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「彼女が女王になったら、お前はどうするんだ」



別れがもうすぐそこまで来ていた。







「その考え、目からウロコです」



だろうな、という目でこちらを見る。

リュカも、ずっとずっと考えてこの考えに至ったんだ。というか普通辿り着かないって。



しかし、『負の感情』…ね。



「でも、なんで捨てたんでしょうね。殺したとはいえ旦那さんのお墓ですよね?」



「…考えているのは、彼女たちの力が強いからでしょうか」



特に炎の女神の力は、正妻ということもあって、非常に強力である。(火力最強のスーリヤ見てるとわかると思うけど)

悪しきものをその炎で燃やし、浄化する。

だからこそ、ここに捨てたのだと。



「きっと本来なら浄化されたのでしょうが…」



「しきれなかったって事ですかね?」



「それより、…うーん…」



ん?リュカでも結論付けられてないのか。

まぁ、なにも分からないなら考えても仕方ないか。


しかし、この設定ははすま先生案なのだろうか…もしそうならなかなかえっぐいこと考えるな…。



「で、明日からはどうするんですか?まだ解読続けるんですか?」



「いえ、正直これ以上の情報はありませんし。エリュシオンに行きますよ」



「わーい!なら明日どうです?久しぶりに」



「まだ決まってないのならご一緒しますよ」



ふふ、ずっと頼んじゃってたからね。明日は1箇所だけにしようかなぁ。久しぶりに体動かすだろうから、いきなり2箇所はキツイだろうし。

あと15…なら、10日も経たないうちに終わるだろう。アスカは未だ半分も終わってないみたいだから、このまま行けば私が新女王として、大神殿の燭台に炎を灯す事となるだろう。


…あれ?そういえば、ペルラ女王の時って、どうなんだ??


ゲームでは、ペルラが女王になるシナリオは用意されていない。

彼女は炎を灯すのが余りにも下手すぎて、進みが亀より遅いのだ。

それに合わせて進めていると、職務怠慢だとか、やる気を感じられないだとか、大陸の民から反感を買い、試験失格に追い込まれ、ゲームオーバーとなる。

かといって、そうならないよう進めると、自然と女王になる。どう足掻いてもペルラを女王にしないシステムだ。

なんて酷いんだ。


ゲームに無いことはわからない…!!

なるようになぁれ!って感じか…本当にどうしよう…せめてエリオットと仲直りしたいのに…。



「そういえば、もうすぐ終わりですね」



「…え?」



「貴女の今の調子なら、10日も経たないうちに終わるでしょう」



「あ、その事…まぁ、そうですね」



「…大神殿の燭台に灯す時、パートナーが必要なのは知ってますか」



「え、パートナー?」



所謂、好感度が1番高いキャラかな…。

燭台に灯す時に選ぶのか。ゲームではラスボス戦の時だったと思うんだけど…。


不思議そうに見つめてみると、知らないんですか?と言いたげな目で見られた。解せぬ。


エリュシオンの大神殿は、水の女神の力が宿った湖の中心に浮かぶ孤島にある。

橋は掛かっておらず、船等もない。泳いで渡るにも、神聖な湖には入ることも叶わない。


だが、とある条件下でのみ、橋が掛かるという。

それが、女王と、女王が心から信頼したパートナーが揃った時である。

今までのより大きい燭台に炎を灯す力は、そのパートナーから貰う事でより強く、神聖な炎になると言われている。

あれか、愛の力ってやつか。


…まぁ、本来ならエリオットなんだけど。てかエリオット以外考えられないんだけど。

でも、仕方ないとはいえ、この避けられる状態が続く中、そんなお誘いがちょっと…うん、出来ないだろう。

いやーでもエリオットだけなんだがなー…。



「僕じゃ、ダメですか」



その一言に、顔を上げた。



いつもは冷たい瞳に熱を孕み、真っ白な肌に薄らと赤みがさす。



その言葉を理解しようと見詰めていると、視界が白銀に覆われた。



「僕を選んでください、ペルラ」





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