表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

12話 イルム戦、そして

 そして、何日か依頼をこなした後、イルムの居場所を突き止めるべく僕らはムライの町外れに集まった。


 僕はリッチの砂を取り出して魔力感知を行った。


 どうやら魔力の元はここから見て東の方ににある山から感じられる。


「あの山から魔力が感じられるね」


「じゃあ、一度行ってみましょう」


 とクレア。


「いや、情報収集してからにしよう」


 とアイリス。

  

 ここはアイリスの意見を取って冒険者ギルドで情報収集をすることにした。


 冒険者ギルドで情報収集をしてみると、あの山はクレタ山と呼ばれる。不気味な山で、あまり人が近付かないらしい。


 僕達はクレタ山に行ってみることにした。徒歩でも数日あれば着くだろう。


「それでイルムとかいう奴をやっつけるんだな」


 アイリスの言葉に少し僕は考えた。


 ドリスが行ったイルムへの仕打ちはかなり酷いものだ。できれば謝ってすめばいいのになと考えた。


 そしてイルム山の麓に着いた。


 僕達はイルム山を一周して様子を見てみることにした。


 すると、山に魔法で隠されていた扉があった。たとえ魔法で隠されていても、僕にはすぐに見つけられる。どうやら中に入れそうだ。


「クレア、どうする? 」


「入ってみるしかないでしょ」


 僕は扉を開けて中に入ることにした。


 扉の中は下の階段があり、僕達はその階段を降りて行った。


 随分降りたのだろうか、行き止まりにはまた扉があった。


「これも開けるしかないね」


 僕は扉を開けて中に入った。


 扉の中には椅子に座った男がいた。その両脇にはリッチがいた。さらにスケルトンが大量にたたずんでいた。


「誰だ、この入り口は魔法で隠していたはず」


 そう言った男はイルムであった。


「はじめまして、僕はニコル。あなたと話し合いに来たんだ」


「お前がニコルか……リッチが世話になったようだな」


 どうやらリッチを倒した事はわかっているようだ。


「お前がドリスなのだろう? ドリスの雰囲気が少しある。ドリスにはかつて苦汁を舐めさせられた。八つ裂きにしても腹の虫がおさまらん」


 そう言うとイルムは立ち上がった。


「ドリスはもう僕の記憶の中に封印されています。どうでしょう、今までのことは水に流してくれませんか? 」


「流せるわけがないだろう。今、ここにたどり着くまでに、どれだけの苦痛を味わったことか」


 どうやら話し合いの通じる相手ではなさそうだ。


「……ドリスよ、お前程度の者がこの私を倒せるとでも思ったか? 」


 僕の意思は勝手に喋り出した。


「その体では満足に魔法も唱えられまい。それに私はあの時の私ではない。数万年におよぶ孤独の中で自分の魔力を磨き続けたのだ」


「ふん、凡才がどれほど努力しても大したことはない」


 僕の意識が勝手に喋ったことによって戦いは避けられそうにない。


 僕は魔法陣を展開してみんなに『鉄壁』を5重にかけ、さらに『疾風』をかけた。


 ガルも元のフェンリルの大きさに戻った。


「むむむ、さすがはドリス、これは手こずりそうだ」


 そして僕は全開で『エクスプロード』の魔法を唱えた。


 イルムは『煉獄の炎』を二人のリッチはともに『エクスプロード』を唱えた。


 イルム達の魔法は僕の『エクスプロード』で相殺でき、残りも『鉄壁』で防ぐことができた。


 その隙にクレア、アイリス、ガルで向けってくるスケルトンとリッチを倒した。


「あとはお前だけだぞ、イルム」


「ふふふ、確かにお前達の力は認めよう。しかし、まだ私は本当の力を出してはいない」


 イルムはそう言うと先ほどの数倍の『煉獄の炎』を出そうとした。


 この魔法は僕では防ぎきれない。僕はドリスの力を解放することにした。それしかみんなを守ことができない。


「ククク、小僧め、ようやく私を解放したな。この程度の魔法、私にとってたいしたものではない」


 僕を支配したドリスはイルムの数倍の『煉獄の炎』を唱えた。


「くそ、おのれドリスめ……」


 そう言ってイルムは『煉獄の炎』に焼かれて消えて行った。


「口程にもないな」


 僕を支配したドリスは言った。


 僕は自分を取り戻さなければならない。ドリスの意識に勝負を挑んだ。


「まだ抗うと言うのか、小僧は。しかし、ううう……」


 僕を支配したドリスは頭を抱えてうずくまった。


 そして僕とドリスの戦いが始まった。一度表に出たためにドリスの意識は強い。


 そうして膠着状態になっていると、なんだか暖かい気持ちが僕を包んでいた。


 そして僕の意識はどんどん強くなり、ドリスの意識を圧倒していった。


 そしてついにドリスの意識を封じ込めることに成功した。


 気がつくと3人が僕に抱きついていた。


「ニコル、負けないで」


「ドリスなんかに負けるんじゃねえ」


「ニコル、いなくならないで」


 どうやらあの時感じた暖かい気持ちは彼女達の想いだったのだろう。


「ありがとうみんな、どうやら戻ってこれたよ」


「良かった、ニコル」


「心配したぞニコル」


「良かったです」


 こうして自分の体を取り戻した僕は、クレア、アイリス、シャルとガルとでまた冒険を続けるのだ。


「しかし小僧、死ぬまでに転生の魔道具だけは作ってもらうからな」


 かすかに残ったドリスの意識がそう言った気がする。


〜完〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ