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最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
国を巡る旅
23/43

ラングバーク

木漏れ日がさす山の中、本来なら通らないはずの山中を通っている

「くそ、あれ自体が罠かよ!」

愚痴をこぼしながらUMPのトリガーを絞る、後ろから追ってくる冒険者狩りと山賊の馬を撃ち抜いていく

事の発端は数時間前…名前のない村に着いた俺たちは山賊達の出没の情報を仕入れに酒場に向かった、酒場の雰囲気はかなり悪い喧嘩は日常茶飯事なのかテーブルや床には血痕や剣の切り傷が残っている

テーブルに着いた男達はこちらを睨みながら酒を飲んでいる、「山賊について何か知らないか?」リーダーの位置の商人専属冒険者が尋ねると近くの平原で商人を強襲すると言う噂を聞いたらしい

今思えばなぜあの情報を知っていたのかとか血痕などがあること自体が不自然だった、あの村自体が山賊達の村だったのだ

弓を扱うものは馬を撃ち近接職は近づいた山賊を倒す、俺たちも同様に銃で撃ち殺す

ケインは必死に馬を落ち着かせながら全速力で走らせ、ゼンは魔法で応戦ルイスも飛んでくる矢を弾きかえす

「止まるな!!魔法職は馬を守れ!近接職は敵を!!」

的確に指示を出す専属冒険者、UMPをリロードしながら横に目をやる

ケルアは弓を射りながら魔法を使う、火魔法のファイアースピア

本来、魔法は3つの魔法がある

下位魔法のボール、スラッシュ

中位魔法のシールド

上位魔法のスピア

大抵は魔力の温存を考え下位魔法を使う、上位魔法をバンバン撃ちまくりその上無詠唱とは

ここでまた説明に付き合っていただこう、魔法の詠唱には強化の段階がある

高速詠唱、詠唱短縮、無詠唱の三段階だ。本来無詠唱は何千何万と同じ魔法を撃たなくてはならない

「おい、ファイアーシールドを頼めるか?できる限り強力な」

リックの提案に乗ったケルアは頷くと手をかざした、少し時間が経ち地面から火柱が上がる

先頭の山賊は火だるまになり後ろも急に倒れた馬が障害物となり倒れていく

「今のうちだ!!早く村まで!!」

ケインの声に気付いた商人達が馬を走らせる




「よし、なんとか着いたな…」

山の中の村に着いた商人達が馬車を停めていく、この村は王国や街に何かしらの特産物を収めているので王国から騎士が警備として出されているから安全だそうだ

「今日はここで休む、解散」

専属冒険者の声と共に散っていく俺たちも宿屋に向かった

「一泊、二部屋だ」

「受け賜わりました、こちら月の部屋と星の部屋の鍵でございます。ごゆっくり」

ケインが金を支払いふわぁ〜とあくびしながら部屋に向かった

月の部屋は広く大部屋だった、星の部屋にはエルザとレイナの女子部屋

手近なベッドに寝転がる、鎧がカチャカチャと音を立てる

なんというか、この世界にも慣れた

鎧の脱ぎ着やスキルの使用、魔法なんかは使っていないがいずれは慣れるだろう

だがもちろん謎はある、アリサや魔王そして前の勇者のこと

魔王を倒すのにはもっと強くなる必要がある、それこそチート主人公が片付ければいいのに今の所なんの情報もない

「桐生、魔法を教えてくれ」

戦闘面ではやはり魔法が必要になる、レイナや桐生は魔法職だが魔力切れの心配を考えると俺も魔法について知っておいた方ががいい

唐突に呼びかけられたのに驚いたのかローブを畳んでいた手が止まった

「いいぞ、まず属性。火水風土光影この6つが基本属性、でその上に炎氷竜巻岩聖闇の上位属性」

ふんふんと頷きながら作り出した鉛筆で本の空白にメモしていく

「で、基本属性の強い弱いは限りなく上位属性に近いか。火だと熱く、水だと冷たく風だと風量みたいなのだ。」

そしてと少し区切りをつけ桐生はまくしたてるように喋りだした

「詠唱は必ず心臓句とつなぎ句と言うのがある、心臓句は属性を表す火属性だと『英知の火よ』が心臓句

つなぎ句はそれがどういう効果があるか、『かの者を』これは攻撃魔法とバフ系の相手の指定で『我が敵を』は範囲攻撃みたいなもので『球となりて穿て』これが攻撃方法、詠唱短縮は心臓句と攻撃方だけでいい」

「ちなみにだがお前はどれ位の魔法を使えるんだ?」

橘問いに少し考えると、「まぁ火以外は中位だな」

大抵の人間は中位を覚えるのに数年かかると言われる、やはり勇者だから成長が早いのか?

「なぁ、腹減った飯行こうぜ」

リックは剣を磨きながらつぶやいた、それを待っていたかのようにグーと腹がなった。そういえばずっと逃げてて昼飯食ってなかったけ

「この村には酒場しか飯食えるとこがないな、エルザ達呼びに行くか」

鎧を脱いでもリックは剣を携えている、それを真似し今まで使っていなかったナイフを持つ

鞘から抜くとキラキラの刃、リックの剣は対照的に少し汚れと刃が欠けている

やっぱ近接だとナイフの方が強いってどこかの蛇が言ってたしな練習するか

なんて考えながら女子部屋の扉をノックする

「おーい、ご飯食べに行きましょーう」

「わかった、ちょっと待って」

レイナが慌ただしく答えるとエルザが出てきた、今までの黒の戦闘服とは違い意外と乙女チックな黒の服だ所どころにフリルがあしらっている

「えへへ〜かわいでしょー」

「うん、似合ってるぞ」

リックはフランクに答える、陽キャじゃん

「え、あ、うん似合ってるよ」

少しどもりながらも答える、クソ隠キャだなぁ

なんて考えているとレイナが出てきた、エルザと違い白のコート少し大人びた雰囲気だ

あれ?なんか…息が?

「ど、どうか…な?」

その声に何かが崩れそうになる、リックの返答が聞こえないほどその姿に見惚れる

なんだ、これ?

少し息を整え平静を装い、後ろから見ていると橘が腹を小突いた

「どうした?顔が赤いぞ?もしかしてぇ?」

「うるさい、関係ねぇだろ」

ふ〜んとニヤニヤしながら顔を覗く橘、無視だ無視

__________


「ふぅ、食った食った」

「ここの肉は固かったな、狼の肉ってこんなもんか?」

「まぁ、こっちはマシな方だな下手な店だとろくに噛み切れない」

駄弁りながら宿屋に戻るとなにやら受付の前でもめている、そちらを見るとルイスとゼンだった

「なんで金貨使っちまうんでやすか!」

「だってこっちで欲しい鞘見つけて…」

話から察するにルイスがいい鞘を見つけて買ってしまった、そのせいで宿屋に泊まれない

ケインになんとかしてやれないかと尋ねると、「まぁここであったのも何かの縁だ、金を貸してやってもいいか?」

ケインはみんなに確認を取ると皆うんと頷く

「おい、そこの2人」

「あ゛、ゲイ゛ンざん」

近くケインに気づくと2人とも近寄ってきた

「どうがお金貸じでだざい゛」

「一生のお願いでございやずぅ」

号泣しながら擦り寄る2人にたじろぎながらもケインは話しかける

「落ち着けよ、金ぐらい貸してやる」

「「ありがとうございまずぅ(やずぅ)」」

冒険者ってこんなのしかいないの?これが普通だったら俺様帝国側行っちゃうよ?

「ただ、ルイス、ほらわかるだろ?ギブアンドテイクの関係で行こうぜ?」

「は、はい」

うわ、あいつ金貸してヤろうとしてる。

2人は部屋を借りに受付に話しかけケインは俺たちの元に戻ってきた

「お前、金で釣ったのか?」

ケインの首元をつかみ問いかける

「は?俺にとっては普通だがね、勇者様はそう言う()()をした事がないのか?」

問い詰めるも悪びれる素振りもなく俺を睨みつけると手を払った

「やるならこっちで来いよ」

「やってやるよ!」

拳を構えファイティングポーズをとるケイン、手で来いよと煽ってくる

前は勝てたんだ、今回だって勝てる

最初は俺からと。右腕のストレート、それを軽々と交わすとケインは左拳で腹を殴る

ゴフと胃からせり上げる物を食い止める

「クソ野郎!!」

掴みかかろうとタックルを仕掛けるも回し蹴りであっけなく防がれる、吹っ飛んだ俺は受け身を取れず地面に倒れた

「なんだ?もう終わりか?これじゃあ呆気ないぞ?」

キーンと耳鳴りがする、必死に立ち上がろうとするもそれを踏みつけられる

「ク…オヴェ」

吐瀉物が口から零れる、まだ…ま、だ…や…れ




呉島が倒れた数分後


桐生は水魔法で口を洗った呉島をベットに投げ捨て自分のベットに座った

ケインはルイスの部屋に行き、こちらにゼンが来た

「どうするよ、ケインと呉島」

「どうするって言ってもな…このままだと不味いとしか言えん」

エリックの問いに窓を覗きながら呟く橘、ゼンは俯き肩を狭そうにしている

冒険者としての一番重要なのは仲間との連携と聞く、こんな状況で強いモンスターと戦うとなると…

「まぁ、どうにでもなるさ。これから嫌でも連携を取らなくちゃいけなくなるだろうし」

適当な答え出したエリックはベットに寝転び天井を眺めた

「そうだ、ゼン。武勇伝って他にあるのか?」

しんみりとした雰囲気に耐えられなくなった橘はゼンに話しかけた

「え、そうでやすねー西の領地でルーンが得意な魔術師と仲良くなったり、水の精霊とあったり」

「魔術師?魔法使いと何か違うのか?」

桐生が魔術師と言う単語に食いついた

「魔法はどういう原理か解明されたもの、魔術は原理が解明されていないけ魔力を使った物だな」

いつの間にか帰って来ていたケインが答えた

「魔術師はギルドに属さない魔法使いの事も含める、しかしルーンか結構実力はあるんだな」

「随分とお早い帰りで」

「別にずっとヤってるわけじゃない、ただ北領地の事情を聴いただけだ。あの国は変わらずか?」

椅子に座ったケインはゼンに目をやった

「あの国?」

「レネウス神国、国自体が宗教の国だかなり狂った連中で教祖の為ならなんでもするような奴らだ」

「それが厄介なことになってやして、周辺に祭壇を勝手に作っていい迷惑でやす」

沈黙、数秒だけだったが数時間の様に感じる。嫌に冷えた空間

何か話を振らなくては、そんな事を橘が考えていると桐生が切り出した

「なんで呉島に嘘を?真実を言えば良かったのでは?」

ケインはリュックから本を出しあるページを開いた、そこには感情竜について記されている

本自体綺麗とは言えず殴り書きと溢れたインクから見るにケインがメモの様に使っている物だ

「感情竜は取り付いた者の感情を狂わす、あいつの普段の態度からしてあまり不満を漏らすタイプではないだろ?あの時本当の事を言えばもっとヤバくなってた。ヴェノムドラゴンに変に力を与えないためにも俺は悪役を演じよう」

ケインはこれ以上話してたら、あいつが起きるぞと話は終わり寝ることになった



「ぢ…がらぁ!よごぜぇ!!」

「ふん、所詮心の弱い小僧か、勇者が聞いてあきれるわ」

呉島は目は血走り腕には奇妙な紋様と鱗が生え背中からは所々かけた黒い翼が伸びている、ため息を零したアリサは自身の腕を黒く歪める、すると白い少女の腕は黒い鱗の竜の腕と変わり伸びた鋭い爪で呉島を突き刺す

「ぢがらぁ!!」

「黙れ、戻ってこんか」

赤黒い霧が呉島の目や鼻、耳から溢れ血を吐き出した

「ごふっ、あれ?俺はケインに挑んで…負けた?」

「お主は我の依り代に相応しくわない、もうこちらに戻ってくるでないぞ」

は?とアリサにどう言う事かと聞こうとすると黒く視界が歪む、数秒も持たず暗黒に意識を吸い込まれた

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