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ジト目の元カノに言い訳をした

終わりです。


高評価なら連載します。


ですがその際は十万文字を書くため時間を頂きます。



連載して欲しい人が居たなら感想にその旨書いてください。


後は評価ポイントを入れて頂ければ更に頑張ります。


というか切実。

「ジト~~」

「あのう~~吉良さん?」

「他人行儀なんですけど江戸さん?」

「あ~~分かった祥子」

「じゃあ私も薫さんと言いますね」


 元カノのジト目に耐えられない。

 あの後玄関では何だしという訳で久しぶりに家に上がってもらった。

 両親が死んだ後、暫く同棲していたのだ。

 理由は簡単塞ぎこんでいた自分が見ていられなかったそうだ。

 そんでもって押しかけ女房……ではなく押しかけ恋人になり同棲していたという訳だ。

 何で此奴グイグイ迫ってくるのか分からないが。

 といっても僅か一ヶ月で破綻したが。

 その時の名残で着替えやら歯ブラシなどが未だに有るわけだ。

 そして別れた理由も同じという訳だ。


 いや祥子さん。

  

 何で別れた元カレの家に今でも遊びに来るのか分からないんですけど。

 二十代の女性がそれでいいのか問いたい。



 貴方が類まれなる幸運の持ち主だという事は分かる。

 何度も高額の宝くじを当てたからだ。

 でも自分が貴方を襲わないという保証はないからな。

しかも元自分が勤めていた会社だが近いうちに倒産する上に自分が冤罪で捕まると聞いた時は正気を疑った。


 実際倒産したが。


 しかも運が良いことに自分がスケープゴートにされずにだ。

 その前に辞めたから逃れられた。

 詳しいことは分からないけど前の会社は何やら後ろ暗いことをしていたらしい。

 そのスケープゴートに自分が選ばれたらしいが何故か幸運にも難を逃れたらしい。

 後で事情聴取に来た警察にそう聞いた。


 この元後輩に事情を聴いてみたが上手い具合にはぐらかされたのは良い思い出だ。

 

 それより謎なのは異常なまでに自分に懐いた元後輩の存在だ。

 何で他の新人と一緒に入社した時自分だけ誰からも構ってくれなかったからって世話をした元先輩に懐いたのか分からない。


 まあいい。

 今更聞いたところで又はぐらかされるだろう。


 頂いた鍋の中身。


 カレーを夕飯で三人で食べた後に元後輩は先程の事を尋ねてきた。

 何であんな奇行をしたのかと。

 それでありのままを伝えたのだ。

 全部。

 そうしたらこうなりました。


 というか普通は夕飯の前に聞かないかな?


「旨かった~~」


 自称猫神は御腹を膨らませ寝転がってる。

というか化け猫。

 何でシーフードカレーを食べる?

 烏賊が大量に入ってたんだが平気なのか?

 

「それで何ですか? ふざけてるんですか? 捨て猫と思ったら神様だったって」

「あ~~やっぱりだよな~~信じないよな」

「というのが普通なんですけど信じます」

「はい?」

 

 そんな祥子の言葉に目を丸くする。


「いや……あれを見れば信じますよ」

「あ~~」

「まあ……信じるに足る理由は他にも有るんですが……」

「はい?」

「いえ」


 祥子が指さした先に目を向けると猫神が今度はゲームの準備をして遊んでいた。



「いけえっ!」


 などと言いながら格闘ゲームをやってる。

 何で此奴先程もだけど短時間で的確に物を探し出せるんだろう?

 自称神というだけの事は有るか。

 というかテレビの音を出さない配慮とかしてるけど御前幾ら何でも図々しいぞ。


「因みに祥子」

「何です?」

「お前さんの目にはどう映ってる?」

「猫パンチで遊んでる様にみえます」

「そうかい」

 

 ゲンナリしつつ自称猫神に近づくと無造作に頭に手をかける。


「ああっ! 良いところなのにっ!」

「何・を・やってるんだ?」

「あ…はっはっはっ~~遊んでます」


 自分の言葉に顔を青ざめる自称猫神。


「出てけっ!」

「いやあああっ! 何で其処の座敷童は良くて私は駄目なのっ!」

「はあ?」

「幾ら私が神としての仕事をしないで遊んでたからって罰として最高神から現世に置き去りされ棄てられたのに~~」

「はああ?」

「寄生させてよ~~養ってよ~~」

「待てっ! 今なんて言った?」

「え? 何のこと?」

 

 自分の言葉にキョトンとする猫神。


「祥子が座敷童って言ったろ!?」

「はい?」


 祥子を指さしながら猫神に詰め寄る。

 祥子はというと頭を抱えていた。

 意味が分からない。


「座敷童じゃないの~~普通の人は私の姿は見えないよ? 例え猫の姿でもね」

「自分はっ!?」

「人間だけど波長が合ったから見えるの」

「じゃあっ! 何で祥子は猫の姿でしか見えないの?」

「神格が低い者だと猫の姿にしか見えないんだけど……」

「嘘だっ!?」

「思い出してみてよ私にキャットフード(・・・・・・)をくれたんだよ」

「あ……そういえば……」


 確かに見えていなければキャットフードをやれない。

 仮にも神と呼ばれる者が此奴の言う通りなら誰にも見えるはずが無いのだ。

 その事実に頭が痛くなった。


「あ~~祥子……本当なの?」

「……うん」


 祥子の方を見たら観念したみたいだ。


「なあ~~何で自分と付き合ってくれたんだ?」

「初めて会った時の事を覚えてる?」

「まあ~~」

「初めてだったの自分の事が見えた人は」

「そうか」

「嬉しかった~~幾ら座敷童の仕事で家に憑き繁栄させるのが仕事と言っても誰にも話しかけられないのは」

「そうか……でも御前が憑いていたのって前の会社の社長?」

「うん」

「そうか……いや……待て確かあの会社倒産したぞ。御前が憑いてたのに」

「簡単な話し。後ろ暗い手段でも儲けた上にその罪を貴方に擦り付けようとしたから」

「ああ」

「其処であの社長から離れて貴方に憑いたの」

「今度は自分に?」

「そう気が付いてない? この就職氷河期に物凄く良い条件で仕事につけた事に」

「いや不思議だな~~と思ってたけど……そうか君の御蔭か? でも何で別れたんだ?」

「あまり憑きすぎると今度はその人が過剰な幸運で堕落するから。前の会社の社長みたいに」

「そうか」

「御免ね。貴方をそんな風にしたくなかったの」

「いいや許さない」

 

 自分の言葉に委縮する祥子。


「だから今度は座敷童としてではなく祥子として一緒にいてくれ」

「……グスッ……うん」


 自然に自分達は抱きついた。

 嬉しかった。

 新しい家族が出来たことに。

 そして申し訳なかった。


 一時期彼女に当たり散らした事に。



 辺りが静かになり自分達がすすり泣く声が響く。












「いや~~めでたいな~~此れで安心して私が此処に寄生出来るな~~」


 ……筈もなく猫神の無神経な言葉に全てがぶち壊された。


「「取り敢えず出てけっ!」」


 自分と祥子の怒声が重なった。


「嫌あああっ! 養ってよ寄生させてよ」


 猫神の悲鳴が上がるが無視したのは言うまでもない。


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