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裁きと新たな未来

ハニワゴーレムの中でルシフェルが未だ止むことのない魔法の竜巻に見舞われ嗚咽混じりの謝罪を繰り返している頃、空から見たこともない色をした雲が全ての空を覆うかのように広がっていく…


「雲の色が虹色に⁉︎神様これって…」

まさしく、超常現象と言わざるを得ない光景だ。


「心を静かにしていろナルガス」


「まあ、俺は言いつけを破ってここにいるんだ…こいつらと一緒にいられた事だけがささやかな幸せだったぜ」

ゲルルは2人の巨人が降りて来る事を確信していた。

その顔は清々しいものであったように見える。


この平原にいる俺達全員と、各国いる全種族とモンスター達。並びに、神様の率いていた天使達すらも異質な色の空を眺めている…


「おおお?うごご……」

ハニワゴーレムもその場から静かに立ち、不思議そうに上を見ていた。


「下界の者らよ、我らは古の巨人なり…そなたらの中で滅ぼすべき者達とそうでないものとを分ける為にこの地へ来た」


「元天使長ルシフェル…そのゴーレムの中から直ちに出てきなさい」

巨人の1人インマヌスがルシフェルに出てくるように命じる為、念話のようなやりとりをし始めたようだ。


(無理なんです!私自身の力ではどうあっても出て行けないのです!

罰は逃げずにお受けしますからどうか早く私をここから出して下さ…ひぎゃあーー⁉︎)

ハニワゴーレムの中で懇願しながら悲鳴を上げているルシフェル。


魂だからか、俺を含め他の種族にもあいつの声は聞こえなかった。

だがかろうじて、巨人の2人と共に意識を集中させた神様と天使達はルシフェルの声を聞けたらしい。


「…おいおい、こりゃなんの冗談だ?あのルシフェルが泣き言を言うなんざ信じられねぇぞ」


「ねぇねぇナルにぃ、あたしで良ければスパッとアレの頭を切り裂けるよ?どうする?」

ラーナを含めたみんながいつの間にか合流しており、彼女の手には闇の鎌:デモンイーターが握られていた。


「まぁ中の様子は分からないから確かにそうしてもらった方が早いか…よし、じゃあ頼むよラーナ!」


「はーい♪……エヘヘヘ!やっと大物をいっぱい、切れる‼︎」

ラーナが不気味な笑顔をつくりながら、喜んでハニワゴーレムの所までかけて行くのを見たレダは、俺の服を軽く引っ張りながら真っ青の顔でこう呟く。


「お兄ちゃん、私あの子怖い…彼女とは仲良くしたいけどあの鎌が怖すぎてこれ以上近づけないよ」



「あー、ウチの妹がすまねぇなレダちゃん…2人で大物退治してたら知らない内にあそこまで酷くなっちまってな?いやぁ参った参った!ハハハハ…いでっ⁉︎」


「ルガース‼︎あんたって子は…何をやったらラーナがあんな危険な感じの子に変わっちゃうのよ!」


「そう言うなよお袋!正直言うと7年前旅に出た頃からずっとあのままの状態なんだぜ?

だから下手に我慢させてるともっと危なくなるって感じたから、今日まで押さえつけない程度に接してきたんだからな!」

そう、ステータスを教えた頃から既に俺もなんとなく感じてはいた。


今もラーナは、まるで1人でオモチャに戯れる子供のように無邪気な声で笑いながら、ハニワゴーレムに切り傷を負わせ続けて遊んでいる。


冒険者や俺ですらまともなキズをつける事はできなかったのに、ラーナの武器はなぜか奴の体に沢山の傷痕をつけていった。

ここに集っている全ての者がその出来事を、青ざめた顔のまま無言で眺めている…


「…なぁルガース?俺、ナルガスじゃなくてあいつが最強なんじゃないかとしか感じる事ができねぇんだが、そこんとこどう思うよ」

人型に変身したままのゲルルが素朴な疑問をぶつけるも、ルガースは否定的な意見を口にする。


「いや、間違いなくコイツだよ…コイツがコウドル達の国で暮らしてる時、新たに編み出した風魔法[円風刃]の強化版を見たろ?あれがおかしいくらいの威力だったのを忘れちゃいねぇよな?今回はたまたま出さないでいてくれてるだけだ!」


「なははは…まあ俺としても転生後の生活を無茶苦茶にしようとした奴らを徹底的に懲らしめたくて、すぐには殺さないでいる事も多かったからなぁ」


「……ブルブル!」

ゼムノスが今震えが治らないほど考えているもの…

それは、もしも仮にあの時神様から封印をされずに過ごし、俺が怒りの赴くままに自身と立ち向かっていたらレダよりもひどい末路になっていたのではないかと、今になって怯えて始めているかのように見えた。


「ゲルルよ、お主は少し変わったようじゃな?ワシらの世界にいる時よりも落ち着いて見えるわい…

ただ、お前がこの世界で死んでも巨人には戻る事は二度とできぬがその事を悔やんでおるか?」


「へへっ!悔やみはしねぇよアバジジィ…俺はこの世界に降りてきて、こうしてナルガスやここにいる連中の目線に立って[強さ]を知る事ができたんだ

幸い俺のここでの体は特別な竜…何万年でも生きられる肉体だから、俺はこの世界の全てを見て場合によっちゃ暴れるが見守る側になってやる

だからよ、ジイさんに親父…ここにいさせてくれ!2人が再び新しい世界を作るその時まで守らせてくれ!」


「ゲルル…お前は私達に立派な意志を見せてくれた

その想いを我が父アバとこの私、インマヌスが確かに見届けた

あのルシフェルが[かのゴーレム]から解放された時、直ちに奴の魂は回収する……だが、この世界を愚かな欲で民を苦しめていた者達全員の魂と肉体は私達が裁くためにこの空の遥か彼方にある裁きの間に連れて行き、この世界の命を循環させている輪廻転生から除外するものとしよう…

人と同じ過ちを犯した者達の中で悔い改めて生きている者達とルシフェルの魂を、私たちは滅ぼすまい」


「ありがとう親父、ジイさん…」


「てぇい!これで終わり…よ‼︎」

ハニワゴーレムの頭がラーナの鎌による一切りによって溢れ出した、鮮やかな色をした無数の魔法の帯が上へと解放されていく。


まるで虹のような輝きを放つその光景を、この地に集う全ての者が眺め見届けていた。


「きれい…」

レダと俺と家族。ここにいる者達の全てが見とれている中、俺の神眼を通してルシフェルらしき反応の魂が、外に現れたのを確認した。


(良かったー!外だ…外に出れたぞーー‼︎)

魂状態と見られる灰色の物体に見えるのがルシフェルらしい。


彼は首を切断され土くれに還っていくハニワゴーレムから慌てて飛び出すと、嬉しそうにクルクルとその場を周回していた。


「ふぅん、アレがナルにぃの言ってた悪魔の魂かぁ……ん?私のデモン・イーターが、[オイシソウ…]って呟いてるのが聞こえたような…」


(うっ⁉︎…なんだ?魂であるはずのこの私が、かつて経験したことの無い程強欲な意志が下から伝わって来る!)

恐る恐る下を見たルシフェルは、1人の猫族の少女…が持つ異形の鎌が自身を食わんとばかりに、刃の中から大きな口の形が出現した!


(逃げねば…アレは私を間違いなく食う気だ‼︎

すぐに彼らの元へと逃げなければ私は、跡形もなくなる‼︎)

脱兎の如き俊敏さで、ルシフェルはナルガス達がいる方向へと必死に逃げていった!


「あらら、もうこの子ってば食い意地張りすぎでしょ

アレの始末は私達がする事なんてな……痛い‼︎」

何故か急に、鎌が口だけを伸ばして噛みつきラーナの手から離れていった…


「ちょっと何すんのよ!あんたは私の武器なのに噛み付いてくるなんてどんな神経…きゅう~」


「…‼︎ラーナァァ⁉︎」

鎌の口に噛まれたラーナは、急に意識を失ったかのようにその場に倒れ込み、離れた所からその姿を見て叫び声を上げたルガース。


「ウルサイ娘!オレサマ、モウ自由…オマエ用済ミ…ソコデオレサマガ[アレ]クウマデネテロ」

そして宙を浮かんだまま、猛烈な速度で旋回しながらルシフェルへ向けて飛んで行った!


(ひぃ~~~‼︎)

必死に速度を上げ逃げるルシフェル。


「何アレ何アレ⁉︎俺見た事ないよ?意志を持ってるかのように飛ぶ武器なんて‼︎」


「俺だって知らねーよナルガス‼︎クソッ目を覚ませ…ラーナぁ‼︎」


「…まずいな、あのラーナと呼ばれておる少女の魔力が減り続けておる!このままじゃと命も危ういぞ?」


「父よ、どう致しますか?」


「あの鎌の魔力供給を断つには、別の空間に移さぬ限り何もできん…」


「空間…そうよお兄ちゃん!最初に予定していた、みんなで作り上げた空間操作でルシフェルを閉じ込める作戦をアレにぶつけようよ‼︎なんとかできるかも知れない!」


「レダ良い考えだな!だがまずはラーナの所へ直行して空間で隔離し、誰かが回復をさせてやらないと危険だろう」


「「俺(私)達が行く!」」


「僕も行く!」


「我も行くぞ!」


「「私たちも‼︎」」


「行くー」


「わたしもー」

両親、ラオーガ、ライさん、ジルカさんにメルマさん、娘らしきアイカちゃんとメイナちゃん。


彼らがラーナに向けて、転移を発動する為に集まり始める。


「お父さん達…ありがとう!ルガースは彼らについててくれ

俺はルシフェルに襲ってきてるあの鎌を、なんとか引き離すようにやってみるから!!」


「おう‼︎そっちは任せたぜナルガス!」

ルガースも彼らに混じりそのまま転移してラーナの元へと辿り着いたのを見届けてから、俺は今ここにいるみんなへと声をかけた‼︎


「みんな聞いてくれ!最初はみんなに空間操作を使ってあのルシフェルを閉じ込めてから神様達に裁いてもらうつもりだった!

だけど今、俺達はあの鎌からルシフェルを助けなければならない…だから力を貸してくれ!」


「俺からも頼みたい、全ての国民達よ…悔い改める可能性を持てるようになったあいつを古の巨人、つまり先代の神達が救う事を決められた!どうかみんなの力を貸してくれ!」


「神様‼︎」


「ナルガス、そして民達…どうかお前達が使う空間操作の力を貸してくれ」


全国民「はい‼︎」


「よっしゃお前ら、初めての防衛戦だ!エリオルお前が要だ…頼むぜ?」


「オッケーヴォルス‼︎レダ、手伝ってくれるかな?」


「もちろん!行くよ‼︎」


「「…ホーリーランス‼︎」」


「⁉︎…エモノ、ニゲタ」

デモン・イーターは回転しながら追うのをやめ、一旦急停止し角度を変えて回避した!


「ナラ、アレノ代ワリニオ前ラノ魂…全テ、食ウ‼︎」

闇の力が倍増した⁉︎


「アグッ‼︎…アアア⁉︎」

先程回復するために、レアナとメルマがラーナを挟んで座ったところで急に苦しみ始めたのを見た彼らは、ともに目を見開く。


「ラーナしっかりしろぉ⁉︎く、空間操作を早く‼︎」


「!(頷)」

みんながラーナを含めて取り囲むように力を合わせて空間操作を行うと、供給源であるラーナとデモン・イーターを繋ぐ闇色の帯が完全に途切れた。


「魔力、ドコダ?……アイツラ邪魔、キリ殺ス!」


「させるかっての‼︎円風刃×2!」


「!アノクソネコモ邪魔…猫ハ皆クソネコ、目覚ワリダ!」


「…あ"?あの野郎、今俺と周りの猫族達の事を[クソ]って言いやがったのか‼︎上等だぶちのめすぞコラァ‼︎‼︎」

一気に怒りがこみ上げ、赤よりも更に濃い黒みがかったオーラと雷を俺は怒りによって解放してしまう。


「おい⁉︎待て待てナルガス‼︎それだけはまずい!」


「ナルガス!怒っちゃダメぇ⁉︎」

神様とルーナが必死に止めようと近づくが、漆黒の雷によって阻まれた。


「…ヴ二ャーー⁉︎」

俺の体は、漆黒の雷を周りに纏わせてみるみる大きくなっていく!それはかつて、ライさんが封じられていた時と同じような姿だった…


「ぎゃあぁ‼︎ナルガスが…鬼猫になっちまったァァ⁉︎」


「お、恐ろしや…ナルガス坊ちゃま⁉︎」


「うわああぁ⁉︎」

そばにいたほぼ全員が、ナルガスを見て後ろに下がり始めていく。


「コレガ、鬼猫化…コレデ野郎ヲタタキオトス‼︎」


「…みんな待って?お兄ちゃんは理性がちゃんと残ってる‼︎だから後から吸引で戻してあげようよ!」

理性がまだ働いていた俺を見て、レダは1人少し安心をしていた。


彼らもレダの言葉を聞いて冷静になり、次第に逃げるのをやめていく様子が目の端から見えた。


「ウ、ウマソウナ魂ダ!俺ニ…オ前ヲクワセロォ⁉︎」

新しい獲物を見つけたとばかりに、俺へと突っ込んでいくデモン・イーター。

恐らく奴は、自身と同じかそれよりも魂の位が高い相手を捕食したいと考える傾向があるのではないのか?


「食ワレテハ、ヤラネェヨ‼︎」

どんな原理かは知らないが、俺と一緒になぜか巨大化した刀に手をかける。


あとは狙いをつけて、過去にライさんとの修行をしていた時と同様、感覚を研ぎ澄ませて居合切りの態勢を取る事にした。


「あの構えは…頑張ってくだされナルガス殿‼︎」


全員「…‼︎」

空間操作でラーナと共に中で身を守っていたライさん達も、最初慌てふためいて逃げようとしていた他の皆も、いつの間にか息を呑んでその結末を見届けてくれている。



「ナルガス様…」


「ナルガスさん…」


「ナルっち…」

3人の乙女がレダと同じくナルガスを見つめている中、デモン・イーターは回転数を極限に上げナルガスの首へと飛びこんできた!



「スー…ハァー…(落ち着け俺、ゼムノスの生み出した風を読む時みたいに、全神経を研ぎ澄ませ!)」

鬼猫となった今も、俺の心は不思議と落ち着いていた


「クワセロ、クワセロ!クワセロ~‼︎」

奴が近づく…まだ、まだ振るな。空気の匂いと気配を感じろ!


「クアァ‼︎」

回転する刃に、沢山の口が生えてきた!


「ココダ‼︎」

俺の全力をかけた一閃を、目の前の鎌野郎に浴びせてみたがやつはそれを受け止めた!


「グッ‼︎負ケネェゾ、鎌野郎ガァ⁉︎」


「ガガガガッ…クソネコォ‼︎俺ノ、えさニナレェーー‼︎」


「誰ガナルカヨ!…空間操作‼︎」


「あんな姿でもやってのけるのかナルガスの奴‼︎」


「「…」」

神様は言葉に出して驚愕を隠せないでいたが、2人の巨人はこの行方を黙って見ていた。


「俺ハ約束シタンダ‼︎神様トるーな、そして皆ニ…怒りで我を忘れないッテ‼︎

だからモウ己を見失わない‼︎この世界に生きる皆ノ命は、闇なんかに絶対!…食わせないゾ!」

鬼猫化となった身でありながら、心の内から湧き起こる衝動に決して支配されまいと、必死にあがく俺。


「⁉︎」

突如俺の体から神の間にいる時の色と同じ眩しい光が放たれた。


それによりこの地域一帯は、白い光に包まれていく!


同時に、鬼猫となった俺の体に異変が起こる。

巨体だった体が普段のサイズに戻り、俺の全身は……なんと純白の光に包まれていたのだ!


全員「ええーー⁉︎」


「ウアァ‼︎光ガ、光ガァ⁉︎」

デモン・イーターは激しく怯み出し、俺の真下にいる彼らの元へと落下していくなか、俺はゆっくりと下へ降りていく…


「ナル、ガス?」


「お兄ちゃん…なの?」

ゲルルとレダは、呆然と変わり果てた俺を見ていた。


「…皆、騒がせてしまってすまないな

すぐに暴れてようとしているコイツを囲むから、手を貸してくれるか?」


「うん…お兄ちゃん!皆もやろう?」


「おお‼︎」


「マダ、マダ…食ッテナイノニィ‼︎」


「生憎だが、お前にはもう何も食わせはしない…空間操作:多重層」


「ギッ‼︎コンナモノキリ刻ンデ…」

頑丈なはずの多重層が、徐々に切り破られていく!


「させない!エリオル‼︎」


「うん!…ホーリーベール‼︎」

レダに声をかけられたエリオルは俺がつくった空間の外壁に触れて、そのまま中へと魔法を浸透させた!


「ギギィ!マダダァ‼︎」

勢いは少し衰えてはいるが、間もなく全てが破られようとしている!


「みんな!」

俺は全員が見えやすいように、彼らがいる中心の上へと奴が入っている空間を持ち上げた。


全員「空間操作‼︎」

ゲラルド国王からルードス学園の生徒達に至るまでここにいる全員が空間操作スキルを使い、完全に封じ込める事に成功した‼︎


「グギャァァ‼︎オノレ、魂ヲ…魂ヲヨコセェ⁉︎」



(…私は彼らの力を見誤り過ぎていたのかも知れん

こんな彼らを支配する事など、到底敵わなかったというのか)

ルシフェルは彼らの団結のおかげで、自身を守ってもらおうと近づいた2人の足元…2巨人の加護下に入る事ができた。


それと同時に、自分の無力さを痛感した…



「レダ、天使達…そして、光属性を使える者達に頼むがある!コイツに光魔法を外から浴びせ続けてくれ!

そうすれば、完全に意志ごと消せるだろう」

神様の提案を受けて天使達を始め光属性を持つ者達は次々と集い、空間に閉じ込められたデモン・イーターはレダ達を含め、彼らから光魔法の気を浴びせられ、みるみる姿が消えていく…


「イヤダ、マダクイタイ!クイタイィ…」


「終わりだデモン・イーター…光の中で永遠に眠れ」


「イヤダ、ゴ主人様…俺ニ魔力ヲ、魔力ヲ〜‼︎」


「………」

離れた所で彼らの空間に守られている彼女…ラーナは、未だ目を覚ましてはいなかった。


「無駄だ…お前が主の彼女に噛み付いた時、知らぬうちにお前自身が呪いを入れたんだ

魂を食うお前が消えない限り、永遠にあの少女は目を覚ます事はない」

神様は淡々と事実を話し、デモン・イーターが消えいくまで彼らと共に静かに見下ろしていた。


「ウゥアアァ~……」

光に包まれて、闇の鎌:デモン・イーターは跡形もなく消えていった。


「う、ううん…」


「ハッ‼︎ラーナ!起きろ、ラーナ⁉︎」


「うにゅ、にぃに…どうして泣き顔なの?それに皆も」


「…バッカヤロ!気を失ったお前の魔力があの鎌にずっと吸われてたからこうして空間に囲って防いでたんだ!

それなのに目が覚めなかったから、不安でしょうがなかったんだぞ‼︎」


「そう、だったんだ…じゃああの子は?もういないの?小さい頃からずっと長い間、あんなに一緒にだったのに…」


「…ああ、もういねぇ」


「ラーナちゃん、落ち着いて聞いてね?小さい頃からあの鎌と通じ合っていたのなら今日別れて良かったと思う…」


「レアナ?どうした、震えてるぞ」


「お母さん?」


「レアナよ、どうなされた!」

皆が見ると、お母さんの体は何かをおそれていたのか小刻みに震えていた。


「「レアナさん!」」


「ラオーガのおかーさん?」


「だいじょうぶ?」


「「?」」

2人にも、ここにいる皆にもお母さんの震える理由が分からない…


「実は光の魔法にも闇の魔法にも、宿主を媒介にして意志が宿るらしいんだけどね?

特に闇の武器に意志が宿ると魔力の枯渇では済まされずに魂そのものも吸われてしまうんだって…私の中に眠る光属性の精霊が教えてくれたわ」


「じゃあ、あたしは昔からあの子に食われてたってことなの?」


「…そういう事になるわね」


「そっか…じゃあもうにぃに達と一緒には戦えないんだね?」


「そんな事はねぇぞ?魔法以外でも戦う(すべ)なんて数えきれねぇくらいある‼︎だからよラーナ、これからまた一緒に探そうぜ?」


「ありがとうにぃに…でももうにぃにの隣で一緒に戦えない……誰かが側から離れそうで寂しいよぉ!」

ラーナの瞳から流れる光に照らされて輝いて見える涙が、静かに一つずつ落ちていく。


「ねぇねぇラーナさんラーナさん!」


「わたしたちと、学校であそぼ?」


「ふぇ?」


「メイナ…」「アイカ…」

メルマさんとジルカさんは、2人の娘の行動を静かに見守っていた。


「…僕も、友達が増えるの楽しいよ?ラーナさん」


「「「一緒だよ?」」」


「う、うえぇん‼︎」

3人の笑顔をみたラーナはその場で座り込み、思いっきり嬉し泣きをした。



「…ラーナちゃん無事みたいだね?お兄ちゃん」

離れた所からみんなと共に見ていたレダと俺達は、安心した気持ちになる。


「ああ、そうだなレダ!あとは"あいつ"だが……神様は巨人の2人はどうされるか聞いてます?」


「まだ具体的な事は聞いちゃいねぇがとりあえず、お疲れさんナルガス…もう元に戻れよ?」


「あーそれがですね…どのように戻れば良いのか、実は俺にも分からないのですよ!しばらくすれば、多分戻るかもしれませんが…」


「また更に可能性の壁を超えちまったなお前…」

俺はこの際、自自分身がどう変わってもやる事に変わりは無いやと考えていたので、気にはなるけど今だけはステータスを見ない事にした。


「ナルガス…そして神ゼオに全ての民よ、そなたらの働きがあったおかげでワシらは不必要にこの地上に生きる者達を裁く必要がなくなった!礼を言わせてくれ…」


「私からもお礼を…あなた方のおかげで、悪の道に落ちていたルシフェルは改心をする事ができたのです

彼の魂は私達が責任を持って洗い清め、新たな命として再びこの世界へと送り届けておきましょう」


「親父、ジイさん…俺が何万年だろうと幾らでも生きてこの世界の(ことわり)をただし続けてみせるぜ!見ててくれよ?」


「ほっほぅ…お主にできるのか?」


「や、やってやらぁ⁉︎」


「ふふふ…神ゼオ、ゲルル共々この世界を頼みますよ?」


「はい!もちろんです先代様‼︎」


(私からも一言言わせてもらいたい

神ゼオ…そして先代様方、私が犯した今回の事態に陥ってしまった不徳な行為を深くお詫び致します

もう二度と、この世界を牛耳る為の企てる事もこの種族達を追い込む真似もしないと約束致します……彼らと再び敵対してあんな目にあうのは二度とごめんですので)


「ルシフェルがまともになっちまった‼︎…いや結果的には良い方だろうが、あの中で何があった?」


(……生身の体では決して味わうことができない苦痛を味わったとしか、今の私には言えません

どうか御心のままに私をお裁き下さい……ブルブル)

その後、魂のルシフェルを連れて2人の巨人は天へと帰っていく…収容所にいる犯罪者達から全ての国で暗躍している者達に至るまで全てだ。


その中には、ナルガス達がまだ会ったこともない…捕まらずにのうのうと生きて、不当な資産集めをして色々な場所に隠れていた領主とその家族も、根こそぎ上へと魂と肉体共に連行されていくのが見えた……


うまく話がまとまったのかどうかは分かりませんが、話を整理しながら推敲し直しておいてよかったと思います(^◇^;)

次回は10月7日の夜22時頃に投稿しますね!

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