↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソラにいるキミに……  作者: コーキ
28/48

27話 ライバル?……

「ね、新城さんってどんな人? 」


 一昔前の少女漫画に出てきそうなキラキラの目をした沙弥花が、私の袖を小さくつまみながら聞いてくる。


「あのね、新城さんには大事な人いるよ? 」


「そうでしょうね。 大人の男性だもん、一人や二人いるもんじゃない 」


 おぉ…… なんてポジティブな捉え方。 でも大人だからってそんなことはないと思うけど。


「でも大事な人、って言い方するところを見ると、結婚してるとか彼女がいるんじゃないんでしょ? 」


 鋭い…… 障害がある方が燃えるタイプなんですかあなたは。 なんて感心してる場合じゃない!


「で、でも新城さんにとって私達はまだ子供じゃないかなー、なんて…… 」


「遥、あの人が傍にいてほしいとか思わないの? 」


 言い返せなくなってしまった。 傍にいたらなんて、あの家にいる時にどれだけ思ったかわからない。 なんだ…… 私もちゃんと恋愛してるじゃん…… 


「ダメでもともと。 その気持ちを押し込めてくすぶってるより、ぶつかって砕けた方が後悔しないでしょ? 私はそう思うんだけど 」


「…… スゴいよね沙弥花は 」


「…… どうしたの? 突然 」


 目をパチパチさせて沙弥花は何を言っているのか分からないという表情だ。


「ううん…… 勇気あるよね 」


「…… 違うよ。 ワガママなだけ 」


 沙弥花はエヘヘと笑う。 八方美人なのかと思ってたけど、本当は芯が強い人なんだ。


  カラン カラン


「いらっしゃいませ…… あ、佳さん! 」


 浜松さんの言葉に反射的に出入り口を見る。 仕事帰りの佳さんがちょっと疲れた顔でお店に入ってきたところだった。 店内をチラッと見回して私に気付き、手を振ってくれる。


「来てたんだ。 じゃあここで夕飯済ませちゃおうか 」


「はい。 あの佳さん、仕事大変だったんですか? 」


「ダイジョブダイジョブ。 私まだ新人だからさ、毎日がこんなもんだよ。 友達? ゆっくりしてていいからね 」


 そう言うと佳さんはカウンター席の端に座る。 


「お、佳。 今日はまた一段とやられた顔してんな 」


 苦笑いしている佳さんは、厨房から顔を出した新城さんと話していた。


「あの人が新城さんの大事な人? 」


 私が頷くと、沙弥花は呆けたように半開きの口で二人の様子を見ていた。


「丸ノ内佳さん。 厳しいけど優しくて、頼りになるお姉さんって感じの人だよ 」


「…… キレイな人だね 」


 沙弥花はゆっくりと立ち上がり、食べかけのパフェを持って佳さんに近づいていく。


「ち、ちょっと沙弥花! 」


 私の呼び止める声に、沙弥花は振り向いて笑顔でウインクする。 任せなさいと言わんばかりの笑顔だけど何する気なのよ!?


「沙弥花ちゃんグイグイいくね 」


 日向と香織と一緒に様子を見ていると、新城さんはちょっと引いてる感じだがなんか雰囲気よく話してる。 そのうち小野さんまで会話に加わり、大きな笑い声まで聞こえてきた。


「やるね沙弥花。 もう打ち解けてるよ 」


 覗き見ながら香織がしみじみと言う。 ちょっとふてくされてるのは、小野さんと笑って話してるのにヤキモチを妬いてるのかも。


 あれ? なんか沙弥花が興奮し始めてる…… 私の方を向いて目を丸くしてる…… あ、佳さんが苦笑いした…… 嫌な予感。


「遥、ちょっとゆっくり(・・・・)話聞かせて貰いましょうか 」


 戻ってきた沙弥花の後ろには、ゴメンナサイと両手を合わせて謝る佳さんがついてきていた。

    

 



 日向と香織は夕食前に帰宅すると言ってお店で別れ、私と佳さんと沙弥花はハンバーグセットを向かい合って頂いている。 熱々の肉厚のハンバーグはフォークを刺した瞬間肉汁が溢れ、ふんわりした食感と甘味のあるお肉がとても美味しい。 そしてこのデミグラスソースがまた美味しく、酸味の少ないまろやかな風味にバターのコクがいい。 溢れた肉汁とデミグラスソースが合わさった汁が、付け合わせのキャベツに染みてこれがまた美味しい。


「美味しいでしょ、ここのイチオシメニューだよ 」


「はい! ボリュームあってこんな肉汁のスゴいの初めてです! 」


 喜ぶ私達を見て佳さんも笑顔になる。 食べきれるか不安な量だったけど、どんどん箸がすすんでキャベツまで綺麗に平らげてしまった。


「佳さんと新城さんってどういう関係なんですか? 」


 食後一発目、沙弥花は佳さんに直球で質問を投げ掛ける。


「どういう関係と言われてもねぇ…… 高校の同級生、よくつるんでた仲間。 まぁ腐れ縁ってヤツかな 」


 フーンと沙弥花は佳さんの様子をうかがいながら食後のコーヒーに口をつけている。 次に何を言い出すか私は気が気でない。


「…… アイツが気になる? 」


「はい、カッコいいなって思いますから 」


 沙弥花ストレートすぎ…… 面食らっていた佳さんはクスクスと笑いだした。


「正直な子だねぇ。 アイツモテる方じゃないから泣いて喜ぶかも。 アタックしてみたら? 」


 あっけらかんと佳さんはそんなことを言う。 


「ちょっ!? 佳さんまでそんなことを…… 」


 そうこう言っている間に沙弥花は厨房に足を向けていた。 佳さんを見ると平然とコーヒーを飲んで…… いや、平然を装ってるけど冷や汗かいてるじゃないですか!?  なんかややこしいことになっちゃった……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。