純のケンカ
"協力はするよ"
純さんが心配だ
滝は賛同してくれたけど、純さんもなにか考えがあるんだろうか
その夜、俺は胸騒ぎが止まらなかった
「純さん…」
なんとなく、携帯を傍に離さなかった
薄暗い夜、その日は雨だった
「…この場所に来るのも久しぶりだな」
純は前にいたヤンキー時代、隠れ家として使っていた跡地を訪れていた
「さすがに今じゃ、誰もいないか…」
<挿絵>
するとひたひた、足音が聞こえた
「おや、久しぶりだな、"荒井純"」
「!!?」
その男はかつて純と戦っていたライバルのメンバーだった
「お前は…!?」
「ああ、"光崎 雅則"だ」
純と同じぐらいの背丈、高身長で純と同じ黒い特攻服、落ち着いた黒い短髪の男だった
「光崎…!!」
「なんだ、こんな場所へ来て お前はこんなとこにいる場合じゃねえだろ?」
「!!」
「それとも、また俺たちんとこに戻りてえか?やめとけ、とっくに解散している」
純は下に顔をうつむき考えた
「俺は… 気を引き締めたくてここにきた」
「ほう?」
「今俺は、大切な人を守らなきゃいけない立場にいる。そんな時に、仲間を"大嫌い"な奴だと言っちまった… 」
ヤンキー時代、かなり搾られたと言っていた純
ルールに縛られた時代を、俺はよく知らない
「純、お前はどうしたいんだ」
ザァーーー
雨が更に強まる
空地が更に濡れていく
「俺と喧嘩してくれ光崎 気を引き締めるために!!」
「純…!?」
「こんな今の気持ちじゃ…俺はダメだ!!」
その頃、能力者施設にいた滝は外をふと眺めていた
「…雨が強くなってきたな」
(純、決心が固まるといいんだが…)
すると、滝の携帯から着信が入った
「もしもし?」
出張中の翔からだった
『滝さん!!今私そっちに向かうとこなんだけど、純さんが大変なんだ!』
「どうした?」
『純さんが何者かと喧嘩してる!!』
「何!?」
(そんな場合じゃねえだろうが!! 司令官が一大事だってのに!! )
「くそっ!!」
滝は急いで走り出し、司令官室にあるベルを鳴らした
「純!!お前、正気か!?」
雨は降り続いている
2人は向き合っていた
「戦ってくれ…俺と!!」
傘を投げ出し、既に純は構えていた
「フン… その大切な人が心配するだろうなあ、いくぞ!!」
「純さん…!?」
警報ベルを聞いて走ったしぐれが見た光景は、既に2人が戦っている光景だった
(なんで戦ってるんだ!?今はそんな場合じゃ…!?)
「純さん、落ち着いて!!」
しぐれは強引に2人の輪に入って喧嘩を止めた
「しぐれ…!?」
雨は知らないうちにやんでいた
雨が止んだころ、2人はボロボロだった
「はぁ、はぁ…ったく、この歳になって喧嘩なんて考えてもなかったよ」
2人は地べたに横たわった
光崎は手のひらを見つめながら話す
「あなたは…?」
「こいつは誰だよ、純」
「ああ、俺のダチさ」
「木乃原しぐれ、です」
光崎は少し微笑んで、
「しぐれ、か 純は…普段はいい奴だが、真面目すぎるから」
「お、おい!」
光崎はしぐれの肩を触り
「大切な人、お前たちで守れるといいな」
純としぐれは新たに決心を固めた
「ありがとう…光崎…」
そして、智嬉が攫われて2日がたち異次元への出発の時間が近づく
「いくぞ、もう、後戻りはできない」
純、滝、しぐれ、翔、れなを集めて
異次元へテレポートで向かった




