▩ historia♯ 佰陸拾陸局 ▩ 〈HEAVEN's 7 pairs〉
「攻撃を全てかわしてる………読んでいるのかな……?」
「大体人を見ればどんな攻撃してるかなんて分かるんすよ。後、喋ってることとか目線とかっすね」
「何……っ!?」
「目は口ほどに物を言う……口は災いのもとってことっすよ」
(なんかカッコいいこと言ってる……)
喋りながらも相手との距離を常に詰め続けて、攻めの姿勢を一切崩さず崩されない。格闘術と剣術を織り交ぜて相手に攻撃の隙をそもそも与えないようにしている。
隙を少し与えて攻撃に移らせても、分かっているかのように全てをかわしてカウンターに持っていってる。
どんだけ場数とかこなしたらあんなんになるんだろ……場数をひたすらこなしているだけじゃ無理があるようなくらいにレベルがチート。戦闘力がイカれてる。
雪菜さんって言ったっけ?
正直、総督府の中だとしても氷使いにしては最高レベルと言ってもいい。街灯や道路に突き刺さるくらいの硬度の氷を生み出しているどころか、それを綾姉さんのある程度の動きに合わせて放っている動きの観察力も長けている。
綾姉さんがあまりにもヘラヘラしながら簡単にあしらっているから伝わりにくいこともあるんだろうけど………ヴァルドヘイムに居るのなら普通に最前線組に居てもおかしくないような人材だ。
しかも、綾姉さんにそれだけの硬度の氷塊を放っているにも関わらず、同時進行で術者の意志とは無関係に動く自立型の氷のゴーレムのようなものまで何体も作ってる。
自分の意志とは無関係な物を作り、それをコントロールすることができるっていう……ここまで能力を極めてるのは、希世乃さんくらいしか居ない。
流石に希世乃さんには劣るけど……
あの人、普通に水だけで自分と同等の力を持つ自分自身を別に作り出すことが出来るから。最高で4体作れるんだっけ?自分も込みで5人。
しかも、それを瞬間的に自立型にさせたり自分の支配下にさせたりっていう切り替えもやってるから。
あの人は本当にヤバい。
水と風関連の能力は基本的に戦闘では使いづらいっていうのもあって。風はシンプルに応用が意外と効かない割に決め手となるような戦い方もしづらい。衝スキルの劣化とも言える。
水は基本的には水が近くに無いと使い物にならないレベル。でも、希世乃さんには水があろうがなかろうが関係無く高い水準の力を発揮させる。
無くてもヤバいから、近くに海とかでもあったら希世乃無双だから。水で影分身みたいなのが出来る時は海辺ならやれるって。
それ以外だと出来ないっぽいけど。それを抜きにしても普通に水がないのに街中を大洪水とか津波にでも遭ったのかっていうくらいの水量を平気で繰り出せるんだから。
………ちょっと希世乃さんのことで熱弁しすぎたな。
「綾音、私相手でも本気を出さないようなスタンスなのかな?」
「本気かどうかを勝手に判断するのはそっちの自由っすよ?私の口から言うことでもございませんよ~」
「ナメるのも大概にした方がいいよ」
「ナメてはないっすけど。後、寒いんでゴーレムとか勝手に作るのはいいんすけど。周りに氷ばら蒔かないでくれます?」
「えっ……!?いつの間に……!?」




