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新たな国交

ドルファとドーランの結婚式も一通り落ち着いてきたので、待ちに待ったミール肉の出番となった。

ルガースとラーナは、久しぶりに見たこんがり焼けたミール肉を見てすぐに今にも食べたそうにしている…


「皆さん、どうぞこんがり焼けたミール肉を食べてみて下さい。とっても美味しいですよ?」

俺がここにいる全員にそう告げると、恐る恐る手に取る者や躊躇わないで食べてくれる者らと様々だったが、最後には皆が同じ言葉を口にしていた。


「うまーい‼︎」

一口食べただけでそんな感じだったので、薦めた俺も思わず嬉しくなった。


「ナルガス‼︎こんな美味しい肉をいつも食べてたなんてズルい⁉︎」


「り、リオン落ち着きなって…」


「はは…一番最初にこいつを見た時は俺もビビってたんだけどな?しかも焼肉にできるなんて、当初は思わなかった」


「むぅ…じゃあ一度私達も結婚したら、砂漠に旅してみようよエリオル~!私達なら多分楽勝よ?」


「まあ行くのは構わないけどさ…一つ聞くけどナルガス、暑さ対策とかはやっぱり必要かな?」


「もちろんだ!おまけに見渡す限り足をとられやすい砂と岩場がたくさんあって歩きづらいから、いきなり歩いて旅するのはかなり酷じゃないだろうか?

まずはイェルガー族の彼らが使っている船に乗せてもらって、コウドル達が住む国…[コウドリア]に行った方が良い気がする」


「コウドルか…今日の結婚式に招待してあげれば良かったかな~?あんなに見違えてたもの」


「じゃあ、僕たちが行けば良いじゃないか。結婚後は新婚旅行先を彼のいる国にしてみよう?リオン」


「うん‼︎」


「行くんなら、まずはルガースに相談してみなよ?彼ならきっと取り計らってくれるかも知れないから」


「分かったわナルガス、ありがとう‼︎」


「どういたしまして!」

二人は共に、ミアさんと会話していたルガースに駆け寄っていく。

向こうのほうではすでに、二人が先ほど俺の言った内容を喋っているのだろう…


「良いですねぇ〜!私も是非、ルガースさんの住んでいた所を見てみたいです‼︎」


「そっ、そうか?じゃあ弟のルガートに後日聞いてみるぜ」

ミアさんもどうやらその話題に乗っかっているみたいだし、あっちはそのままにしておいても良さそうだ。


周りを軽く見渡すとコルナとゴーフ…

それにビーとヘルス達が皆、美味しそうにミール肉を頬張りながら満足しているのが分かると、土産として持って帰って良かったなと俺は思った。


「ナルガス様!」


「ナルガスさん‼︎」


「ナルっち‼︎」

三人同時に声をかけてきたよ、この娘達…


「やぁ三人とも!改めて見るけど、本当に見違えたね?リノッコは…形が変わったのかな?」

見ると傘のように開閉が自在にできるようで、昔見えていたつぶらな瞳が翡翠色に輝いている…なかなか幻想的に見えるが、何故手足まで生えてるんだ?


「うふん!ナルっち…あたしの色気ムンムンな肢体をそんなに見つめられると、興奮してきちゃうんですケド~♪ねぇ、一度あたしに触れてみない?」

お、おう?そんな意識はして見たわけじゃなかったんだが…


「ちょっとリノッコ、抜け駆けなしって言ったでしょ⁉︎

ナルガス様!リノッコなんかより、この私の成長した姿を見て下さい!そしてその手で直に色々な所を…ハァハァ‼︎」

コロッポ、発情してるのか?確かに昔はちんまりしてただけなのに、今や隣にいるドレアの頭から膨よかな胸の所までの大きさに背丈が伸びて……ん?


「ナルガスさぁん…私の体ならコロッポ達よりは抱き心地ば・つ・ぐ・ん!ですので、良かったらいかがです?」


「けけっ、結構です~⁉︎」

俺はレダを抱くまでは貞操を守ると決めた。故に、足早にその場を退散する…


「「「~~~⁉︎」」」

後ろでは俺を呼び止めようとする声と、お互いが足を引っ張り合って行かせまいと邪魔しあう光景が視界に入った気がした…


さてと、気を取り直してそろそろ俺もラーナとレダがいる場所に向かうとするか。


「おーいレダ!ラーナ!」

目の前の二人はミール肉をその小さい口でこまめに噛みつつ、その旨味を堪能している。


「あっ、お兄ちゃん!このお肉、本当に美味しいよ‼︎」


「気に入ってもらえて良かったよ、ラーナとレダもその肉を食べてしばらくしたら早速行こうかなと思うんだが」


「ええ、分かったわナル兄ぃ。じゃあちょっとお兄ぃに行ってきますを言ってくる~!」


「ああ!…走るとぶつかるぞー?」


「はーい‼︎」

慌てて歩くラーナを見て俺達は、思わず和んだ。


「元気いいね~ラーナちゃん」


「本当だな。…だが今は、前向きに生きようと頑張ってるのを見てるようで少し心が痛い気持ちになるのは俺だけか?」


「心配するなナルガス!あの娘っ子は、わしの見る限り強がってるわけでは無さそうじゃ…素直に楽しんどるよ」


「「国王様‼︎」」


「はっはっは!もしや、そなたらだけで抜け駆けするつもりだったのではあるまいなぁ?」


「めっ滅相もございません⁉︎」


「ちゃんとみんなにもついてきてもらいたいですから‼︎」


「はっはっは!分かっておるよ、皆が食べ終わって事が落ち着き次第ワシの方からついて行きたい者達を選ぶから安心しろ」


「「はい…」」

うっかり忘れるところだった…


その後、結婚式後の食事と披露宴は頃合いと見た国王の一声で終わることとなった。

どれほど長く喋っていたのだろうか、ミアさんとルガースはまるで昔から知り合いだったんじゃないかと思える程に誰から見ても仲が良さそうだったとヴォルス達は言い、その会話を聞いていたこの二人も同じことを思っていた。


「こりゃ、早々にこの二人は結婚しちまうんじゃねぇか?ギウル」


「そのようだなジグル、こりゃあ冒険者もフルで稼いでいかねぇと祝い物とか出したくても金が足りねぇや!」

ドルファとドーランの豪勢な結婚式用に使っているお金は、国王からの援助を始め冒険者ギルドからルードスの町に至るまで、提供される形で賄っている。


毎回この調子だと、流石に国の財力は潤いはしないだろう…


「皆静粛に!これから大事な話がしたいのでそのままでも構わない

急な話ではあるが、ナルガスとレダの二人が足を運んできたと言うグラゼンドにて悪しき支配者として君臨していた前王どもは、古の巨人二人によって裁かれたそうだ!

ちょうどそこにいる二人がイェルガー族の少女ラーナを連れて、今日これから向かうらしい。

わしは今こそ、新しい時代の幕開けとしてそこに住む民達と交流を深めつつお互いの国益を潤したいと考えている!

もしわしらと共に来たい者がおるなら、近くまで来てくれんか?」

国王の言葉を聞いてから近くに現れたのは10人。


ドルファとドーランにラオーガ、ライ、ヴォルス・シエッタ、ルネーガ・サラティ、エリオル・リオンである。


「ラオーガ、あなたも一緒に来るの?」

レダは嬉しくもあり、同時に心配でもあった。一応彼も底辺冒険者として登録してあるが…


「もちろん!お姉ちゃん達がいるんなら平気でしょ?僕も一度で良いから他の国とかに冒険してみたいんだ!」


「「行ってらっしゃい」」

両親も、息子達の旅を快く見送ってくれている。


「よし、行くかラオーガ!ライさんも来てくれるんだね?」


「勿論ですとも!本当は我も家族全員で行きたい所なのですが、あれでは…」


「アイカちゃんにメイナちゃん、どうしても行きたくないの?」


「ラオーガ君も一緒なんだし楽しい旅じゃない」


「「うぅ~…」」

う~ん…前世で言う家猫特有のテリトリー重視みたいに慎重な性格なのか、それとも他に理由があるのか?

流石にこれじゃ一緒に行動はできそうにないよな。


仕方ない、[あのスキル]を見せておけば、身だしなみも清潔にできて外へ出る事を楽しんでくれるかも知れないし…試しに教えてあげよう。


俺は一度彼女達のいる場所に一人で近づいて行き、腰を少し屈めて彼女達に声をかける。


「二人が行きたくないのは、やっぱり住みやすい所から離れるのが嫌なのかな?それとも…」


「汚なくなるから!」


「汗くさいから!」

なるほど、女の子らしいもっともな理由だったかぁ…


「「はあぁ…」」

二人の母親も、流石にまいってしまったようだ。


「そっか…じゃあ、良いスキルを教えてあげるよ。二人は風魔法か水魔法とかは使える?」


「うん。アイカは水魔法ー」


「メイナは風魔法ー」


「ちょうど良いね!もしもスキル・クリーンテッドを持ってたら、空間を一つ分作ってみな。

二人それぞれの魔法とスキルを一度に空間へ押し込んでみると、きっと面白いことが分かるよ?あっ、魔法は優しめにね」


「「?うん」」

二人は俺の言った通りの事をしたら、なんと即席の体を洗える場所…[洗浄空間]が完成した。


「「すごーい‼︎」」


「これならどこにいても気休め程度に体を綺麗にはできる筈だ…俺達が帰ってくるまで近くの森で遊びながら、一度試したら良いよ」


「「ありがとー‼︎」」


「流石はナルガスの坊や、これなら思う存分私らでも外に連れ出せるわね」


「ありがとうございますナルガスさん!長い間教会で奉仕をしていた私も、あなたが娘達に出したアイデアのおかげでサバイバル術を身につけるチャンスを持てました!ジルカ、早速行きましょう?」


「待ってよ[メルマ]!まだあなたも私達の子供も冒険者ギルドに登録していないじゃない

ちゃんと外に出る準備をしてからじゃないと危険よ!…良い?三人とも」


メルマ達「はーい!」

あれ?シスターとしては大先輩なはずのメルマさんといつの間にタメで話すようになったんだ?


でも、ジルカさん達…なにやら仲が良さそうだ。


「かたじけないナルガス殿、我らの娘に御知恵を下さって感謝致します」


「気にしないでくれライさん、あとは当人達に任せてそろそろ向かおうか?」


「御意‼︎」


「「行ってらっしゃーい‼︎」」


「母さんに父さん。それにみんな、行ってきます‼︎」

こうして俺達はグラゼンドまでの道のりを進む為、ドルファ達が考案したと言う空間ボールに入っていく。


今や、走るのが楽しみの一つとなったらしいドーランがなんと運ぶ事に…今日結婚したばかりの花嫁なんですが。


「ドーラン、なんかごめんな?扱い方を教えてもらえれば俺も運んであげられるんだけど」


「良いんですってナルガス様!私は今、風と一つになれているんですから‼︎」

おいおい、生粋の走り屋かよ。


「あはは!気にしないでよナルガス、彼女も初めての場所には自分の足でとにかく走ってたどり着きたいらしいから、好きにさせてあげてくれ」


「ドルファが言うんなら構わないが……そういえばレダ、ゼムノスは大丈夫なのか?今日は姿が見えなかったけど」


「あっ、うん…ゼムノスったらゲルルさんを捕まえて何やらお話をしてるらしいんだけど、なんの話かは分からないかな」


「へぇなんだろうな…もしかして教師にでもさせるつもりかな?」


ヴォルス達「ありえる(わね)」


「マジかよ…俺が言うのも変だけど、ゲルルはスパルタ教育だぞ?

強くなったコウテイアホウドリ族達もたまにねをあげるし。」


「へぇ、楽しみじゃない!ひょっとしたら手合わせ願えるかも知らないわね?」


「リオン、興奮しすぎ!」


「あはは、ごめーん!」

シエッタに注意されるリオンであった。


俺達はゼンドラン跡地にさしかかると、ドーランにそろそろ歩いて行こうと提案したので、彼女も快く承諾した。


「ありがとう、お疲れ様ドーラン」


「エヘヘヘ!我が人生に悔いなし‼︎…なんてね♪」


「誰に覚えさせられたんだよ…」


「ははは!すまぬナルガス殿…我だ!」


「ライさんかよ⁉︎…まあ、楽しいし良いや!」


「なぁナルガス?本当にここがお前達がいたゼンドランなのか?建物や死骸が散乱してるってのに、不思議と悪い感じが全くしねぇぞ

やっぱ、そのユーレイってのを癒したって話は本当なのか?」


「ああ…俺の水魔法とレダの光魔法を組み合わせたら、広範囲のユーレイを浄化できたんだよ」


「そうなんだ…ウチのサーチにも一切敵意が表示されないなんて驚いたわ」


「ねぇナル兄ぃ、あたしにもそれができるかなぁ?」


「もちろんだよ!ラーナもレダやエリオルから光属性の使い方を習ったら良い。そうしてくれるととても心強いから」


「うん、頑張る‼︎」

しばらく語り合いながらまっすぐ歩いた先には活気に満ちて…いたかに見えていた住民が、深刻な顔をしていた。


何が起きたんよ?


「あの、どうしたんですか?皆さん」


「おおお⁉︎ナルガス様が来られましたぞぉ‼︎」


「ナルガス様!どうかお助け下さい‼︎」


「えっと、何かあったんですか?昨日はあれほどまでに皆が喜んでおられたのに」


「はい…昨日私達は嬉しさのあまり興奮が覚めやむまで飲食をしておりました

ただ、生活の為に取っておいた食事をまとめて使ってしまったのでみんな今朝から何も食べられなくて困っていたのです」

あー…はっちゃけ過ぎたんだな。


「なるほど…じゃあここに滞在している冒険者達がいたら、外にいる野生の獣型モンスターを狩れば済む話なのではないですか?」


「…申し訳ありませんナルガス様。この私、ルドウが唯一残っている冒険者の一人だった者です…」


「「ルドウさん‼︎」」

どう言う事だ?見たところ、冒険者ギルドらしき建物は健在してはいるが。


「前王がこの年まで反乱分子になる可能性がある者達…冒険者を含む者達を一人残らず捕らえ、処刑する恐ろしい法律を作っていたのです

不幸中の幸いか…当時私だけは下級冒険者でしたので、前王の目に止まるほどの力は持ち合わせていなかったが為に今日まで生き残って来ました

ですがギルドマスターも不在なこのギルドでは、依頼の受理や管理が成り立たないのです…」

前王、本当にどこまでも愚か者だったんだな。


正直言って、先代の神達には感謝しかない。こうしてこの国にいる民達は救われたのだからな?……ただ


「どうします?国王様」


「うむ…ならばここはわしの出番だ!この国の王と相談ごしたい!すまんが誰か、案内してくれんか?」


「「はい‼︎」」

女のエルフ族と、男の狐族が先導して国王様を連れて行ってくれるようだ。


「父上!僕とドーランも共に参ります…今ならまだ、王子として振舞う事ならできますので」


「私もお邪魔は致しません、お父さま‼︎」


「ああ‼︎頼もしいな二人とも!ではナルガス、それに皆…後で落ち合おう!」


全員「はい‼︎」

国王様と二人は、お城が見える奥の道へと案内されていった。


「お、オイラ達はどうすりゃ良いんだ?ナルガス」


「まずはロウガさんがいるところに向かおう

ライさんも神官として挨拶しといた方が良いんだよね?」


「おっしゃる通りですナルガス殿、では共に参りましょうぞ」


「分かった!皆も、まずはついて来てくれ…顔見せ程度の挨拶だけでも構わないから」


彼ら「(頷)」

ルドウさんと共にまずは教会へと向かう俺達。


「ナルガス様、再び来てくださり誠にありがとうございます! …そちらの方はもしや、以前に神様が仰っていた新たな神官としてゲラルドの教会に着任された方である、かつて鬼猫と呼ばれしライ様ですか?」


「左様、お初にお目にかかる。いかにも我は元鬼猫:ライと申します故、以後お見知り置きを……

して、この国が置かれている現状を分かる範囲で教えて頂けませぬか?」


「はい…ですがその前に、ナルガス様との約束を先に果たすとしましょう。ラーナという名の子は、どなたでしょうか?」


「あ、あたし…です」


「どうぞこちらのそばへ来て目を閉じ、頭を下げながら両手を組んでください。神様から預かっていたスキルを、今から貴方に授けましょう…」

ラーナはロウガ神官の言う通りにした…


眩しくて暖かい光が彼女を優しく包み込むと、ラーナの体には水色の光が満たされていく。


まるで、何かが[覚醒]したかのように。


「もう良いですよ、目を開けて楽にしなさい?」


「はい…」

ラーナは目を開き、俺達の方へと振り向く。すると彼女の目に異変が起きていた!


「ラーナの瞳が…ゆっくり水色になっていく⁉︎」


「あれ?ナル兄ぃ…なんだよね?なんだか見たことない種族の格好が、私の目には見えるんだけど

少し小太りだけど優しそうな顔をした、男の姿がかぶってるよ?」


「それ…俺の前世の姿だよ!」

神様、一体ラーナに何を与えたの?


「そうなの⁉︎じゃあレダ姉さんは…なんか猫族がちっちゃくなった感じの、黒い毛の色をしたのが足元に見えてる」


「うにゃ⁉︎」

レダも体が固まってしまうほどに驚いていた。


「…ロウガ様。ラーナの目には一体、なんのスキルが宿ったのですか?」


「大したものではありませんよ…彼女は今、[真実の目]と言うスキルがいつでも発動できるようになったのです。

今後彼女のスキルが、良い道に使われることを信じて神様が託されました

なのでラーナよ、あなたは恐れないでただ信じて歩みなさい。私たちの主人である神が、あなたと共におられますように…」


「…はい!ロウガ様‼︎」

ラーナがなんか、聖女並みの顔つきになってるな?まあ、こういう魅力もあり…だな。


「「良かったな(ね)ラーナ」」


「うん‼︎」

ラーナはこれまで以上に嬉しい顔を見せて、俺達に抱きついて来た。

いつかラーナが、この世界で善悪を見分けて発言する存在になるんだろうかと俺は考える。


すると、ラーナに便乗した格好で弟のラオーガも俺の後ろに抱きつき始めた。


「えっへへへ!」


「ちゃっかりしてんなぁ!まあ良いさ。これからはずっと一緒だぞ?」


「うん!兄ちゃん‼︎」


ナルガス達が教会でロウガ神官を通して神からからラーナへと、スキルを与えられているその最中…

ゲラルド国王であるドラルド・ヴァン・ゲラルドと、王子ドルファとその妻ドーランはグラゼンド王の玉座に通されていた。


見ると、灰色の色彩をベースとした壁と柱が左右対象で綺麗に整っていた。

ナルガスがジャンプすればギリギリ届く程の高い天井から、時々何かが軋む音が聞こえてきて今にも崩れてしまいそうだ。


もともと前王は手入れする気がなかったのだろうか、至る所の老朽化が目立つ。

まだ即位して間もない新王、犬族の若い王が玉座に座り頭を抱え込んでいた…


「お、王様。謁見の許可を頂けますか?私達はこちらの方々を案内しにここへと参りました」


「良い、あとは私から聞こう。ご苦労であった…」


「はっはい」


「失礼します…」

二人の住人が静かにその場を去ると、目の前にした若き新王…ヤハル・グラゼンドはこの国将来への不安を隠せないまま顔を上げた。


「私ご新たな国王となった、ヤハル・グラゼンドと申します…あなた方はどこの国から来られたのですか?」


「新たな王、ヤハル・グラゼンド王よ。わしは西の都市国家ゲラルドの王…ドラルド・ヴァン・ゲラルドと言うのだが、ここの国民から事情を聞いてな?

ついてはそなたに国交を申し込み、共に発展できるよう協力致したい。」

先程までやつれていた顔のグラゼンド王の顔が、まるで息を吹き返したかのように生き生きとした顔つきへと変わっていく。


「本当ですか!願ってもない申し出に感謝致します…

詳しくお話をお聞きしたいので、お連れの方々と共に近くまで来ていただけますか?」


「良かったね父上」


「あの王様、すごく嬉しそうですねお父様?」


「ああ!これなら話がしやすいな…二人もどうかワシらとの会話で思ったことは、遠慮なく言ってくれ」


「「はい‼︎」」

今日初めて、お互い関わることがなかった二国の王同士の会談が行われる事になった。


この国の為にゲラルドから来た彼らがそれぞれのいる場所で、最善を尽くす為に知恵を出し合い、国民達を助ける事となった彼らはできることから片付けて協力関係を築こうと考える。


今日までつみ重ねてきた持てる力が今、奮われようとしていた。

おはようございます!昨日の夜から編集し直して、今朝やっと仕上がりました。引き続き見ていただいている方々、並びに初めてや途中から読んでくださっている方々…拙作ではありますが、最後までお付き合い下さると幸いです。

次の更新は今夜の22時にはあげようと思いますので、よろしくお願い致します。

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