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「かはっ…!」
「っ、まずはあの瘴気をなんとかしないと…!」
「フェリオ、私たちで濯ぎ落としましょう。その後はスーリヤ、頼みましたよ」
「はい!リュカ、援護頼む!」
「了解しました。ペルラ、その場しのぎですが──」
ぶわり、と爽やかな気を感じる。
リュカが緑の力で防護壁みたいなのを作ってくれたみたいだ。息が楽になる。
水が濯ぎ、風が吹き飛ばす。
それを緑が刻み、炎で焼く。
確実に削っているはずなのに、瘴気は増すばかりだ。
これが、負の感情───
どれほど経っただろう。
来るべき時を狙って、短銃に力を込めたまではよかった。
エリオット───いや、エルの力は増すばかりで、こちらの力は削られる。
強い瘴気で、みんな動くのも辛いはずだ。
どうしよう、どうすればいい?
なんのために私は武器を取ったんだ。守られるだけが嫌だから。私も守りたいから。運命を切り開きたいから。
────私の身体はだいぶ回復した。今なら動ける。
「エル様」
私なら、何とか出来るかもしれない。
「遅くなってしまい申し訳ありません。今行きますわ」
「っ、ペルラ!?」
「貴女は、何をして…っ!」
止めようとするリュカたちを手で制する。
大丈夫だと。なんとか出来るかもしれないと。
「あぁ、マルガリータ!ようやく逢えたね…!」
「ええ、お待たせしてしまって大変申し訳ありませんでした」
「いいんだよ、こうしてまた逢えたんだから」
少しずつ、だが確実に瘴気が薄くなる。
本当は今すぐにでも吐きたい。でもそれをなんとか耐えて、一歩一歩エルへと歩む。
両手を広げ待つ彼の元に、笑みを絶やさず。そして、意識を逸らさず。
あと5、4、3────
刹那。
目の端できらりと光った。
──────コアだ!!!!
「っ、マルガリータ!?」
「エリオットを返して!!!!」
コアに狙いを定める。
浄化すればエリオットが助かると信じて。
「─────え」
その銃口が向けられた先は、心臓だった。
「っ、ぐああああっ!!」
「───うそ、そんな…!」
銃弾は心臓を逸れ、エリオットの左腕を撃ち抜いた。
そこから血は溢れ出て、苦しさにのたうち回っている。
────もし、この銃弾が心臓を撃ち抜いていたら?
「あ、あぁ、…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
私が、エリオットを殺すのだろうか。




