4章 乗り物つくる!
推敲する度に、自分の未熟さを痛感する今日この頃…毎日何個も見直すだけの余裕がないから更新もうまくできませぬ(T ^ T)
ギルド長・ミアさんと会話した後、俺達は早速ドルファの家…もとい城の広場で、ドルファを中心にスライムの液体を使っての乗り物作りを開始した。
「じゃあみんな、早速スライム達からもらった液体を固める方法をさがそう!
まずはほんの少しだけ液体がほしいんだ」
「分かったー!こんな感じで良い?」
サラティが握りこぶし分の大きさにした液体を空間ごと切り分けて渡してきた。
「じゅうぶんだよ!ありがとう」
「いえいえ」
「それでドルファ、どの入れ物にそのスライム液体を入れて焼いてみれば良いの?」
俺は率直な疑問をぶつけてみた。実際空間ごと焼いても意味はないだろうし。
「それなんだけどナルガス……空間の上だけ外す事ってできるかな?そこから火を送りたいんだけど」
「まあできるけど…火って上にいくほど熱くなるんじゃなかったっけ?
もしそのまま表面だけを焼くのなら、小さい火じゃないといけないかもよ」
「小さい火か…じゃあその火は僕が出してみるよ
今はそんなに強いわけでもないからちょうど良いかも知れない」
「じゃあ私達が火の魔法の出し方を教えてあげるよ?ねっ、サラティ」
「もちろん!」
「ありがとう二人とも!」
それからざっと1時間近く、ドルファは二人から丁寧に魔力の扱い方を教えてもらいながら、魔法の制御を順調に整えていった。
そして…
「できた!小さいけど強い火が‼︎」
「お、おめでとうドルファ」
「よ、良かったわね…」
「二人ともお疲れさま……ゆっくり座って休んでてくれたら良いよ」
「うん、お兄ちゃん…」
「あはは、そうさせてもらうね…」
教える方が本当にしんどいんだなって事が、二人の様子を見てて実感した気がする。
俺が疲れて眠ってる二人を少し見守ってる間、ドルファが作業に夢中になってしまった。
仕方がないので、俺は他のみんなと一緒にスキルの特徴等をお互いで共有しながら話でもしていよう。
「えっとナルガス、私のステータスのことで相談なんだけど…」
「ん?どうしたのリオン」
「あっうん!実はみんなにも見てほしくて…どうしたらいいか本当に分からないの」
「はい?」
リオンはステータスパネルの共有を行った。
ヴォン!
リオン レベル25
HP13000 MP700
攻撃力35000
防御力40000
スタミナ60000
素早さ10000
器用500
ユニークスキル:
羅豪列波
闘志が続く限り無限に力が増していく。
スキル:
怒号の一撃G
武術D 瞬速E 貫通拳H
連続突きG 7連脚G
ブースターH New風魔法I
子供たち「………………」
「…ん?リオンは俺が知らない内に強いやつとでも戦ってたのかな?」
俺は深く考えないことにして、自然な感じで笑顔のまま聞いてみた。
「えっと大したことじゃないんだけどね?ほら!ゲラルドでプラチナって素材を使って作られてた壁の所に行ったじゃない?」
「ああ、あれか」
「うん……どうもそのときからこのたくさんのスキルが手に入ってたみたい」
「あれだけでかよ…」
「それだけじゃないよー…」
「シエッタ⁉︎どうしたのさっきまでそんなげっそりした顔してなかったのに!」
「そりゃするわよ~!初めて依頼を受けたときジグルさんがついててくれた時があったでしょ?
そのとき帰りながらケンカする前の事を思い出したんだけどね…」
「し、シエッタ~!」
「ん?何か俺がまだ知らないことあったの?」
「聞いてよ!帰る時に横の茂みから飛び出してきたアッシラーを軽く1回ノックしただけで倒しちゃうし、目の前に大岩があったときも遠回りする前になぐったり蹴ったりできれいな穴を作っちゃうし!
でたらめもいいとこだよ~」
「は、恥ずかしい…」
子供たち「恥ずかしいとこそこかよ‼︎」
「あははは…なんかもうリオンも俺と同じでおかしいくらいの力が身についちゃったんだな」
「そんな~」
俺たちがそんな他愛もない会話を楽しんでいる間に、どうやらドルファの実験は終わったようだ。
「みんな来てくれ!成功だよ‼︎」
ドルファの言葉に反応して、レダとサラティも目が覚めた。
「お?なんか面白い形ができてんな」
「ウチ見たことないよ?」
「お兄ちゃん、これって?」
「灰皿…か」
みんな「はいざら?」
「えーっと、[たばこ]って言っても多分ピンと来ないだろうから言い方を変えるけど、[葉巻]って聞いたことない?」
「俺知ってるぜ?確か元ギルド長の奴が吸ってたのを見たことあるんだ!それがどうしたんだ?」
「うん…その葉巻を吸った後に焼けて出てくる灰を受け止めるために使う小道具だよ
でもなんでドルファがこれを知ってるの?」
「えっ僕はなにも知らないよ?思い付いたから作っただけ」
「えっ⁉︎……かなりすごいな君は」
「そ、そうかな?えへへ」
「それにしても、スライムのあんなベトベトな液体でよく作れたわね?驚いたわ」
「ありがとうサラティ、それにレダ!二人のおかげで色々できそうな気がしてきたよ」
「「どういたしまして!」」
「じゃあドルファ、これで乗り物作りできるんだよね?私達はスライムまみれにならなくても良いんだよね?ね‼︎」
サラティを先頭に女子達が揃って詰めよって来るのは、ちょっと怖いよな。
「う、うん!表面からあぶりつづけていけばどんどん縮んで固まっていくから、みんなも手伝ってくれない?焼くコツは教えるから」
女子達「はーい!」
男子達「俺達は?」
「炎の魔法があるなら手伝って?無かったらゆっくり見るかどこかで時間潰してきて」
男子達「はい……」
ひどい扱われようである。
「ナルガス、私達も一緒で良いかな?」
「リオンにビーも?もちろん良いよ!とりあえずギルドか教会にでも行くかな」
「なるがす、キョウカイイキタイ」
「ビーが教会に行きたいって……ごめん少し驚いたんだけれど何か相談ごと?」
「ウン…」
俺とルネーガはしばらくお互いに目を合わせてたら、再びビーが口を開く。
「カミサマ二、ハナシタイコトアル」
「分かった!何の悩みかは知らないけれど行こう」
「アリガトウ」
俺達はビーの要求通り、教会に足を運んでいく。
着いたら見違えるような光景が、目の前に広がっていた。
雑草だらけの所がきれいに無くなり、木もきれいな形で整えられ、屋根も綺麗な色をしていたのである。
「わぁ…かなりきれいになったなぁ」
「おおナルガス殿!よくぞ来られました
どうでありますか?だいぶ見映えは良くなったと思われるのだが」
「すごいやライさん!見違えたよ」
「ウム!気に入っていただけて何よりですぞ…して、本日はどのようなご用件で?」
「あ、うん!ビーが神様に相談したいんだって
だから祈りの間に連れていって良いかな?」
「構いませんぞ?さあどうぞこちらへ」
「アリガトウ、ゴザイマス」
あれ?ビーってこんな言い回しできてたっけ?
「…さあ、どうぞ使うがよい」
「るねーがゴメン、イッショニキテ?」
「え?う、うん」
二人が一緒に祈りの間に入っていくのを見届けた俺達は、ビーの変化に戸惑いを覚え始めた。
「ビーどうしたのかな?今まであんな感じじゃなかったのに」
「ナルガス殿つかぬことを聞くが、あのビーはステータスの開き方を知っておったのですか?
会堂に入ってすぐ、何も無いところをなぞってるように見えたのですが……」
「うん、昨日の夜みんなとステータスの閲覧許可…と言うか共有をしてたから、そのときに一緒に見てると思う」
「そうであったか……やはり」
「何か知ってるの?ライさん」
「…いや、これは我の口から言うのはかえって無粋故本人が戻ってくるのを待ちましょう」
子供達「???」
どういうことなのかは分からないけど、ライさんの言葉から見ても危険な感じではないのは分かるし、言われた通りここは静かに待ってみようか。
「みんなお待たせー‼︎」
30分くらい経ったあとかな?ルネーガがすごく上機嫌で先に出てきた。
「お帰りルネーガ!あれ、ビーは?」
「ムフフ!みんな絶対驚くよ~!ビーおいで?」
「う、うん……」
ん?なんだこの同じ声なのに感じる違和感は。
見るとそこには、蜂の姿のまんま…ではない。
明らかに擬人化としか思えない、羽を背中に生やした姿の可愛らしい女の子が姿を現したのだ!
全員「えええ~~~‼︎」
「やっぱりみんなも驚いてるね!」
「ど、どうして⁉︎ねぇライさん!」
「落ち着きなされナルガス殿
ルネーガにビー、そなた達がちゃんと説明せねばなるまい?」
「はいライさん!えっとね、ビーは昨日のステータス閲覧許可を見るのに参加してたよね?そこで彼女も自分で見てた時にレベルがこれ以上上がらないって分かったんだって!」
「そうだったのか…でもなんでそんな姿になれたの?」
「「進化」」
「えっ…進化したらそうなっちゃうの?」
ワナワナと俺は震えながら聞いたら、そうだと言われた。
「うむ、ここからは我からも付け加えて言っておきましょう
レベルが上がるだけでは進化しないのです……神の前に信頼のおけるテイマーと一緒でなければできないと言われております」
「そうみたい!祈りの中で神様と会話した時にそう言われた気がするから」
「驚いたな、こんな事になるなんて…」
「じゃあ私達とおんなじような姿だし女の子だけの会話がしやすくなるわね?」
「リオン嬉しそう?」
「もちろんよビー!」
「そっか…そう言ってもらえて、ビー嬉しい!」
「うん!」
「えっと、そろそろドルファ君達の所に戻らない?もしかしたら作り終わってるかも」
「あっ!そうねエリオル、みんなにも見せてあげようよ」
「ハッハッハ!若いとは良いものですな
して、作り終えるとは何をされておいでか?」
「そうだ、ライさんも一緒に来てくれよ!俺達スライムで乗り物を作ろうかと思ってんだぜ?」
「ほほうそれは面白い!是非見させてもらうとしよう……ジルカ、メルマ!」
おお!もはや教会の長顔負けの貫禄だなライさん。
「「はい」」
「すまぬが今からナルガス殿達が作っていると言う、スライムの粘液を使った乗り物を見に行くところなのだが一緒に来ぬか?」
「へぇ、良いですね?見てみたいです!」
「私もとても気になりますわ」
「うむ、決まりだな!教会の手入れは少しこの辺にしておこう……支度は良いか?」
「はい!」
「もちろんです」
「じゃあ、みんなで行こう」
ライさん達を率いてドルファ達のいるところまで戻っていく俺達。
その姿を見たお父さんとお母さん、そしてジグルさんとギウルさんにミアさんまでも次々と合流していく。
皆が揃ってビーの進化した姿に驚きつつも、そのままの流れで彼の完成品を大勢で見届ける事になったのだった。
「ドルファー!どう?できそうかな」
「あっ!ナルガス良かった~…手を貸してよ!」
「ん?どうしたの」
「もうほとんど大人数が乗れる作りは完成したんだけどね、どうしてもうまく皆が座れやすい作りにできないんだ」
「えっ、何がいけないの?」
「ベトベトした部分を薄く伸ばさないとかわきにくいんだよ
その辺のやり方がどうしてもむずかしくて…」
「薄くととのえるだけで良いの?」
「そうそう……って誰?」
「わたし?ビーだよ」
ドルファ達「ビー⁉︎」
「えっ?お兄ちゃんどういう事‼︎」
「ナルガス!本当にこのかわいい子があのビーなの?」
「う、うん…俺も教会でルネーガから聞いて分かったんだけど進化したらこうなるらしいよ」
「えっと、変…かな?」
ビーが不安そうに聞いてくると…
「「変じゃない!」」
「むしろ同じ女の子なのに、私も抱きたいくらいかわいい‼︎」
「いろんなおようふく着せてあげたい!ハァハァ…」
「レダ~、それにコルナも息が上がってるぞ?」
「あっ!ゴメン」
「えへへ…」
「えっと、それでビー…どうやって形を整えたら良いの?」
「うん、これはね…」
ビーがドルファの近くに来て素材を薄く伸ばすコツを簡単に教えていく…流石、ハチなだけはある。
「ム、ナルガス!今失礼なこと考えてなかった?」
あれ?なんでかな、ビーが急にジト目で睨み付けてきたよ。
「な、何も考えてないよビー」
「むぅ…」
「お兄ちゃん、(お兄さん)女のカンをなめちゃダメ。」
「お、おう?」
2人から全く同じ言葉を同じタイミングで言われて、俺は思わずたじろいだ。
「どんだけ息ピッタリなのよあんた達…」
「えっとその…あはは」
「そ、そんなことないもん!」
「なんか楽しそうなやりとりを後ろでしてるみたいだけど、できたらみんなもそろそろ手伝ってくれると嬉しいかな」
「わ、わりいドルファ今からやるぜ!みんなもやるぞ」
子供たち「おーー!」
ここからはみんなで協力しながら、乗り物の座る場所を作っていくことにした。
「あなた、ナルガスとレダが子供たちみんなと一生懸命頑張ってる姿を見てるととても嬉しいわね」
「そうだなレアナ…本当に良い関係をつくれてる」
「だな…ラルガもせっかくだから手伝って来たらどうだ?炎は得意だろ」
「やめとくさ……正直あんなに細かい加減はできる自信がないっての」
「フフ、こうして若い子供らが夢中で物を作る姿を見ているとそれだけでも良い気分になれそうだ」
「我もギウルと同意見だ……今やこの子達ほど強い冒険者はなかなかいないだろうが、そうであってもまだ幼子だ
我らがこうして見守る事が一番大事な事かも知れぬな」
「ウフフ!ナルガスさんとても楽しそうですしね」
「そうね!それはそうとギルド長…ミアさん?」
「アハハ!ここでは遠慮なくミアでいいですよ
それでどうされましたか?」
「え、ええ……ずっと気になってたんだけど何故ミアは息子に対してだけは敬悟になってるの?」
「うーん、なんででしょうかね?何故か年下の子供には見えないほど大人びた所があるから……とかですかね」
「あー、それは無理もないわ……ね?あなた」
「ああそうだな」
やや苦笑い混じりに返答するしかできない父。
「え?え?何がどういう事ですか」
「そうね、今夜良かったら一緒に飲まない?そこで私たちが言える限りの話ならするわよ」
「はい是非‼︎」
「ハッハッハ、せっかくだから俺も改めて聞いてみるかな……ジグルは既に知っているんだろう?」
「ああ!絶対驚くぜ」
「そいつは楽しみだ!」
子供たち「できた~~!」
「みんな、手伝ってくれてありがとう!ぼく一人では絶対作れなかったよ」
「そうだな!大変だったけど中々面白かったぜ」
「とうとうできたんだね……これでナルガスに運ばれても大丈夫な気がしてきた」
「エリオル~?そんなこと言ってまた酔ったりしちゃダメよ?」
「リ、リオン~!」
皆から笑いが溢れていた。こんな楽しい経験ができて、本当に嬉しいと俺は心の底から感じる。
「試しに今からみんな乗ってみる?」
「さんせい!…っていつもなら言えるんだけど今日だけは苦しいわね
あのスライム達との事でなんだか疲れちゃった」
「私も、サラティと同じ…」
あらら、みんな安心と疲れでそのまま寝ちゃったのか。
「ウフフ!やはりこういうところは子供ね?なんか見てて安心したわ
みんな悪いけどこの子達を宿に運ぶの手伝って!ナルガスは……大丈夫なの?」
「うんまだ平気!一緒に運んで行こうか?」
「ああナルガス、助かるぞ」
「うん!」
まずその前に、皆でつくったこの乗り物を空間操作で縮めてから収納魔法に入れとこう。
「……よし、じゃあいっぺんに3、4人くらい空間に入れて運んじゃおうかな」
「おう!本当に便利なスキルだよなぁそれ
俺も後でルードスに戻る前にとってみるか」
「どんどんとってみてよジグルさん!」
こうして皆を宿屋に運んで一息ついた俺は、サラティ達の希望通り似合いそうな武器を木で作ってみる事にした。
俺は両親にサラティ達と約束した武器を作る為、再び森に行って来ることを伝えてから外に出た。
時刻は既に夕暮れ時だった。
しばらく森の中を歩いていると手頃な木が育っている場所を見つける。
「さてと、この辺の木が良いかな」
円風刃[サークルカッター](以後、円風刃と呼称します)で手頃な大きさの木を根本から切りつけ、すかさず空間を切り取り中に入ったままの円風刃を器用に動かして決まった大きさに切り分けていく。
そしてその場で、三人の使えそうな武器と他にもいくつか作ってみた。
どれも殺傷能力が無いものばかりではあるけれど、ほぼ丸腰の彼らならこの中で良いものを選んでくれるだろう。
武器を一通り作ったあと、収納してそろそろ帰ろうかとゲラルドに戻りかけたその時どこかで大きな声が聞こえて来た。
「フセロ‼︎」
「⁉︎」
誰かが叫んだ声と、俺が迷わず避けた時に飛翔する『何か』が過ぎて頭の上にある木に「それ」が当たったのは同時だった。
「なっ斧⁉︎どいつが投げたんだ…」
「グフゥ~…」
「ゴブリン‼︎それにしてはでかい」
「ソイツ、タタカウダメ!ニゲロ‼︎」
「声をかけたのってお前か?……ってこっちもゴブリンかよ⁉︎」
どうなってんだこれ?
「グウゥ~!」
「‼︎」
帰ろうとしたら大きいゴブリンに襲われ、そして危ないことを知らせてくれたのもゴブリンという訳のわからない事態に、ナルガスは混乱してしまう。
この異常事態が今生きている世界の何を表しているものなのか…またナルガスは、無事にゲラルドに帰りつくことができるのか。




