序章「ネオン街ととんこつラーメンバリカタ」13
大体彼女はリンカーの経験が全くないのだ。それではいくら強力なリンクストーンを持っていても意味がない。
はっきり言って足手まといだ。
そればかりか危険極まりない。
しかし、リアは譲らない。
「ならば、しばらくあなたについていきます」
「はぁ?」
まあ、幸良が言うのも無理はない。
「あのな、どういう理由でそうなるんだよ」
リアは腕を組んでうーんと唸る。
その姿がなんというか子供っぽくて可愛いと感じてしまった。
いかんいかん、そういうものに流されては……。
「そうですね。強いて言うならベッキーに興味が湧きました」
「お、それってこいつに惚れたってことかい?」
「いえ、それはないです」
きっぱり言った。
別にそういう気もないのでいいのだが、こうも清々しく言われるとなんだか悲しくなってしまう……。
「スキルを斬った刀。そしてそれを扱う雷のスキルホルダー。非常に興味深いです!」
眼をキラキラさせて幸良を見る。
「なんじゃそりゃ」
「やっぱり、最高のリンカーになるにはすごいスキルホルダーの元にいるのが一番ですから!」
拳をぎゅっと握って口元に寄せる。なんともあざとい。
「待て待て、ならそんな理由で俺の手伝いをするというのか?」
「それだけでしたら、不満なのですか?」
「いや、不満とかそういうわけじゃなかとさ」
危ない。ただそれだけだ。
まあ後は、そんなぽわっとした理由で危険に身を投じる必要もないと思うのだ。
「うーん、困りましたねえ」
別にワガママを言っているつもりは毛頭ないのだが、なんだかイラッとした。
リアはぽんと手をうつ。
「ベッキーは今現在は一人暮らしなのですか?」
「まあ、そうだな。両親おらんし、貯金とかそこら辺で今は生活しよる」
幸いにも幸良の両親はしっかりしており、貯金も彼が高校を卒業する程度には残されており、それにプラスして生命保険のそれがあったりと一応生活には困っていない。
もちろん、彼自身もそれに甘えることなく、ソロプレイヤーとして様々なトラブル解決を行い、少額だが報酬金も受け取っている。
強いて言うなら食事ぐらいだ。
大半がコンビニ弁当だったりカップ麺だったり、後は屋台だったりとお世辞にも身体に良い食事をしているとは言いがたい。
「そうなのですね。分かりました!」
「何がわかっとや?」
そろそろ疲れてきた幸良はぶっきらぼうに尋ねる。
しかし、リアは気にする様子でもなく幸良の方を向くとにっこりと笑った。
「私の家で暮らすというのはどうでしょうか?」
久しぶりです。
また復活します




