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『51』 今度こそ、屋上です

「で、でででで出ました!!屋上ッッッデスッ!!ここの病院の人は……なんて勤勉なのでしょうか……?(ネットリとした変な声)」


「この屋上は、なんて空気が美味しいんだろうかッッ!!午後の病院の人達は……!!こんなに素晴らしい屋上を用意するということを平然とやってのける!!」


「『そこに痺れるぅ憧れるぅ!!!!』」


(元気すぎて、馬鹿すぎて、意味分からなすぎて嫌なんですけど)



 屋上に出た私達。ラークさんとユーリさんの2人はハイテンションで、屋上の隅の方にあるコンクリートで作られた小屋みたいな所の屋根に登って叫んでいた。

 これは本気で頭が湧いちゃっているとしか思えませんね。馬鹿すぎて何処からどうツッコめば良いのかも分かりません。ダレか、この2人に対するツッコミの仕方を私に教えてくれませんかね?


 後、前から思っていたんだけどさ。2人して「そこに痺れるぅ憧れるぅ」って台詞………好きすぎじゃない?これって何かのアニメの台詞でしょ?友達が言っていたから、これだけは知っているけど。

 確か………ゴリゴリの人達が、お化け使って戦うヤツだよね?名前忘れちゃったけど。友達が言うには、それに出てくるモブの男の子が主要キャラに向かって言った台詞らしい。


 どういう状況で、どういう心境で言ったんだろうって思う。この男も、なかなかの名言を残しちゃったと思うよ。だって、異世界の人まで叫んでいる人が居るんですから。



(そもそも、この2人は何ですぐに痺れたり憧れたりするんだろうね。確かに、ここの屋上は居心地が素晴らしいけど、痺れたり憧れたりはしないよね………?)


「この素晴らしい屋上に祝福を!!」


(そろそろ色々と問題になってきそう何ですけど!?色々とアウトな感じがするんですけど!?)


「それにしても…………アイツは一体何だったんだ?あのシルエルって奴はよぉ~?」


「自分で有名だとか何とか言ってたけど………聞いたことねぇんだけど。あそこまで強ぇのに、クエストバーサーカーの中でも話題に出てこなかったよな?何でだ?」


(確かに………あそこまで強いなら、名前が知れ渡っていてもおかしくないはず………)


「シルエルのことを知りたいみたいだね。アヤヒちゃん、ラーク君、ユーリ君」


(ま、マズい………!!この声は………!!)



 屋上の入り口の方から男の人の声が聞こえてきた。私は少し焦っている。絶対に病院の先生だよ。どうしよう………!!勝手に出ていったのがバレちゃったよ!!

 変な汗を掻きながら、後ろを振り向いて声を方向を見る。眼鏡を掛けた白衣の着た男の先生が立っていた。表情からは、笑っているから特に怒っている様子は無いみたいだけど、心の中ではどう思っているのかは分からない。


 煙草を吸いながら、私達にゆっくりと歩いて近付いてくる。それと、小屋の上で馬鹿みたいに叫んでいた2人に対して降りるように指示をするジェスチャーをして降ろさせた。

 まぁ、そりゃ降ろされますよね。てか、本当に馬鹿と煙は高いところが好きっていうのは当たっているよね。降ろされたときの2人の表情、明らかに嫌がっていたし。


 ユーリさんに関してはぶりっ子みたいに頬を膨らませているし。すみません、それは完全に気持ち悪かったです。


 煙草の灰を軽く落として、口に咥えながら私達3人が集まっている目の前に立った。一体、私達に何を言いたいんだろう?


 あっ、何かシルエルさんがどうたらこうたらって言ってた。もう、怒られるんじゃないかなってことしか頭に無かったから忘れかけてたよ。



「シルエル………アイツは、クエストバーサーカーじゃないんだよ。かと言って、兵士とか戦士とか……そういう部類にも属さない」


「じゃあなんだ?特殊人種なのか?」


「そうとしか言えねぇよな」


(2人も2人で人のこと言えないくらいに特殊だけどね)


「あれだね。簡単に言うと……シルエルは暗殺者(アサシン)だね。裏ルートのクエスト……貴族や王族の暗殺の依頼を受けて、生活しているみたいだけど」


「あ、あさしん?」


「アイツ………!!暗殺者だったのか!?でも………普通に堂々とアヤヒと戦っていたぞ!!不意打ちじみた攻撃も多々あったけどよ!!」


「そもそも、何でアイツのことを色々と知っているんだ?そもそもそこが_____」


「アヤヒちゃん、君だけ来てくれないか?2人はどうも五月蠅くて話がしづらい」


「えっ………?へ、変なことはしないでくださいね?」


「しないから。そんなことしたら奥さんに怒られちゃうからね」



 あっ、結婚したんですか。って、それはそれとして………!!私の手を繋いで、入り口の方へと歩かされた。そして、入り口まで着くと、中へと繋がる階段の所まで行って、扉の鍵を締めて2人が入ってこないようにしてから、私を階段に座らせた。


 先生もその隣に座った。煙草は吸い終わっているみたいで、煙草の箱を白衣の下に来ているシャツの胸ポケットにしまった。


 な、なんか………変に緊張するな………何言われるんだろ………

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