『84』 次の階層
『す、すまない………少しばかり疲れて眠ってしまっていたよ。私の勝手な勘違いで、こんなことになってしまって申し訳ない』
「良いって良いって。お陰様で戦いの幅が広くなったからさ」
「いやいやぁ~、まぁるく収まって良かったよん」
「それな。これもアヤヒのお陰だよな。アヤヒ様々だぜ」
『随分と人気があるようだな。私とは大違いだ』
「あの2人が調子に乗って勝手に持ち上げているだけだよ」
今は、目を覚ましたドラゴンさんと話をしている。最初に謝られたけど、そんなに謝ってもらわなくても良いって思っている。誰にだって勘違いはあることだし。
その勘違いの度合いが、お互いに死にかけるような戦いになっちゃうようなところまでいったのはマズかったかもしれない。私とドラゴンさん、どっちも感情にまかせて戦っていたからね。
そりゃ、ああなるわって感じですよね。
ちゃんと話し合いをすれば良かったかもね。そうすれば、こんなことにならなくて済んだかもしれないのに。私も私で、売られた喧嘩は買うのが礼儀スタイルで突っ込んじゃったのも悪かったからね。
これに関しては、私からも謝るべきことだと思う。私もドラゴンさんに対して頭を下げて一言、「ごめんなさい」と言った。ドラゴンさんは「謝るのはこっちなのに………何で私が謝れるのだろう………」と言っていた。
おそらく、独り言でボソボソ行っているつもりなんだろうけど、その声が大きすぎてガッツリ全部聞こえてくる。
う、うん…………余計に変な悩み事をさせちゃったみたいだね。
「はふぅ~、じゃあ………私達は先に行くからね。これからも子育て頑張ってね?」
『当たり前だ。アヤヒ達も頑張れよ』
「オーケー!!俺達に任せとけぇぇぇ!!」
「別れ際の………バーン・アクセラレーション!!!!とうっ!!!!ひゃっはぁぁぁ!!!!」
「それ………あのナルシスト斧使いの人のヤツじゃ……後、シンプルに五月蝿いです」
『頭、おかしいんだな』
次の場所に向かうときに、ラークさんが急にナルシスト斧使いの技?の名前を叫び始めた。流石に頭おかしいよ。ラークさんの
頭のネジは一体どこにいってしまったのだろう。
ドラゴンさん、ガチトーンでラークさんに頭おかしい発言をする。聞こえているはずなのに、一切叫ぶのも止めようとしない。そこにユーリさんも乗っかってきた。
ユーリさんに関しては、もはや言葉になっていなかった。こんなところで無駄に体力を使っている場合じゃないと思うんだけどな…………まだまだ先が果てしないことを分かっているのかな?
そんな2人の様子を見て、皆して固まっていた。こんな2人が、自分達が散々に手こずったドラゴンさんを負かしたんだから。何とも言えなくなっちゃうよね。
私は溜め息をついて肩を落としていると、いつの間にかベテランさんが私の近くに居ることに気付いた。
どうやらさっき来たらしく、次の場所についての攻略の話を聞かされた。次の場所は、この先にある階段を登っていって、そこにある入り口の時と似たような転移するための石の台があるみたいだから、そこから次の階層に行くみたいです。
何か、まさにゲームみたいな感じだね。何だろうね、最近ライトノベルで話題の”ぶいあーるえむえむおー”っていうジャンルのゲームみたいだね。
自分がゲームの世界に入って、それを攻略していく………今の感じと似ているね。まぁ、私達の場合はゲームじゃなくてリアルな戦闘をしちゃっているけど。
「って、ベテランさん。いつの間に調べてきたんですか?」
「君達が戦っている間に調べておいた。ついでに、次の階層に行くための石の台の周りに居た雑魚モンスターみたいのも全部倒しておいた」
「ありがとうございます。じゃあ、目的もハッキリとしたところで………今度こそ行こうか。ちょっとグダグダしちゃったからね」
「しゃんなろー!!!!んぅぅぅ!!!!テイッ!!!!」
『アヤヒ、気を付けて行って来るんだぞ』
「ヘヘッ、そう簡単に死んだりしないから♪」
私はそう言ってドラゴンさんにピースサインを送った。そして、皆と一緒にベテランさんが見つけてくれた次の階層に行くための石の台がある場所へと向かった。




