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ナントカボール?

ナルガスがルシフェルの周りを跳び跳ね出して数時間が経った。流石に彼も疲れてきたらしく、動きが鈍くなったのか跳ねることができなくなっていく…


それと同時に、体をおおっている真っ赤な光もなくなりつつあった。


「神様、そろそろ彼を休ませなければ…」


「全くあいつは相変わらずお調子者だな……

おし、天使達に告ぐ!今すぐナルガスを戦線から離脱させ、あいつの代わりにみんなで奴の周りを30人で飛翔しながら攻撃していてくれ

そして俺の合図と共に残りの天使達はラッパを吹きならせ」

天使達は言われたとおりにナルガスを救護するもの達と、彼の代わりにルシフェルの周りを跳び跳ねる者達とに別れていった。


「神様何をお考えになっておられるのです?ナルガスを休ませるのは納得ではありますが…」


「グレニエル…野郎の足元の地面をよく見てみろ、ナルガスが跳び跳ねていた所がかなりへこんでいるだろ?

奴も苛立っているのか時々ジタンダを踏んでいたせいもあって、だいぶ崩れやすくなっているようだ」


「なるほど!残りの天使達が鳴らすラッパ音の衝撃波を放てばあれは…」


「ふっ、そういうことだ!ただ気を付けておけ?奴の目から出てくるあの黒い光線は闇属性の力も若干混ざっている

実際あの攻撃の正体は不明だが、俺やお前の率いる天使軍にとってはかなり不味いものだから用心は怠るんじゃねぇぞ」


「はい!今すぐそのように伝えて参ります…神様は少しナルガスの所へ」


「ああ、頼んだぞ」

天使長グレニエルが彼らに念話を使って全体に伝えていくなか、神はナルガスがいる所まで降りていく。


「後は、彼らがここに来てくれるのを信じて待つくらいしかできねぇか…」

神ゼオが援軍が来ることを信じて待つ間に、天使達に運ばれてきたナルガスは疲れを見せてはいるものの、どこか楽しんで帰ってきたような顔つきをしていた。


「神様ごめんなさい、はしゃぎすぎてちょっと疲れた…皆はまだ来てないんだよね?」


「ああ、だが向こう側に見えている団体の中でお前が助けたイェルガー族の群れが助けに来てくれたぞ

それにルードス学園の子供達と一緒にライも来ている…間もなくゲラルドからも援軍が来るだろう」


「良かった!皆が来てくれるなら問題ないかな…天使様達に下へ降ろしてもらって回復を受けてから、簡単に何か食べときます」


「そうしておけ…そろそろ野郎はまた目から出す攻撃を仕掛けて来るかも知れねぇからな」


「はい」

俺は下に降りた後、天使様達の回復が完了してすぐ収納していた食事用のミール肉を取りだし、向こうの生活でこっそり作っていた飲み水用の器に自身の水魔法で僅かに出しながら満たしていく。

水魔法の適正があって、本当に助かった。



ナルガスが時間を稼いでいる間、現在ヴォルス達を含めたルードスの町にはゲラルドから来た冒険者達とジルカ・メルマとその娘…アイカとメイナの姿も見えていた。

更に国王やミアギルド長、南北のスライム王達にゴブリン族の長らが一同に終結している。


そして彼らを[ある方法]で連れていく為、ジグルとギウルが主体となって先導する事となったのだ。


「おーしあんたら!100人ずつこの『空間ボール』に入ってくれ?慌てなくて良いぞ!」


「ちゃんとナルガスと神様の率いる天使様達が時間を稼いでいるって話だから、急かすことなく一人ずつ入りな!中に入れば皆が縮むようにできているから安心してくれ」


「よし皆の者!ルードス学園で我等大人も子供も覚えてきた空間操作を、今こそナルガスを手助けするために使おうではないか!」


全員「おおおーー‼︎」

王様も二人に負けないくらいの大声を上げたことにより、この世界を守る為全種族の代表達が集まったこの場所にて空の彼方まで届く程の叫びが響き渡った!


ドーランとドルファが共同で作成したと言う、大人数を入れた空間を複数収納できる最新の移動道具、『空間貨物箱』だ。

ナルガス程ではないが、素早さ150000といった具合に今や一般冒険者にとっては最強レベルの速さに達する実力者…ドーランが運ぶ事になった。


「ウフフフ!ねぇドルファ、これが片付いてからだけど後でまた…私の部屋に来てよ!今日は絶対寝かせないから♪」


「ど、ドーラン…毎日[君の]が激しすぎて僕の方がクタクタなんだけど」

他の救援者達がなんとなく聞き耳を立てて居る事を二人は気づきもしない……


「良いじゃない家に居ても仕事疲れで寝るだけなんだし!だったら私と…た・ま・に・は♪」

 

「…ゴクッ!」

ドルファは自然と、ドーランがウィンクしながら本人ご自身の手で体を這わせている所場所に目線を向けた途端、生唾を飲み込んで無言で見てからやや前屈みになる格好のまま、空間ボールへと乗り込んでいく。


今宵は彼にとっては刺激的な時間となりそうだ……



一方こちらでは、レダ達が援軍を待つために待機している間に先の戦闘で弱っていたゼムノスが回復して目を覚ました。


「む、う……ワシは、あれからどうなったのじゃ?」


子供達「ゼムノス校長ー!」

ラノーガを含め、コロッポとドレア…レノッコが近寄って見に来た。


「ゼムノス校長…良かった目が覚めて!今神様の連れている天使様達とナルガスお兄ちゃんが、あそこの大きな巨人だった奴と戦ってるんだよ?」

レダはゼムノスの目の前からどき、側にいる子供達と一緒になって目の前の光景を見ている。

側にいた天使達が、疲れて動きが鈍くなったナルガスを支えながら安全な所に運んでいくのが見えた気がした。


「おお…おお!レダお嬢様とレアナのおかげで、ナルガス坊っちゃまのお姿を遠くからではありますが再び見ることができましたわい……ところであなたの近くにおられるそこの二人は誰かの?」


「俺はイェルガー族のルガース…こっちは妹のラーナだ」


「よろしくね竜のおじいさん!」


「はっはっは!これは全く、とんでもない実力者が助っ人に来たものじゃ!まさかあのイェルガー族最強の二人組がお前さん達のような若い者じゃったとはのう?

ナルガス坊っちゃまが関わる者達は、まこと猛者ばかりよ」

皆で楽しく、ナルガスに関する話題を出してゲラルドやルードスからの増援が来るのを和んで待っていたら、ルガースに場所を案内されていたルガートがここにいる全員に声をかけてきた。


「初めまして…皆さんはナルガスのお知り合いですか?兄のルガースと妹のラーナがお世話になったようで」


「ルガートにぃ!お母さんにみんなも‼︎来てくれてありがと~!」


「もう、旅先で再開してから一年も経ってないでしょ?まだ甘えん坊な所は変わってないわね」

ラーナは我先にと、母親の腕の中に潜り込んだ。

母親は彼女を愛情いっぱいに抱き止める。


「おう、もう全員下船できたんだな?ルガート

全く…こうして改めて見るとしっかり族長として挨拶ができるくらい立派になってたんだなぁと思うと、兄として鼻が高いぜ!」


「なにいってんだよ兄貴…勝手に鼻だけ高くしてんじゃねーよこの旅バカ兄貴!

このフネを作り易くする為の素材を取ってきてくれたことは有り難いけどよ?せめてほんの少しくらい俺の相手してくれたっていーじゃねーか……」


「てめぇ、相変わらず寂しがり屋は変わってねーなぁ

じゃあまずは、一緒に『あれ』をなんとかする為に力を貸してくんねぇか?それで事が片付いたら、家族皆と一緒にこの陸にある町や国をあのフネで移動しながら見ようぜ」


「でっけぇゴーレムだなぁ!あんなのと戦うのか?」


「ルガース…旅先であなたとラーナが強くなったのはよく知ってはいるけれど、私達とここにいる方々だけで本当に倒せるの?」


「お初にお目にかかりまする、ルガースとラーナの母君……

我の名はライ、今都市国家ゲラルドにある教会の神官として神に仕えている者です

先程のお話を聞かせて頂きましたがご心配なく!

この先の森奥にある町ルードスと、都市ゲラルドから多くの増援が来て頂ける手筈となっております故」


「そ、そうなのですね?それは安心ですわ……ぽっ」


「むっ…そんな熱い目を向けられても困りますな?我には既に二人の女房と二人の娘がおりますので」


「そ、そうですよね…」


「お母さんってば…もう」

猫のメスはどうやら、自分の毛並みと異なるオスに魅力を感じやすくなる…らしい。


「…い…おおーい皆~!お待たせ~‼︎」

遠くに見える小高い丘から、ドーランが片方の肩にやや大きめの箱を担いで昔のナルガスみたく、最高速度でここにいる全員の所へとたどり着いた!


「ドーラン!」


「やっレダ♪久しぶり、」


「ドーランもすっかり大人の色気がついたね…私ももう少し大きくなったら、お兄ちゃんに抱いてもらえる女になるのかなぁ?」

レダはドーランのきれいに整ったボディラインを見て、自身の体をあちこち触りながら羨望の目を彼女に向けていた。


「大丈夫でしょ!まだあなたは12歳ではあるけれどきれいなくびれをしてるじゃない…てぇい!たぁ!」

ドーランは空間貨物箱から凝縮した空間ボールを取りだし、前方に見える巨人めがけてて一つずつ思いっきり……投げた!


「ぎゃああぁ⁉︎」


「いやぁああぁ⁉︎」

勢いよく投げられたそれぞれのボールに入っていた彼らは絶叫しながら、ゴーレムがいる最前線の場所より少し後ろへと飛んでいき、幸いにも安全な所に落ちて空間ボールから解除された。


「おいなんだこれは⁉︎変なボールみたいなのがゴーレムの立ってる所より少し離れて後ろに落ちていくぞ!」


「神様!国民が入っていたのかボールが『弾けた』瞬間、大勢の民が現れています!

なにやら後ろから飛ばされてきたようですが…」


「はぁ⁉︎」


「誰がこんなとんでもない代物を作ったんだよ…俺だって作った事ないよこんなの」

神・グレニエル・ナルガスの三人は、驚きのあまりその場で固まってしまう。


「ドーラン投げる力強すぎ!もっとゆとりをもって投げたげて?」


「あはは…ごめんごめん!よっと…」

気を取り直して今度は一つずつ慎重に投げていった。向こうでは次々とボールから弾けて中にいた種族達が姿を現していく…


「んもぉドーランったら……それにしても、コルナには先を越されちゃってたなぁ〜」

レダはコルナとゴーフが熱々になっている所を見て、へこんでしまう。


「仕方ないよ…コルナ達はゴブリンで一応レダよりも一つ歳が上だからね?繁殖能力も高いから、子作りしやすい体にすぐなれただけだし!

本当は猫族であるレダも、その歳で作れなくはないでしょうけ…ど!」

ドーランは息切れすることなく淡々とボールを投げつつ会話を続け、最後の一つも今投げ終わったようだ。


「うん、お母さんも今の私の体で負担には少しは耐えられるかも知れないけれど、12歳での出産の最中に力尽きて死んでしまった子も昔はいたって聞いた…」


「そっか…じゃあ焦らずに、ナルガス様とまずは来年から夫婦として一緒に暮らす所から始めないとね!」


「ありがと…ドーラン」


「ねぇねぇレダ姉さん、良い話の所悪いんだけどあれ大丈夫?確かドーランさんでしたっけ

その人に投げられた人達があの巨大ゴーレムから少し離れてはいるけれど、なんか目のところが不気味に光って狙われてるよ………あれって絶対不味いよね!」

見るとゴーレムからしたら度重なる迷惑行為に腹がたったのか、眼前の敵を全て滅ぼそうと大きな雄叫びをあげて彼らにめがけて目から光線を出す体勢を取り始めた!


「ど、どうしよ‼︎皆がやられちゃうよぉ⁉︎」


「えっ?えっ?私なんか不味いことしちゃったの⁉︎」

来たばかりのドーランは知らないのも無理は無いが、かなりのピンチに彼らを陥れてしまったことに気づき慌てふためく。


「レダ!俺達全員を空間で囲んで運んでくれ‼︎すぐに行かなければ!」


「うん‼︎ゼムノス、皆と一緒なら空間に入れそう?」


「は、はいですじゃ!」


「皆、レダ嬢の元へ!」

ライの一声を聞いてこの場にいる全員が一塊となった所で、レダは皆を空間で囲み手に持って全力疾走した!


「ひゃあ~♪久しぶりに感じる~!」


全員「スピード狂か⁉︎」


自分が蒔いた災いの元とまでは言いがたいが、危険な場所に行くのに一人だけ中から楽しんでいたドーランを見て全員が中でツッコんだ。

こ、更新する時間がやっとできた……

次のお話は今夜中にでも一つくらいはあげたいなと考えております。

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