近況報告54
もう少しだけ......もう少しだけ、能力が欲しいです、キバごんです。
みなさんは、なにか、「いまからでも○○をやってみたい! あれを身につけてみたい!」という思いがおありでしょうか。 あれば、とても良いことですよね。 ありすぎたら、どこから手をつけていいのかわからなくなることもありますが。
それでもそんな思いを持つのは大切です。
しかし、どこか怖さもありませんか? 僕はありましたよ、小説書くのだって、批評とかあるんかな〜、という怖さでちょっと渋っていたこともあります。
「もしまお」を覗いていただければわかるのですが、一話目から二話目まで少しあいだがあいているんですね。 それはその怖さでちーとばかし書けなくなっていたんですね。 大学生になりたてで忙しかったわけではメイビーないですよ。
そんな自分も、怖さを克服して、とあるイラストをある場所に送っていたらですね、うれしいことが起こったので、次の報告では書けたらいいな、と思います。
いやぁ、やっぱり恐れずにやり続けるのは大事よォッ!!
うわぁめっさキバごん偉そうじゃん、僕が読者なら住所特定して荒らしてるわ。
そんなこんなありまして、一週間、いろんな創作に手をつけていました。
ですので、先週へんな形で宣言していた、「今週中に次の短編改稿投稿する!」は、ダメになりました。 たぶん一旦創作から手を引かなければこのへんな自信は治りません。 本当にすみません......。
ですが、今週の木曜日になら改稿できそうです。 しかも、次の短編の構造もだいたいできているところです。 しかしその短編は、準長編になりそうな感じなんです。 しかし、そこまで長いというわけでもないので、そこまでかからず投稿できそうです。
そして、次は、恒例のちょい見せです。 どうぞ。
*
海斗は、学校での疲労を感じながら、住宅街を歩いていた。
時刻はもう夕方で、柔らかな夕日の暖かさを背中で感じながら、ときたま住居からもれる夕餉のいい匂いを吸い、今日の仕事はどのくらいの量があるのだろうと、不安と心配を抱えた。
しかし昨日、「おおよその仕事はやっておきます」と、バルは言っていた。 それがどのくらいの量をやってくれるのかはわからないが、減るのだと思えば、いくらか気は楽に……なればよかったが、不安なような、申し訳ないような気持ちがどうしてもあった。 国の根幹の仕事は、すべて管轄下に置いているとシウニーから聞いて、代わりにやってもらうのも、いまになって気が引けてきた。
結局あれから話せていないし、これからどう話せばいいかもわからない。 「俺が全部やるから」と、笑顔で言えればいいのだが、そんな度胸は海斗にはなかった。
そう悩んでいると、いつの間にか家についていた。 見知った景色が視界のはしに映らなければ、通り過ぎてしまうところだった。
なにはともあれ、俺がやるって言わないと……。
今日は、すぐに行かないと──すぐに食える夕食だったら良いなと、家に入った。
海斗は、ドアを閉めて、リビングの方からただよってきた匂いをかいで、足が止まった。 この匂いはからあげだった。 これならばさっと食うことができるはずだ。 しかし、このからあげの匂いは、違う。 母親の作るそれの匂いでは無い。
そう、これは。
「あら海斗、おかえり〜」
廊下の末の、リビングの扉が開いて、母親の笑顔が見えた。
海斗が返事をしようとすると、それを断つように母親が言葉をついだ。
「今日はね、花音ちゃんがご飯つくるの手伝ってくれたのよ〜。 もうすぐできるから、着替えてらっしゃ〜い。 お父さんももうすぐ帰ってくるから〜」
そうだ、花音がつくるからあげの匂いだ。 中学生あたりから得意料理として、よく振舞ってくれたから、鼻が覚えていた。
「あ、あぁ……」 という言葉になりきれぬ声が漏れたところで、扉が大きく開き、花音が顔をのぞかせた。 少しだけ瞼を下ろした、無気力そうな目に、海斗は射抜かれたと錯覚した。 そしてどこか似ているかもと、バルバロッサの顔が頭に浮かんだりもした。
扉が閉められ、海斗はつかのま扉を見つめ、あわてて二階の自室へと駆けていった。
黒い上下に着替えた海斗は、しばらくベッドに腰掛け頭を抱えていた。
「まじかよ……よりによって今日かよ……」
別に作りにきてくれるのは問題ねェ、むしろありがてェ。 ただ……ただ、あいつが作りにきた時は、必ず俺の部屋に来る……! そのまま長時間居座って、俺が風呂に入るまで帰らない!
故に今日は苦しかった。 早く魔界に行って、仕事をするなりバルと仕事面で相談するなりしなくてはならないのに……まさか、今日花音がやってくるとは、思いもしなかったのだ。
しかし、こうずっと悩んではいられなかった。 玄関の扉がひらく音がした。 父親が帰ってきた知らせを受け、海斗は、今日はなんとか早く帰ってもらおうと決心して、階段を降りていった。
海斗は、いつもの通り花音の横に並べられる自分の配置を恨みつつ、食を進ませていた。
真向かいの親の機嫌と言ったら最高で、口が空くたび花音の褒め言葉を言い放つ始末。
「いやぁ〜、うちの海斗に、こんな立派な幼なじみがいるなんて〜、ほんとに幸せね! 2人が結婚したら、海斗すぐに幸せ太りしちゃいそう!」
「遺伝があるならすぐ太るわな。 かあさんは幸せじゃないのに太ってるし」
「花音ちゃんはもう結婚のことを考えて、花嫁修行してるもんな! ぜひ、海斗をもらってほしいもんだ!!」
「あんま軽々しくそういうの言わねェほうが良いぜ父さん。 最近そういう発言多くなったな、禿げて頭が軽くなったから?」
母も父も、こんな調子で呆れた。 なんだか外堀を埋められていくのを見ているようで、あまり気分はよろしくなかった。
ただ、食べるスピードは落としてはならぬと、常に意識していた。 決して遅くならぬよう、しかして早くなりすぎぬよう、頬張り続けた。
その間も、口を開けば花音の褒め言葉を放つ両親に対し、花音はどんな言葉が来ても、「いえ、私にできることをしているだけです」だの「そんな、めっそうもございません」だの、落ち着いた表情を崩さず返事をしていた。 その態度が、海斗にとっては、感情が無いように見えて、なぜだか今日はそれが目について、どこか気持ち悪かった。
*
できるだけ短い文で多くの情報を、されどちゃんと伝えたいところは長く、という文を書くよう意識づけております。 テンポよく、ときにテンポを落として濃厚に、という読ませる文を書こうと。
それがなかなかに難しいのですが......そこは恐れず、しっかりと、焦ることなく身につけていきたいと思っております。
便意を感じたのでここでおわります。 じゃあね!!!!!!!!!!!! また来週!!!!!!!!!!!!!