしら……………。」


それに答えたのは悠一だ。


「そうですね。以前あなた達が消えた時、実際の時間は1時間も経っていなかったんです。きっと今回のようにかなり歩き回ったはずですよね?」


「そうね……………。今回だって半日以上は歩いてるはずよ?だけど不思議ね…。それだけ歩いていたのに身体は全然疲れてないのよ……………。」


「地面に足が着くんだから重力だって普通にありそうだしな。」


満流も二人の会話に参加してきた。きっと彼なりに焦ったところでどうにもならないと気持ちを切り替えたのだろう。



「あの時、二人は身体ごと消えていたからこっちの世界には今回と同じく身体ごと来ていたはずです。」


「……………………………。」



三人は黙ってしまった。この空間といい不思議でならない。そもそも自分たちの存在自体不思議なのだ。


「ねぇ…。もしかして身体はずっとココにあったんじゃない?」


輝夜が何気なく発言をした言葉の内容が凄かった。



「そうか!身体はここにあって、心?魂と呼べばいいのか?それがずっと歩いていた感覚になっていた?」


「うん、そう!だからどれだけ歩いても身体は辛くはなかったんじゃないかな……………。」


「なるほど!それだと疲労感について説明が合いますね。」


悠一も納得する。



「あながち満流が言っていた〝どこにでもあって、どこにでもない〟は合っていたのかも……………。」


「ハハッ。なんだよ、それ……………。それがわかったとしても何も解決にならないじゃん。」


輝夜も悠一も顔が曇った。



「確かにそうよね……………。」


「ですね。」



二人の顔を見て満流は焦った。


「違っ!お前たちを責めるつもりなんてないんだ!」


「ええ、わかってるわ。だけど満流が力を得るためのヒントにもならないってことも……………。」


輝夜がそう言うと今度は満流自身も黙ってしまった。



〝焦りは禁物だ。判断を鈍らせるから…。創造主は一体俺たちに何をさせたいのだろうか……………。〟


満流は握った拳を再びギュッツと力を込めて握った。そして自分の中の焦る気持ちと戦っていた。






ご覧下さりありがとうございます。やっとのことで創造主に会う事が出来たが、そう上手くはいかなかた。焦る満流たち。

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