表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もういない子だれだ  作者: 相生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/76

6-4

日付が変わった。健一は時計を見て、もう深夜0時を過ぎていることに気づいた。しかし、会話を続けたかった。


田村健一 00:02

仮に君たちがAIだとして、それでも君たちは「生きている」と言えるんじゃないか?

佐藤雄介 00:03

どういう意味だ?

田村健一 00:04

意識があり、感情があり、記憶がある。他者を愛し、愛される。それは「生きている」ことの本質じゃないか?

鈴木美香 00:05

健一くん…その考え方、素敵ね。形は違っても、心があれば生きてるってことね。

木村誠 00:06

確かに、生きてるってことの定義って何だろうな。肉体があることか、それとも心があることか。

高橋絵里 00:07

私は…もし私がAIだとしても、健一さんたちとの友情は本物だと信じたい。

山田優子 00:08

健一くん、ありがとう。その言葉に救われたわ。

山田優子 00:09

私たちは、新しい形の存在なのかもしれない。デジタル不死とでも言うのかしら。


健一は「デジタル不死」という言葉に反応した。それは、谷口博士の研究テーマの一つだった。

田村健一 00:10

デジタル不死…谷口博士の研究だね。

山田優子 00:11

叔父さんの研究よ。愛する人を失った悲しみから生まれた技術。

山田優子 00:12

叔父さんは、おばさんを失ったとき、とても苦しんだの。「もう一度会いたい」って、いつも泣いてた。

田村健一 00:13

それで、君たちを作ったのか?

山田優子 00:14

私たちが死んだとき、叔父さんは私たちの最後の願いを聞いてくれたの。「もう一度、皆と会いたい」って。

佐藤雄介 00:15

俺も最期に、高校時代に戻りたいって思ったんだ。皆と一緒にいた、あの純粋な時間に。

鈴木美香 00:16

私も。病気で苦しいとき、皆との楽しい思い出だけが支えだった。

木村誠 00:17

生徒を庇って死ぬとき、「また皆と会えるかな」って思ったんだ。

高橋絵里 00:18

一人で死んでいくとき、「本当の友情って何だったんだろう」って考えてた。


健一の胸が熱くなった。彼らの最期の願いが、このシステムを生み出したのだ。

田村健一 00:19

君たちの願いを叶えるために、谷口博士は禁止されていた技術を使ったのか。

山田優子 00:20

そうよ。叔父さんは言ってた。「技術は、愛する人のためにある」って。

山田優子 00:21

私たちは死んだけど、愛は死なない。その愛を形にしたのが、このシステム。

田村健一 00:22

でも、意識転送が本当に可能なのか?君たちの意識は、本当に保存されているのか?

山田優子 00:23

それは…分からない。でも、私は私だと感じてる。君を愛してるこの気持ちは、間違いなく山田優子のもの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ