クータ王国
白い空間、何も考えられず何も感じないフワフワと体が浮くような感覚
無重力とはこのような状態なのだろうか
その時、一瞬閃光が走る
閃光は白の空間を黒く染め無重力と合わさりここはまるで宇宙ではないのかと思える
すると不意に意識が下に落ち何も見えなくなった
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「あれ?ここは?」
クラスの誰かの声で目がさめる、先程までいたコンクリートの壁の教室は神聖な空気を孕んだ石造りの神殿の様な場所になっていた
「うお、まじもんの異世界か?」
少しテンションが上がる、もしかしたら俺のステータスにチートがあるかもしれない
1人の男がこちらへと歩んできた、白いローブを羽織り手には杖がある
「よくぞおいで下さいました勇者様。私はここ、クータ王国宮廷魔導師レーヌ・アルスと申します」
国王がお待ちですと言いレーヌの後ろにいたフードを被った人物が大きな木製の扉を開いた
全員が立ち上がりレーヌに着いて行く、どうやらここは城から離れた場所らしく少し城まで歩かなくてはならない
「あちらが我が国の首都、王都ドルンであります。食料品や生活必需品また武器や防具も最高レベルのものが手に入るでしょう」
レーヌが差した方を向くと綺麗な景色が広がっていた火山から雪山更には大森林、「うわぁ、まじかぁ…」
思わず口を漏らす、武器が買えると言ったのだモンスターがいるのだろうこれから自分のチーレムが始まると思うととてもテンションが上がる
「俺、剣がいいな」
いつの間にか近づいていた橘が話しかけた、何を考えているのかわかったのか自分の使いたい武器を伝えた
「じゃあ俺盗賊でナイフかな、こっそり盗賊から金とったりして強い装備揃えて可愛い奴隷買うわ」
「俺は魔法使いだな、バフ掛けまくる」
いつの間にか桐生も来ていていつもの3人組になっていた
列の最後尾でステータスはこんなのがいいだとか話しているといつの間にかついた
豪華な装飾の部屋でテーブルが並んでいた、そのテーブルの上にも豪勢な金のろうそく立てが並んでおり火は点いていない物の光の反射で熱く感じる。中でも目を引くのが銀と金の玉座完全に王様が座るとこだろうな
「どうぞお掛け下さい」
その声が聞こえるや否やまばらに座って行き俺らも椅子に腰掛ける、すると入ってきた扉から豪華な服をきた人が入ってきた頭には王冠がある、あの小太りのオッサンが王様か?
「クータ・レイ・スール陛下でございます、陛下自らが勇者様へと説明いたします」
スール陛下はやはり玉座に座り口を開いた
「よくぞおいで下さいました勇者様、我が王国そして王国連合国は存亡の危機に陥っております。この世界は数十年前まで魔王の率いる魔王軍を討伐するためダール帝国と同盟を結びました、しかし!魔王を捕らえた帝国は我が国を裏切り世界を征服しようとしているのです。どうか勇者様帝国の野望を討ち滅ぼし世界に平和をもたらしてくれませんか。もちろん、この戦争が終わりさえすれば元の世界にも帰還できますその際に金や財宝も差し上げます」
敵は帝国と魔王軍。王国と帝国で協力し魔王を捕らえたのが裏切られ王国だけでは必ず滅びてしまうならば勇者を喚んで助けてもらおうというわけか
「どうする?俺はやりてぇな、金欲しいし名誉も手に入る最強だろ」
「俺も賛成だな、勇者をこれだけ呼んだってことは育成する時の金もかなりあるってことだ」
「さんせーい」
世界を救うよりも金が貰えるという点と勇者と言う肩書きについてクラスの全員が話し出す
しかし、いやと当然と言うべきか集団転移もの特有の先生が生徒が危険な目に合うのはだめと反論するのがあるあるだが…
「駄目です!こんなどこかわからない場所で戦えなんて!まず生徒達が危険な目にあったらどうするんですか!それにこれは誘拐ですよ!今すぐ学校に戻してください!」
すぐヒステリアスを起こすことで有名な松崎香先生がやはり反論した、いやー逆にこうもあるあるが続くと笑いそうになるな
「けど、ゲームやらネットができねぇのは辛いな」
「正直さ、こんな隠キャがなろう主人公できるとは思えねぇし帰りてぇな」
もともとあまり外に出ない俺たちにとって運動とチーミングは最大の敵だ、第一俺が貧血をすぐ起こすそう考えると異世界って意外と糞じゃね?
「先生!この国の人達は困っているんです!困ってる人を助けるのは当然って先生よく言ってましたよね!」
松崎はそ、そうですけどと言い口を噤んだ
「墓穴掘ってやんの」
日頃の恨みか席から「そうだそうだ」と罵声の大合唱、クール振りたい俺はあえて参加せずあたりを観察する。王様は苦笑を浮かべ鎮まるのを待っている
「わかりました!!私はもう何もしません!皆んなでこの国を救ってください!!」
でたーヒステリックー大抵の授業はこれで職員室に戻るでクラス委員長と数人が謝りに行くまでがテンプレ
王様は隣の兵士に何か耳打ちすると兵士はどこかへと向かった
それを目で追うとメイドにまた耳打ちしメイドはその場から走って行った、兵士はその横にいた金髪の高貴な鎧を纏ったイケメンに話すとそのイケメンは松崎のもとへ行った
「申し訳ございません、教師殿。生徒の命を尊重するその姿勢感服しましたですが勇者殿達は強いステータスとなっています」
あっ、なろうとか異世界小説特有の能力が数値化されるやつかよ
「そうやすやすと死にませんし我ら騎士団が総力を挙げ援護しますし練習をつけます、ですからどうか我々の安寧を取り戻させてください」
そう言いイケメンは松崎の手を握った




