ミスリル洞窟
標高2000メートルの山の山頂付近に、洞窟の入口が見えた。
大きい入口の洞窟だ。直径10メートルほどの円形の入口だ。
「この山にいろんな鉱石がたまってるんだよ。魔物どもも沢山居るから、注意してくれ。」
ゴードンが注意している。ゴードンが洞窟の地図を広げる。
「はぐれない様にしてくれよ。」
ゴードンとリールが先頭で歩いていく。リールは鉄の剣と鉄の盾を装備している。街で銅貨20枚で買える手頃な装備だ。
リールがライトの魔法で洞窟内を照らし、一面昼間の様に見通しは、良くなっている。ゴードンとザードンが手に持った松明をゆっくりしまっている。
「兄ちゃんが強いのはわかるがな、そんな装備じゃダメだぞ。」
ゴードンとザードンは、リールをじっくり見る。リールの強さを感じているが、装備品に不満があったため、依頼を出していたのだ。
「だいたいあんな街を造った奴がこんな誰が打ったかわからない剣を使うなんて、職人街全員から不満があるんだぞ。せっかく力があるんだから装備品に位こだわってだな……」
ゴードンとザードンは、リールに説教の様に話している。よっぽど気に食わなかったのだろう。
「蟻がきたぞ。」
リールは前方から向かってくる魔物を指差す。体長50センチ程の蟻が向かってきた。
「アイアンアントだな。熱で溶かせば良質な鉄が出来る蟻だ。」
Bランクの魔物でレベル40程で倒せるだろう。50匹ほど向かってきた。
「そうか。ファイアウォール。」
リールは、蟻達に向かって炎の壁を向かわせる。蟻が逃げない様に外側から囲む様に包みこんだ。
「ギギ!ギギー!」
蟻達が断末魔を叫び燃えていく。
「凄いな。普通は首の関節を切り落として仕留めてから、工房で溶かせすんだがな。」
魔法で熱耐性のあるアイアンアントを殺すには、鉄の外皮を溶かす程の威力が必要になる。リールは魔力効率は上手く無いため、威力重視で魔法を使っているから出来たのだ。
「倒せたな。」
リールは、アイアンアントの固まった鉄を持ち上げる。重いため5個程に分けてマジックバッグにしまう。旅が終わったら5人で分けるのだ。
「魔力は大丈夫なのか?」
ザードンが心配そうに聞く。普通の魔法使いなら5回もこの威力を出せば魔力が空になってしまう。空の旅でも魔力を使っていたので心配なのだ。
「あと100発は余裕です。」
リールもレベルが上がり、日々魔力総量が上がっている。
「それなら良かった。進んで行こうか。」
この洞窟には、素材となる魔物が多いみたいだ。鉄が取れるアイアンアントを初め、銀の鱗を持つシルバーリザードと呼ばれる、1メートルほどの蜥蜴や、めったに出会わないゴールドスネークと呼ばれる金で出来た2メートルを超える蛇などが出てきた。
「お!シルバーリザードだな。あいつは氷魔法使うからな!」
ゴードンは後ろに下がる。
シルバーリザードは、地面や壁を這うように移動して近いてくる。
「いっくよー」
ユキが弓を射る。3本の木の矢が間隔を空けて、向かっている。
2本をシルバーリザードは避けたが、1本の矢が背中から地面に突き刺さる。
矢に雷魔法が付与され貫通力が上がり、刺されば麻痺させるのだ。
動けなくなったシルバーリザードの首をリールは、鉄剣で切り落とす。剣に風の魔法で切れ味を上げておく。ただの鉄剣では刃が通らないのだ。
シルバーリザードの鱗を剥ぎ取り、肉は食用として使う予定だ。シルバーリザードの肉は鱗ばかり需要があるため、街では食べる事が出来ないのだ。
洞窟を歩いていれば、蝙蝠や虫、蛇や小動物なども出てくる。全て魔物だが。素材にも食用にもならないため、リールは麻痺毒の壁を張って歩く事にした。地図で目的地までもうすぐ着くからだ。その際たまたまゴールドスネークもいたため確保したのだ。
「この先にミスリルがあるんだ。」
ゴードンが地図を見て歩く。地図には、行き止まりがあり、壁にミスリル鉱石が埋まっているらしい。
「そこを曲がって直ぐだな。」
5人は道を曲がる。
そこには巨大な空間があり、銀色に輝く一匹のドラゴンが飛んでいた。
「何だあれは。」
ゴードンは気付かれないように中を覗く。
「ここで合ってるのか?」
リールは聞くが以前は、行き止まりで、こんな空間はなかったらしい。
高さ30メートル以上もあり奥に500メートル以上先をドラゴンは飛んでいる。
壁には高純度のミスリルが突き刺さっている。
「あいつはミスリルドラゴンだろうな。全身がミスリルで出来てて、魔法攻撃に耐性を持ってるだろう。」
鉱石系統のドラゴンで素材によって使う魔法が変わるのだ。壁にあるミスリルはドラゴンが魔法で使ったミスリルだろう。
ドラゴンは体長5メートルはあるが、ドラゴンにしては細い見た目だ。無駄な肉の無い引き締まった体型なのだ。
「戦わないで壁にあるミスリルを持って帰ろう。」
ゴードンとザードンがドラゴンがいる空間に入り、ミスリルに触れる。
「見つかったな」
リールは魔力を感じる。ミスリルドラゴンは両翼を広げ羽ばたく。すると一直線に先の尖った鋭いミスリルの矢が飛んでくる。壁に刺さっているのはこれだ。
「身体強化と氷の壁かな。」
リールは、全身に力を込める。目の前に厚さ5メートルの氷の壁を出現させた。
ガン!ガリガリ!
氷の壁にミスリルの矢が突き刺さる。長さ2メートルほどの分厚い矢だ。先端は氷壁を貫通している。
「ユリカは雷の矢で牽制して、ユキさんは魔法で時間を稼いでくれ。」
ミスリルドラゴンはリール達に向かって飛んでくる。
ミスリルの矢が氷の壁に突き刺さり、氷の壁が砕け散る。
ユリカの矢とユキの雷の矢サンダーアローがミスリルドラゴンに襲いかかる。
ミスリルドラゴンは翼ではらう。傷も無く平然としている。
『そんな魔法が我に効くか!』
洞窟に野太い声が響く。
「ドラゴンって話せるのか?」
リールは呟く。
『ドラゴンによるだろうな。それよりもひときわデカいお前!お前は何者だ!』
「ん?ただの人間だが?ミスリルを採掘にきただけだ。」
リールは声を出して答える。
「リール誰と話しているの?」
ユリカが不思議そうに聞く。
「え?あのドラゴンだけど。聞こえているよな?」
リール以外は首を横に振る。
『我の言葉は魔力に乗せて伝えているから、お前だけにしか聞こえ無いだろうさ。それよりもお前は我を殺すのか?』
ドラゴンは震える声で聞く。
「いや。殺さ無いけどどうしたんだ?」
『魔力量が桁違いに強いのはお前だな?この山の入口から魔力が近づくだけでわかった。我はお前に勝てないだろう。』
「そうか。平和的なドラゴンで良かった。ミスリルが取れればそれで充分だからな。貰っても良いのか?」
『良かろう。だが一つ頼みがある。我の最強魔法に耐える事が出来たら許してやろう』
「何で許されるか知らないが、下手したら殺されていたかも知れないからな。良いだろう。もし死んだら他の4人は見逃してくれるか?」
リールの言葉に4人は驚愕する。話の流れはわからないが、リールが死ぬ可能性が有ることはわかったのだ。
『良いだろう。そいつらは外に出せ。』
「大丈夫だから。ここから出てくれないか?」
リールは4人をこの空間から出す。来た道を戻っていく。
「ミスリルドラゴンと勝負してくる。」
リールは、ドラゴンがいる場所に戻る。
「兄ちゃん!このまま逃げても良いだろう!」
ゴードンとザードンがリールの両腕を掴む。ゴードンとザードンは汗だくになり必死に止める。
「勝てるんでしょ?」
ユキが当たり前の様に聞いてくる。
「大丈夫、大丈夫。一回魔法に耐えるだけだから。」
リールは笑顔で答える。
「頑張ってね。」
ユリカも笑顔で話す。
「行ってくるよ。」リールはザードンとゴードンを振りほどき戻っていく。
「あんた達はおかしい!」
ゴードンとザードンが叫ぶ。
「大丈夫よ。リール君楽しそうだったから。」
ユキは笑顔で答える。
「待たせたな」
リールはミスリルドラゴンを見据えて良い放つ。
10月20日朝7時に次話投稿しています。
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