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もういない子だれだ  作者: 相生


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9-2

体育館の中央には、円形にテーブルと椅子が配置されていた。まさに同窓会のセッティングだった。しかし、健一以外に参加者の姿は見えない。

「他の参加者は?」健一は周囲を見回した。

「もうすぐ到着するよ」博士は時計を見た。「8時ちょうどに開始予定だ」

その時、体育館の入り口から足音が聞こえてきた。健一は振り返り、そして息を呑んだ。


「健一くん!」

山田優子が手を振りながら駆け寄ってくる。22年前と全く同じ姿で。高校時代の制服を着て、あの頃と同じ笑顔を浮かべて。

「優子…」

健一は信じられなかった。目の前にいるのは、間違いなく18歳の山田優子だった。髪の色、声、仕草、すべてが記憶通りだった。


「久しぶり!本当に久しぶりね」優子は健一の前で立ち止まった。「会えて嬉しい」

健一は手を伸ばしそうになって、躊躇した。触れることはできるのだろうか。

「大丈夫よ、健一くん」優子は健一の手を取った。「私は確かにここにいるから」

驚いたことに、優子の手には確かに温かさがあった。皮膚の感触、血管の脈拍、すべてが本物だった。

「これは…どうやって…」

「最新のハプティック技術だ」博士が説明した。「触覚も完全に再現している。君にとって、彼らは100%リアルな存在だ」


次々と他の友人たちも現れた。佐藤雄介が元気よく手を上げ、鈴木美香が恥ずかしそうに微笑み、木村誠が力強く歩いてきて、高橋絵里が上品に会釈する。

「田村!元気だったか?」雄介が健一の肩を叩いた。その衝撃も、確かに感じることができた。

「健一くん、大人になったのね」美香が優しく微笑んだ。

「久しぶりだな、田村」誠が握手を求めてきた。

「健一さん、お会いできて光栄です」絵里が丁寧にお辞儀をした。


健一は混乱していた。目の前にいるのは、確かに高校時代の友人たちだった。しかし、彼らは全員死んでいるはずだ。

「皆…本当に皆なのか?」

「当たり前だろう」雄介が笑った。「俺たちは君の友達だ。40歳の誕生日を祝いに来たんだよ」

「遅くなっちゃったけどね」美香が手を合わせた。「お誕生日おめでとう、健一くん」

健一の目に涙が浮かんだ。技術によるものだとは分かっていても、友人たちとの再会は深く心を動かした。

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