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『最後の橋は、敵の街へ』

最新エピソード掲載日:2026/10/21
父は橋を壊して英雄になった。

私は、その橋を架け直そうとして、父に止められた。

十一年前、二つの国を結ぶ大橋を破壊し、敵軍の侵攻を防いだと称えられる英雄ガレス・アーデン。

その娘ミラは、父を誇りに思う二十一歳の測量士見習いだった。

ある日、壊れた橋の対岸で一人の少年を救ったことから、ミラは知らなかった現実に触れる。

橋の向こうにある、かつての敵国の街。

そこでは凶作と輸送路の損傷が重なり、人々の食糧が不足していた。

冬まで、残された時間は約六十日。

街を救うため、ミラは父が壊した橋の再建を決意する。

しかし、協力することになった若き職人ユアンは、橋の破壊によって母を失った過去を持っていた。

西の国で英雄と呼ばれる父は、東の街では憎しみの象徴だった。

そして、橋の再建を最も強く拒むのは、ほかならぬ父ガレス自身。

父はなぜ、本当にあの橋を壊したのか。

人々を救うための道は、再び戦争を引き起こす道にもなり得る。

それでも、ミラは橋を架けようとする。

父が守った正義と、娘が選ぼうとする未来。

敵だった者たちが手を取り合い、失われた道と信頼を取り戻していく。

これは、壊れた橋を架け直す物語。

そして、憎しみで隔てられた人々が、もう一度つながろうとする物語。
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