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第十七話 「森の街」

 赤四手猿レッドクアッドモンキーとの戦いで馬車の屋根に書いた魔法陣が消えてしまった。


「ブルーノ、どうするよ?」


 このまま魔法陣無しで道中魔物と闘いながらチコレットの街を目指すか、ここで魔物を警戒、退治しながら魔法陣を書き直して進むか、リーダーであるブルーノに決断を仰ぐ。


「……このまま魔法陣無しで行く」


 リーダーの決断は魔法陣無しだ。


「大丈夫かよ?」


 デュークさんも真顔だ。


「集中して2時間、その間魔物が襲って来ない保証は無い、まして今の赤四手猿レッドクアッドモンキーの仲間やそれ以上のが来ちまったら余計時間はかかるだろう」

「だけどよ、いつもの森ならまだしも何だかやたら魔物が多いじゃねーか、いちいちそんなん相手にしてたら5時間どころじゃ着かねーぞ?」


 デュークさんは反対している訳ではなく念を押す意味で聞いている。


「確かにいつもなら夜になったところで何とかなるが、この感じじゃ出来れば夜の移動は避けてーとこだが、魔物相手に道中時間かかるか、ここで魔物相手しながら書き直してても夜になっちまうか、なら極力魔物を避けながら突っ走る方に賭けた方がマシじゃねーか?」


「確かに…そうかも知れねーな」


「僕も御者席に座ります、そして父様とデュークさんで魔物を感知して僕に教えて下さい、そうすれば僕が魔術で射撃、もし俊敏な敵でも(そら)魔術の遠隔射撃で近寄らせず突破出来ると思います」


「なるほど、そりゃいい手かもな」


 デュークさんも納得の様だ。


「よしじゃあそれで行こう、とは言ってもヴィンスはまだ子供だ。俺とデュークの間に入って、クラリス、お前はヴィンスと背中合わせでお互いの死角を無くせ」


 ブルーノがGOサインを出し陣形を指示する。


「分かった!」

「分かったわ」


「そうと決まれば早速出発するぞ!」


 左端にブルーノ、右端にデュークさん、この2人が御者を務めその間に俺が座る。そして俺と背中合わせの形でクラリスが後ろ向きに座る陣形で馬車を走らせる。



 ~


 走らせる事、5分。


「早速来たぞ!右に魔物2匹!」

「はい!!はぇあぁ!!」


 2発の土弾丸を射出する!


 射出された弾丸は弧を描き魔物に命中する。

 殺ったかどうかは分からないが殺すのが目的じゃないからいいのだ、目的は馬車を止めずに走らせる事だからな。


「次は左だ!」

「はい!はぁあぁあ!」


「後ろもよ!」

「はい!はぁあぁ!!」





 ~



 馬車を走らせる事3時間程だろうか、ようやくチコレットの街が見えてきた!

 俺たちの連携が奏功し魔物に足止めされる事無く走り続ける事が出来たから予定より早く到着だ。


 チコレットの街は街を取り囲む壁から森の木々までは500m以上離れ一定数の距離を取っている。

 おそらく伐採してそうしたのだろう。

 しかし流石に森の中にあるだけあって高い壁と鼠返しの様な梁が出た屋根で覆われていて街中の様子は分からない。


「ヴィンス!右に5匹!」

「こっちも2匹いるぞ!」

「はい!!はぁあぁ!!」


 俺は右に3発撃ち続けざまに2発撃つ。更に左にも2発撃つ!

 それぞれを魔物までの軌道をイメージする。


 7発とも命中した。


 徐々に同時コントロールできる数の増えてきている。


 ずっと宙魔術を打ち続けたおかげか左右2発ずつまでなら同時に制御できるようになった。


 だが完全に制御して命中率100%かと言うとそうじゃない、立て続けに撃って10発中6~7発命中すると言った感じだから精度で言うと60%程だ。


「ヴィンス!この3時間余りで大分その能力上げたな!」

「はい、何しろずーっと打ちまくってますからね」

「命中率も上がってるじゃねーか」


「いえ、そこはまだまだです。今は当たらずとも相手の動きを一瞬でも封じて足止め出来れば良いだけですから何とかなっていますが本格的な実戦にはまだまだです!」

「それにしても信じらんねー魔術だぜ」

「魔術もそうだが魔量も規定外だな!!」


「確かに!(そら)魔術が1発どんだけの魔量使うのか分かんねーが相当量だろ!?しかも完全無詠唱で!それを3時間近く打ち続けてんだからまったく、驚きを通り越してあきれちまうな!」


「完全無詠唱じゃないですよ、(そら)魔術仕掛ける時どうしてもはぁあぁとかって奇声が出ちゃうんですよね」

「かっかっか、いいじゃねーかよ、それぐれー」

「いや、格好悪くないですか?」


「ヴィンス、後ろに3匹!」

「はぇあぁぁ!!」


 ホント、この掛け声なんとかしなきゃな…

 コントロール数、精度をブラッシュアップさせるのと平行して掛け声止める練習とこの技の名前も考えようかな。

 ここはやっぱり厨二臭させたほうが良いだろうな。

 何にするかな…?ファン〇ル!!とか言いたいけど、それじゃ能がないしな。




「ようやくチコレットに着いたぞ!」

「周囲に魔物は?!」

「今のところいないみたい!」


 チコレットへの入り口は厳重な監視がしかれた大きな門だ。

 門の上に敵の侵入を防ぐ為に鋭く尖った丸太を無数に括り付けている大きな落下式の天井が設置してある。

 いざと言う時にはあれを頭上から落とすのだろう。


「止まれ!!」


 門兵が俺たちの馬車を静止させる。


 俺達は周囲に気を張り巡らせながら馬車を止める。


「この街に何の用だ?」


 大きな剣やら槍やらを携えた門兵が門の脇に左右3人ずつ、門の上に3人配置されている。


「我は騎士職ブルーノ・ギャレット。シュミット領より領主クリストファー・カルヴァート様からここチコレットへ赴任を拝命され参った」

「……しばしここで待て」


 大剣を携えたガタイの良い門兵が中に入っていく。


 待つ事1分程だろうか、すぐに門兵というより騎士の雰囲気を持つ男が出てきた。

 身に付けている防具は門兵と一緒だが皆のそれがただの鉄色に対し一人だけ肩当や胸当て、腰巻きの様な防具、そしてマントが紺色で明らかに格が違うと分かる。


「お待ちしていたブルーノさん!ご無沙汰しておりますランス・ウェーバーです!その節はお世話になりました」

「ランスって、あのランスか?!何だよ、随分出世したな!ええ?」


 ん?知り合い?

 さっきまで似つかわしくない堅苦しい挨拶をしていたブルーノの顔がほころぶ。


「やめてくださいよ、出世って訳ではないですが今はここチコレットの警備隊中隊長をやらせてもらっています、まあこんな所で立ち話も何ですし中へどうぞ」

「おお、すまない」


 門兵たちも何処の誰とも分からぬ(やから)の素性が分かり緊張が解けるのが分かる。

 うん、分かる、ブルーノにデュークさん、完全に(やから)感出てるもんな。


 ブルーノとは古い友人らしきランスと名乗る男に誘導されゆっくり馬車を進め後に続く。


 堅固な木で作られた城門の様というか、この場合は市門と呼ぶのか、それを実際くぐるとその大きさは圧巻だ。

 幅は3m程と決して広くは無く馬車が通ると両脇は人ひとり通るのがやっとと言った設計は当然敢えてだろう、敵が攻めて来た時は狭ければ狭い程いいからな。


 幅に対して長さは5m程と長い。

 その長さと同じ大きさで落下式天井一面に先を尖らした木が整然と垂れ下がる様は門をくぐる者に対し警告するが如く威圧している。


 門をくぐった先、右側に兵士の詰所と思しき建物があった。


「馬車はこちらへ」


 若い兵士がすぐさまランスさんの元へ駆け寄り俺達の馬車を預かってくれる。


「すまない」


 ブルーノは馬車の手綱を若い兵士に渡し、デューク、クラリス、俺と順に下車する。


「まさかこうして又、イーグルクローの面々にお会いできるとは思いませんでした」

「ランスもすっかり偉くなってやがんな」

「そういうデュークは変わらないな」


「あの…父様達は知り合いなんですか?」

「ああ、冒険者やってた頃にな」


「お?もしかして君はブルーノさんのご子息かい?」


 俺に気付きスッと膝をかがめ話しかけてくれる。

 ん~何ともブルーノ達には無いスマートさだな。


「あ、はい。ヴィンス・ギャレットです」

「ランス・ウェーバーだ、ランスで良いよヴィンス君」


 そういいながら手を差し出すランスさん。う~んスマート。


「宜しくお願いします、ランスさん」

「なかなか利発そうな息子さんですね、これはクラリスに似たんだね」

「バカ、どう見ても俺に似てるだろ?」


 立ち上がりながらクラリスに向けて言うランスさんにブルーノが突っ込む。


「利発そうな雰囲気はクラリスで、精悍そうな顔つきはブルーノさん似じゃないですか?」

「お、おおん…さ、流石ランスなかなか分かってるな」

「いえ、一目でなかなか男前なのはブルーノさん似だなと思いましたよ」


「そ、そうか……むふ、むふふ…」


『デュークさん、あのランスさんって人、なかなか父様のコントロール術に長けてますね』

『ああ、あいつも昔ブルーノの外見について口を滑らして面倒被ったクチだから学習したんだよ』


「おっと失礼、つい懐かしさの余りこんな所で立ち話をさせてしました、ささ中へどうぞ」

「ありがとう」


 ランスさんに促され詰め所へと入る。


 建物は煉瓦作りで2階建てだ。

 入り口はアーチ状の入り口で扉は無い、中に入ると1階は稽古場で広い。

 そこでは10人程の兵士が訓練としていた。


「こちらです」


 ランスさんが階段へ誘導してくれ2階へと進む。

 2階は宿舎っぽく何部屋かに仕切られ長い廊下の先に他の部屋とは少し違うちょっとした飾りがしてある扉の部屋がある。


「どうぞ、狭いですが一応私の仕事部屋です」


「お、何かホントに偉くなったんだな」

「よせよ、偉くなんかないさ、ただ現場の先頭で旗振ってるだけさ」

「は!相変わらず謙虚だなランスは」


 うん、確かにブルーノ、デュークみたいにいかにも冒険者上がり!と言った(やから)感は無い。

 スマートで紳士っぽいどこか育ちの良さみたいなのを感じる。


 ランスさんの仕事部屋というか隊長室は20畳程の広さで一番奥にランスさんの机、右側の壁には本やら装飾品やらが並べられている棚、左の壁際には剣がクロスする様にして壁にかけられている。


「むさくるしい男所帯の部屋ですみませんが、どうぞお掛け下さい」


 ランスさんに促されソファーのような椅子に着座する。


「改めて今日からここで世話になる、まあお手柔らかに宜しく頼むランス」

「やめて下さいよブルーノさん、昔散々お世話になったどころか何度も助けてもらったイーグルクローのリーダーに頭下げられるなんてこっちが困りますよ」


「ブルーノに付いて来て俺もこの街でやっかいになるが宜しくなランス」

「デューク、お前は相変わらず独身なのか?いい加減落ち着けよ、あんまりこの街でワルサするんじゃないぞ」


「俺は好きで独身なんだよ、それにもうあっちこっちでワルサする程、ガキじゃねーよ」

「ふ、なら良いんだが」


「クラリスもすっかり大人の女性になりましたね、まあブルーノさんとはいずれこうなるんじゃないかとは思っていましたけどね」

「大人の女性と言うより、私もこう見えて一児に母親よ」


「ええ、立派な息子さんでさぞかし自慢の息子さんなんだろうなヴィンス君の事は」

「ええ、もちろん」


「ランス、懐かしい話は夜どこかで飯でも食いながら弾ますとして先ずはこの後の行動予定なんだが?」


「ああ、つい懐古にふけってしまって申し訳ありません。この後ですが先ずは領主であるニコラウス・オズバンド様に謁見頂き、この街での騎士職を任命してもらいます。

 そしてこの街での住居へ案内し今日の所はお終いです、任務は明日からという流れになります」


「承知した、領主様の所へは誰か案内の者が付いてきてくれるのか?」

「そこは当然、私がご案内致します」

「そうか、助かる」


 その後、少しばかり会談をしてランスさんが先導してくれ俺達は馬車で後に続き領主様の邸宅へと向かった。


 チコレットの町並みは故郷であるシュミットに比べ少し小さいが森の中の街と言うこともあって木でできた建物が多くどこか素朴な田舎町といった雰囲気がする。


 街の人たちも友好的な感じでランスさんに声をかける女性も多く、(やから)感は無いもののどこかデュークと通ずるものを感じる、いわゆるイケメンだ。


 そんな中、町の中心部付近にさしかかった辺りで周りの建物とは毛色の違う石造りで3階建ての建物が目を引く。


「父様、あの建物は何ですか?」

「ありゃ冒険者ギルドだ。ま、冒険者達の根城ってとこだな」


 おお…冒険者ギルド…これまた異世界ファンタジーマストアイテムですな!


「父様達も冒険者時代はギルドにお世話になったんですか?」

「ああ、冒険者達は必ずギルドで冒険者登録してクエストをこなすからな」


 当然ちゃあ当然だがブルーノは今更冒険者ギルドが珍しい訳も無く興味なさげだ。


「その冒険者ギルドのどこの支部に行っても有名だったのがイーグルクロー、つまりヴィンス君の父様達のパーティーだったのさ」


「へぇ、すごいですね」


 ランスさんが教えてくれると何だか格好良く聞こえるけど実際はどう有名だった事か…。


「かっかっか、まあよ、そういう事だな」


「デュークが言うと少ししゃくだが、確かにイーグルクローの面々は個々の力もずば抜けていたしチームワークも最高の伝説的パーティーと評されているのは事実ですね」


「かっかっか、分かってるじゃねーかランス、後で一杯おごってやんぜ」


 デュークさんもランスさんの説明にご満悦な感じだ。


「僕も冒険者登録できますか?」


「ん?ああ、登録するには冒険者資格試験があるんだがそれには最低でも7歳にならないと受けられないからヴィンスは後2年の辛抱だな」


 ほう。最低年齢規制があるのか。


「試験って言ったってヴィンスなら7歳にさえなれば合格も同然よ」

「確かに今受けても合格は間違いないだろうがな」


 ちょっとブルーノにクラリス、両親がそう言っちゃあ親バカ感丸出しでっせ。


「あのブルーノさんも人の親って事ですね!」

「あ?どう言う意味だ?」


 ランスさんが悪気もなく言ってるしブルーノにしても何の話だ?みたいな感じだけど親バカって事を言ってるんスよ、ブルーノ。


「いや、いくら何でも今受けて合格は無いでしょう?いくらヴィンス君が立派でも流石にそれは物のたとえですよね?」


「ばっかランスお前、ヴィンスはハンパじゃねーんだぞ?ヴィンスをそこら辺のガキだと思っていたら痛い目に遭うぞ?」


「はっはっは、デュークまで叔父馬鹿かい?」


 爽やかな笑顔で聞き流すランスだけど、まあ普通そうだよね。



「まあ、言っても信じらんねーだろうけど魔術だけで言えばこの中でで一番つえーのはヴィンスだろうな」

「それ、まさか本気じゃないよなデューク?」

「本気も本気、大マジだぜ」


 あまりにブルーノとデュークさんが俺を褒めちぎるからランスさんも笑顔が引きつってきちゃったじゃないか。


「いや、そんなバカな、クラリスだっているんだぞ?お前はともかくクラリスより魔術が上の5歳児?」

「ランス、本当よ。私でも魔術合戦したら勝てる気しないわ」


 ありゃあ…完全にランスさんから笑顔が消えたよ…。


「ほ、本当に…?」

「ああ、親バカと言われても構わないが魔術の実力は本物だ」


「そ、それにしたって今、冒険者試験受けて受かるは無いでしょう?大体にして7歳からって規定にしたって後付で…そもそも7歳で受かる子なんて後にも先にもあのパナメーラだけですよ」


「ああ、あの魔族の王子な、確か冒険者試験受けさせろって聞かないからとりあえず受けさせたら受かっちゃったってやつな」


 魔族の王子。何だか格好いい響きだと思っちゃうのは俺の中二魂か?


「ああ、それ以来、年に何人かのエリートだ、神童だと言われてる子供に持つ親が意気揚々と受けさせてみるが結果は知っての通りだ」

「それじゃあヴィンスが最年少記録塗り替えるか?」


「いえ…僕は別に今じゃなくても構いませんよ」


 そうだ、あんまり出る杭になっちゃ都合悪いよな、何しろ匿名希望の神様にも目立たない様にした方が身の為だって言われてるしな。


「何だよヴィンス?お前の力教えてやりゃいいじゃねーか」

「おいおいデューク、ヴィンス君がまだいいって言ってるんだから無理強いするのはよくないぞ」


「まあ、そりゃ無理にとは言わねーがな」

「そうした方が良い、普通は15歳になって受かれば天才って言われる位だから、まだまだ時間はあるさ」


 そうそう時間ならまだあるさ、何しろ俺はまだ5歳児だからな。冒険者ってのになってみたい気もするのは事実だけど。


「でも一度冒険者ギルドに行ってはみたいですね」

「んじゃ、明日にでも暇だったら行ってみるか」

「はい、お願いします」


 そんなやり取りをしながら冒険者ギルドを横目に見つつ領主の邸宅へと進む。


 しばらく進むと町並みが高級住宅街といった装いになってきて豪邸が立ち並ぶ様になってきた。その街並みの先にちょっとした城が出現した。


「あそこが領主オズバンド様のお屋敷です」

「おお、ケリーん家に負けず劣らずの豪邸だね、やっぱ領主ってのはどこ行ってもすげーんだなぁ」


「ところでランス、デュークやクラリス、ヴィンスも同席しても良いものか?」

「ええ、もちろん。この街でこれから暮らすんですからね、全員お目に掛かっておいた方が良いでしょう」


 そしていよいよこの街の領主がいる城門に着いた。


「防衛隊中隊長ランスだ、騎士ブルーノ・ギャレット殿及びその家族をお連れした」


「はっ!!ランス隊長、ご苦労様です、今明けます」


 ランスさんが呼びかけると城門の監視兵がその堅牢そうな城門が開く。


「さ、参りましょう」


「うむ」


 ランスさんに誘導される様にして続くと長い石畳の道の先に噴水が見えた。

 やっぱこれって水魔術なんだろうなと思いながら噴水を回り込み馬車を停車させ下車した。


 玄関ホールを抜けエントランスホールを抜けると謁見の間らしき部屋に通され領主オズバンド様を待つ。


 しばらくして領主オズバンド様が現れた。


「防衛隊中隊長ランス、シュミットより参りました騎士ブルーノ・ギャレット殿をお連れしました」


「おうランス、ご苦労さん」


 領主ニコラウス・オズバンドはイメージと違い何と言うかワイルドだ…。

 スマートなランスさんのイメージから何と言うかスマートな領主様をイメージしてた。


 とりあえず分かりやすく言うなら山賊の親分みたい、いや、山賊の親分そのものだ。

 ブルーノより一回り体つきも大きく、もみ上げから顎へと髭が繋がっていて左瞼から頬に掛けて刀キズらしき傷跡が目立つ。


 先程来、ブルーノ、デュークを(やから)(やから)言っていたが更に上行く(やから)の親分だ…。

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