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ソラにいるキミに……  作者: コーキ
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21話 思わぬ来店……

 あんぐり大口を開けて固まる遥。 それを窓ガラスに張り付いて睨め付ける二人の女子高校生。 佐々木日向と成瀬香織だ。


 目があった彼女達は駆け込むように店内に入ってきて遥に詰め寄った。


「遥! なんでここに来てるのよ! 親の用事だったんじゃないの? 」


「ハルちゃんズルい! パフェまで食べてる! 」


「あ…… はは…… ゴメンね、親の用事は本当なんだけど 」


 遥はそう言うが、大口を開けて嬉しそうにパフェを頬張ろうとしていては説得力がない。


「てっきりまたヤバいことになってるんじゃないかって思ってたけど、パフェってどういう事よ遥! 」


「いやあの、これはたまたまで…… 」


「あのーお客さん、店内で大声出すのは止めてくれませんかね? 」


 見かねた司が日向の後ろから見下ろすように睨め付けていた。 少しドスの聞いた声に彼女達はビックリして振り向く。


「ご、ごめんなさい! 」


 二人揃ってペコペコと頭を下げる二人を庇うように遥が席を立って一緒に頭を下げる。


「ごめんなさい、友達なんです! 私が二人の誘いを断ってここに来たのが悪いんです! だから…… 」


「まあその辺でいいんじゃないか、司? 他のお客さんも笑ってるぞ 」


 厨房から出てきた孝太が司の横に並んでなだめる。 司はため息を残し孝太と一緒に厨房に下がっていったが、その姿を日向と香織はポェーと見つめていた。


「良かったら一緒にどうかしら? 」


 その場に立ち尽くす3人の女子高校生の背中に陽子が声を掛ける。


「お、沖野さん!? 」


 相席と聞いて遥は目を見開く。


「友達の証言って大事よ? 私もお話を聞いておきたいわ 」


「え? いいんですか? ハルちゃん、こちらは? 」


「…… 弁護士の沖野さん 」


 浮かない顔で答える遥を前に、日向と香織が揃って大声を上げる。


「べ…… 弁もぐっ! 」


 遥はすかさず両手で二人の口を塞いだ。





 陽子は雑談を交えながら、日向と香織に普段の遥の様子を聞き込む。 その会話の内容を別のノートに細かく記録し、家庭裁判所への資料にするようだ。


「お二人ともご協力ありがとう。 いいお話を聞けたわ 」


 陽子は筆記用具をバッグにしまうと、半分残っていたパフェを平らげて席を立つ。


「それじゃ、私はこれで。 明日は土曜日だから…… 来週の月曜日には書類を提出しておくから、新城君に連絡をしておくわね 」


「は、はい! よろしくお願いします 」 


 ペコッと頭を下げる遥に、陽子はニコッと笑顔で返した。


「ちゃんと貴女を見てくれている友達がいるじゃない。 羨ましいわ。 これから頑張っていきましょうね 」


 そう言って陽子は遥達に手を振り背を向ける。


「夕飯は食べていかないのかい? 」


 レジで日向と香織の分のパフェ代を払おうとした陽子に、琢磨が他の客から見えないよう手を振る。


「そうしたいけど、息子に晩御飯作ってあげなきゃ。 また今度ゆっくり来るわ 」


「そっか、是非食べにおいでよ。 ウチの二人が作るものはどれも美味しいから 」


 陽子はフフッと無邪気に笑う。


「僕が作る…… とは言わないのね 」


「僕は味音痴だからね 」


「あの、沖野さん。 藤堂さんをよろしくお願いします 」


 レジを挟んで笑い合っていた二人に、孝太が厨房から出てきて声をかけた。


「月曜日に連絡するわ。 保全処分がどうなるか分からないけど、その時はお願いね 」


 笑顔で1つ手を振って陽子は去って行った。 見送る孝太の背中を琢磨は優しく叩く。


「心配しなくても大丈夫だよ。 彼女は必ず結果を出す人だから 」


「店長、沖野さんとは…… 」


「さぁ仕事仕事! 」


 孝太の言葉を遮って琢磨は厨房に消えていく。 孝太が遥達のボックス席に目をやると、時折レジの方をチラチラと見ながら話に花が咲いているようだった。


「ハンバーグ定食2つ入りまーす 」


 瑠依の元気なオーダーに孝太はすぐに厨房に戻っていった。


「…… あの人カッコいいかも 」


 日向は厨房に入っていく孝太をチラ見しながら、ヒソヒソと香織と遥に話始める。


「私はさっき怒ってたお兄さんの方が好みだなぁ。 遥は? 」


「え? 二人ともカッコいいとは思うけど。 でも小野さんは彼女いるし、新城さんも特別な人いるし…… 」


「なんでそんなことまで知ってるのよ? 」


 モゴモゴと語尾が聞き取れなくなる遥に二人は詰め寄る。


「特別な人って、まさかハルちゃん? 」


「ち、違うよぉ! 」


 突然の大声に、司がカウンターから睨みを利かせる。 3人はペコペコと頭を下げて司に謝りつつも、明るい雑談は夕飯時まで続いた。

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