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戦いに向けて

午前5時、早朝の空はまだ薄暗く曇っていた。

出勤前に畑に寄り、山の神様にご挨拶をする。


「山の神様、土さん、これから仕事に向かいます。今日から数日は畑作業が出来ませんが、留守の間よろしくお願いします。」


気だるい體が少し熱を帯び、手足のむくみも感じていた。


「風邪ひいちゃったかなあ…。」


煙草に火をつけると、道東道を東に向う。

この時期には、蝦夷鹿が群れを作り始め、車との衝突事故が急増する時期だ。来月には狩猟期に入るので、日の出と共に姿を隠すのだが、案の定今朝は鹿をよく目にする。


「もうすぐ紅葉も始まるよな。」


通い慣れた道の景色を楽しみながら、思考は北海道が晒されている脅威について考え始める。


「世間では沖縄の米軍基地に意識が向きがちだけど、本命は北海道だろうな。」


僕が中国側なら、米軍が沖縄基地から撤退したタイミングで、台湾問題をより緊張化させ沖縄を攻撃。自衛隊をそちらに引きつけてから北海道上陸作戦を決行するな。中国もロシアも最大の目的は海路の確保だろうから、北海道全土を占領する事は考えにくいけれど、本土から分断されて孤立する事は間違い無い。


「先ずは生き残る事を最優先にしなきゃ…。」


その為に今出来る事…これから準備出来る事を考えて行こう。

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