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創造の魔女に転生したのでのんびり異世界で生活したいと思います  作者: 鏡のひかり
2章 闇深き森と魔女

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56話 帰還した冒険者

少しだけ時は戻り冒険者パーティーが鉄木樹の森から逃げ帰る時のお話になっています。

鉄木樹の森(アイアンフォレスト)の依頼には失敗してしまったが何とか生きて王都サミリスタールに無事帰還した宝石の花(ジュエル・フラワー)。これからギルド本部に向かおうとするととある声が聞こえてきた。


「あれ?シーラじゃにゃいか、もう依頼終わって帰ってきたのかにゃ?」


話しかけて来たのはナナカだった、ナナカはシーラと昔一緒に依頼をしていた仲間らしい。今はソロで冒険者をしている、実力は俺たちと同じAランクくらいはあるがまだBランクなのだ。面倒でAランク試験を受けていないようだ。ギルドマスターからも頼まれているがいつも拒否されているのでちょくちょく胃薬を飲んでいるのは知っている…。


「ナナカ久しぶり、実は依頼失敗しちゃって…」

「大丈夫かにゃ!?どこか怪我してないか心配にゃ…」


ナナカは慌てながらシーラの身体をあちこち見て怪我していないことを確認した。


「平気だって、失敗はしたけどレイが諦めようって言ってくれたから。もし諦めなかったらどうなってたか…」

「そうだったんだにゃ…レイありがとうにゃ!」

「むっ…だ…抱きつかないで…胸…に埋まる…この乳でかっ!!ムガッムガッ」

「レイは相変わらず可愛いにゃぁ」


ナナカの胸に埋まるレイは苦しそうにもがいて居る、いつもの事だがちょっとうらましく思ってしまう…男だからしょうがない。ナナカは猫獣人族でソロ冒険者をしている。Bランクだが身体能力が人間よりかなり高い。

産まれたばかりの頃は子猫と同じで四足歩行しているらしく、ある程度大きくなると毛が抜けて人間とそっくりな姿になる。たまにそのままの子も居るみたいだけど人からは迫害されやすい…。大きな猫が言葉を喋って二足歩行で歩くのが嫌みたいだ。ナナカを見ると頭の上に耳がありピコピコしている、尻尾はくねくね動いているが前に触ろうとしたらめちゃくちゃ引っかかれた。


「…俺も居るんだが…」

「あ、クルナだったかにゃ?」

「クルドだ!いつもいつも間違えやがってぇ」

「あれ?そうだっけ私男には興味ないにゃぁ…テヘ」


何がテヘだ!可愛いなこんちきしょう!


「まぁいい、それより本部に向かわないと行けないんだ」

「失敗と何かあるのかにゃ?それじゃナナカちゃんは失礼するにゃよー」


速足で去っていくナナカだったがようやく解放されたレイは息を切らせていた…。


「はぁ…はぁ…あの胸でが…私への…当てつけ…」

「大丈夫だよ、レイも大きくなるからね?揉めば大きくなるって言うじゃん」

「ここでそんな話をすんな…宿でしろ」

「はぁい…」

「それじゃ…いこ」


ギルド本部に到着のギルドマスターに話に行った。部屋に入ると小柄な男が座っていた。


「ノックを忘れているぞお前ら」

「あ、すみません…扉開いてたので」

「開いてても一応ノックか声をかけてくれ…それよりどうしたんだ?随分早い帰りじゃないか」

「その事なのですが……」


私達は鉄木樹の森(アイアンフォレスト)で何があったのかを出来るだけ細かく説明した。正直もう行きたくないのが本音だ。


「なるほどな、まさかそんな事が起きていたか。依頼からして怪しいとは思ったのだがそれを伝えていなかったこちらが悪いな、すまんかった」


頭を深く下げて謝罪されてしまった。今回のこれ(依頼)はギルドマスターが悪い訳では無いと思うのだけどなぁ。


「ギルマスが謝んなくていいですよ!」

「そうですよ!」

「うんうん…」

「謝らねばならんのだよ、この依頼で君達を失って居れば悲しむ者も多いだろう。わしもその一人だからな」


ギルマスは本当に優しい人だ、優しいが怒るとめっちゃ怖いけど。


「ミラと言う少女とミリスとリィアと言う少女か…ミラとミリス…確か冒険者だったはずだ…ミサリその者の書類を持ってきてくれるか」

「はっ!直ぐにお持ちします」


ミサリさんはギルマスの秘書さん?なのかな。赤毛の美人でスラーっとした体型…女の私でも見とれちゃうくらいです。前にギルマスと付き合っているのか聞いたらすごい変な顔してた…あれは付き合ってはいなさそう…かな?


「相変わらずミサリさん行動早いね、スタイルもいいし羨ましいよ」

「ハッハッハ!彼女は優秀だが時々抜けているのだよ」

「全然そんな風には見えませんけど」

「今日は平気だとは思うが…」


いつもはダメだなのか?っと思う宝石の花(ジュエル・フラワー)であった。




―数十分後…




「戻りました、探したのですがサミエルの街のギルドマスターであるレオス様が閲覧を禁止にしているようです。そこにメッセージもありました」

「どんなメッセージがあったんだ?」


そこにいる皆がどんな内容なのか気になった。閲覧を禁止すると言うことはそれほどにヤバい物という事だ。普通であればそんな事はしない…普通であれば…。


「読みます…もし二人の事を調べようとする者へ、調べるのはオススメしない。調べるのであれば本人に直接許可を得てからにしてくれ、下手をすれば国が滅ぶ可能性あり。この書類の閲覧をしているという事はギルドマスターかそれに通ずる者だろう。念のために言っておくが書類全てを閲覧禁止にしてあるので決して口外はしないでくれ……以上です」


ふむ…あのレオスが閲覧禁止にするほどの相手か……。ここはレオスに直接聞いた方がいいかもしれないな。


「それでギルマス、この依頼は中止した方がいいですよね」

「そうだな…君達の話とこの書類の内容からして逆鱗にでも触れれば世話ないからな。この件は俺が預る」

「わかりました、それでは報告は異常なので宿に帰ってもいいですか?」

「帰っていいぞ、あとの事は全部任せろ」


疲労も溜まっているだろうからな、無理をさせて死なれては困る。しっかり休み万全な状態で依頼をして欲しいからな。後で詫びとして酒でも送ってやるか…。


「失礼しました」


パタンッと扉が閉まり宝石の花(ジュエル・フラワー)の声が遠くなっていく。


「行きましたねライオスさん」

「そうだな、さて…レオスならまだギルドに居ると思いたいが。久しぶりに遠魔の鏡(とおまのかがみ)を使うか」


()()()()とはダンジョンでたまたま発見された宝具で鑑定士に見せたところ神の姿見のレプリカと言う事がわかった。この鏡を目の前に置き見たい人物を思い浮かべればその人物の目の前に鏡が現れこちらと話す事が出来る。悪用にも使えるため一般に持っている者はいない。今見つかっているのでこれを含めても三つしかない。


「私は居た方がいいでしょうか?」

「居た方がいいな、まぁ何もしなくてもいいが…ミサリが何かすると何が起こるかわからんからな……」

「私そんなに酷いですか?普通にしてるだけなのですが……」

「……普通か……まぁいい」


部屋の中にある鏡にほどこしてある封魔の魔術を解いて、本来の遠魔の鏡に戻す。封印をしておかねば考えただけで誰かの前に現れてしまうからな……ある話ではたまたま使ったら()()()()をしている最中だったらしいからな……さすがにそんなのは見たくないからな。そもそも本当の話なのかも怪しいがな。


「よし、鏡よ映し出せ…」

「繋がるといいですね」


鏡がモヤモヤと人の姿と背景が映し出された…。


「レオス!聞こえているか、見えているか」

「何処からかじいさんの声が……ッライオスのおっさん!どうしたんですか珍しい」


こいつ今じいさんって……まだそんなに老いてないんだが、今は見逃してやるか。


「実はお前さんに聞きたい事がある。ミラと言う少女に聞き覚えは?」

「ミ、ミラ…ですか、あります。こちらのギルドで登録したんで」

「その事で聞きたいが何を隠している?このミラとミリスと言う少女の事を」


それを聞くと急にレオスは黙ってしまった。顔色が少し青くなっている気もするが、それほど言えない事なのか?


「レオスよ、なぜ話さないのだ?話せば楽になる事もあるぞ?」

「た……確かに話せば楽になると思います…物理的に…」


物理的に?いったい何を言っているんだ?……ならこの方法で聞くのが良いか。


レオスにはミラに魂血の戒め(こんけつのいましめ)を受けた事があり今は解除されているが闇鴉にも釘を刺されているので絶対に言えないのだ。何処かで聞き耳を立てているかもしれないと思い全力で忘れようとしている最中なのだ。


「今からお前に質問をするが答えれない質問は話さなくていいが、肯定(こうてい)したと判断する。違う場合は拒否せよ、わかったな?」

「わかりました……はぁ、何も起きない事を願いたいな。言っておきますが俺はこの質問に命をかけますので」

「何もそこまでせんでも良いのだが」


命をかける……か、何かの契約でもしているのか?とりあえずは質問をしてみるか。


「では、ミラのステータスについてなにか言える事はあるか」

「いいえ」


ステータスの事は言う事が出来ないと、言えない何かはあるが言うと危険があるという事か?


「ミラやミリスのスキルについて話せる事はあるか?」

「・・・」

「なるほどな」

「っ……ライオスのおっさん、これにはあまり関わらない方がいいですよ?命が惜しいなら辞めるべきです」

「お前が恐るほどか…」


その後も色々質問したが話せる事が少なく情報は得られなかった。わかった事はミラに関する事を聞く度にレオスがビクつく事くらいだ。ミリスの事も聞いたが…同じ反応だった。


「…ライオスのおっさん…もういい…か…」

「あぁ、この件は全て無かったことにする。その方がいいのだろ?」

「出来るなら…はぁ…胃が…」


ここまで疲労したレオスは初めて見た…もしや悪魔と契約でもしたのか?……考えるのはよすか。


「これで話は終わりだ、ゆっくり休んでくれ」

「言われなくてもそうしますよ…」


遠魔の鏡(とおまのかがみ)の効力を無くすと再び普通の鏡に戻った。再び封魔の魔法を掛け直し鏡隠しの布を被せた。


「結局私いる意味ありませんでしたね、シャーリィも居ないようでしたし」

「そうだな、今後この依頼の事を聞いてくる者がいれば真実の間に連れて行ってくれ」

「了解いたしました」


そう言うとミサリは部屋から出ていった。


この依頼の事を聞いてくる者は何かを知っている可能性がある…興味本位ではなく警戒として知っておかねばならんのだ。出来るだけ危険はない方がいいのだがな…。胃が痛くなる。


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