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もういない子だれだ  作者: 相生


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13-5

数時間後、健一は博士の家を出ようとしていた。背後では、博士が全ての機器を物理的に破壊している音が響いている。ハンマーで叩き壊す音、回路を引きちぎる音。15年間の研究成果が、完全に消滅していく。


「博士、本当にいいんですか?」健一は振り返った。

「もちろんだ」博士は汗を拭いながら答えた。「これが妻との約束を果たす最後の行為だ。愛する人たちとの思い出を永遠に残すこと。それはもう達成された。君の心の中に、彼らは永遠に生き続ける」

健一は深く頷いた。確かに、友人たちは健一の心の中で永遠に生き続けるだろう。


「それに」博士は微笑んだ。「彼らから学んだことがある。真の愛は手放すことだと。私も、この技術を手放す時が来た」

健一は博士と固い握手を交わした。

「ありがとうございました、先生。友人たちとの再会を叶えてくださって」

「こちらこそ、ありがとう。君のおかげで、彼らは真の愛を学ぶことができた」


健一は博士の家を後にした。外は明るい光に満ちていた。新しい一日、新しい人生の始まりだった。

歩きながら、健一は友人たちとの約束を思い出した。人生を大切に生きること。たくさん笑い、たくさん愛し、たくさん幸せになること。美しいものを見つけること。正しい道を歩き続けること。そして、いつか本当に愛する人に出会ったら、素直になること。


「ありがとう、皆」健一は空に向かってつぶやいた。「君たちの愛を、絶対に無駄にしない」

空には雲一つない青空が広がっていた。まるで、友人たちが見守ってくれているかのように。

健一は新しい人生に向かって、力強く歩き続けた。愛する友人たちの記憶と、彼らから受け継いだ愛を胸に。

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