第7話「情報屋の誕生」
ガロス商会での値切りから一週間。
新装備でパーティの実力は別次元に。
レオンは大剣を軽々と振り、ミレイの魔法は街外れの森を一掃、
ルナの回復は即時完治。S級依頼も視野に入った。
だが、ガロス商会に再訪した俺に、
店主ガロスが人目を避けて呼び止めた。
「人間さん、ちょっと話がある」
奥の隠し部屋。酒と書類が散乱。
裏の顔が見えた。
「実はな、お前みたいな『目利き』が必要なんだ」
ガロスが低い声で切り出す。
「この街の情報が欲しい。冒険者の動向、貴族の噂、魔物の異変」
(来た)
値切りで信頼を得た結果、情報屋のスカウト。
戦えない俺にピッタリの副業。
「報酬は?」
ストレートに聞く。商人は損得で動く。
「金貨5枚+装備半額引き。情報1個につき追加ボーナス」
悪くない。月金貨20枚以上の安定収入。
「ただし、機密情報は命がけだ。バレたら貴族の暗殺者よ」
ガロスが警告。リスクも明確。
初仕事:貴族「バロン・クロード」の動向調査。
噂では「魔物大量召喚の準備中」。街の危機に関わる。
ギルドで情報収集開始。
サラに軽く媚びつつ、冒険者の噂を聞き出す。
「クロード卿が森の奥で怪しい動きしてるって話、あります?」
サラが眼鏡を光らせて。
「…知りたがりね。銅貨2枚で教えるわ」
情報1:クロード邸に「怪しい魔術師」出入り。
情報2:武器庫から鉄材大量持ち出し。
情報3:森の祭壇で「満月の儀式」準備。
パーティの戦闘力+俺の観察眼で裏取り。
夜の森に潜入偵察。運Sで敵に見つからず。
決定的証拠:
祭壇に「召喚陣」。オーク王級の魔物を呼ぶ規模。
クロードの印が刻まれている。
ガロス商会に報告書を提出。
「満月まで3日。召喚成功なら街壊滅です」
詳細な地図と証拠写真付き。
ガロスが目を丸くする。
「完璧すぎる…!これなら貴族に高く売れるぜ!」
報酬金貨8枚+装備半額券。
さらに「情報屋正式契約書」を渡される。
「ガロス商会特別協力者:人間(無職)」
その夜、パーティに報告。
レオンが笑う。「情報屋かよ。戦闘以外で稼ぎすぎだろ」
ミレイが感心。「クロードの召喚陣、解析したわ。確かにヤバい規模」
ルナが心配顔。「街が危ないなら、私たちで止めましょう!」
ガロスから追加依頼。
「クロード阻止の英雄パーティに情報流す。報酬は折半な」
三方よし。街救済+金儲け+実績作り。
満月前夜。
俺の情報でギルドがクロード邸を急襲。
召喚陣破壊、オーク王未召喚で大成功。
街中が英雄扱い。
ガロスが耳打ち。
「人間さん、お前がMVPだ。次は王都の情報網だな」
戦えない俺が、街の命運を握った。
ステータス知力40の真価だ。




