第2話
泣いている顔をはるに見られるのは嫌だったけど、涙を止めることはできなかった。
だけど、はるはそんなりんの思いがわかったのか、(ただの偶然なのかもしれないけど)顔を上に動かして、光の紐の先を見るようにして、りんの泣いている顔を見るのをやめてくれた。
りんが自分の形がへんてこだって思ったことはいつのことだっただろう?
もちろんおんなじ形をしている人はいないし、みんなそれぞれに個性があって、違っていていいんだけど、『それは顔や体の形のことで、心はみんなだいたいおんなじような形をしているのかな』ってりんは思っていた。
でも、だんだんと大きくなっていくとそうじゃないのかもしれないって思うようになった。
みんな顔や体の形が違っているみたいに心だってその形が違っているのかもしれないって思うようになった。
友達のみんなやはるやお父さんやお母さんの心がみんな違っているみたいに、私の心も違った形をしているんだって思った。
でも、心は顔や体と違って『目には見えないから』どんな形をしているのかはよくわからなかった。(みんなそうなんだと思うけど、わたしも自分の心がどんな形をしているのかよくわかっていなかった。鏡を見ても、心は映ったりしなかったし)
りんが自分の心はみんなとは違っているんじゃないかって、そう思ったのが大きくなってからだったのは、きっと心が目には見えないからだと思った。
心の形はみんなそれぞれ違っている。それはわかっていたのだけど、『私の心はどこか変なんじゃないか』って思うようになった。
心の形がへんこてな形をしている。
へんてこな形をしていてもいいんだけど、思っていたよりもずっと、私の心はへんてこな形をしていて、みんなとはだいぶ心の形が違っているんだって、りんは小学校の六年生くらいのときに思うようになった。
その日から、りんはなるべく自分の心を誰にも見られないように隠すようになった。そしてなるべくみんなの真似をして、へんなことをしないようにして、自分の心の形がみんなと違ってへんてこだって、気が付かれないようにしようと思うようになったのだった。
……、でも、はるはりんは変じゃないよって言ってくれたんだ。
はる。私、はるのこと大好き。世界で一番大好きだよ。




