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誘い
微かに水の流れる音がする
小さな祠に
長い棒のような何かを持った女性…
…戦いなさい…
…護って…水を…水を護って…
…お願い…心を開いて…
…目を覚まして…
…戦って…
「…うっ…うっくぅ…。…またこの夢か…。」
連日の現場仕事で軋む體をもぞもぞと起こしながら、寝室の窓を開ける。まだ明けきらない早朝の空には薄く秋の雲が広がり、朝露が静かに草木を包んでいる。
「流石に冷えるな…。」
上着を羽織ると、庭に出て小さなビニールハウスのキュウリに話しかけてみる。露地の野菜たちは葉を黄色く枯らし始めているが、ビニールハウスの中はまだまた青々と元気な様子であった。
9月になったばかりだが、北海道は本格的な秋が始まっていた。最低気温は既に一桁台にまで下がり、日中との気温差は20度程にもなっている。
「こんなに平和な日本でさ、いったい誰と戦えっていうんだよ…。なぁ…。」
ふと目線を草の茂みに落とすと、一匹のコオロギが羽根を広げて綺麗な音を奏でていた。




