▩ historia♯ 佰肆拾局 ▩ 〈P丸様。の曲に共感してしまう自分が居る。男なのに〉
なんで兄貴の話になったんだろ。そもそも浦安のことから始まっていたはずなのに。綾音さんが美紅さんの話を急に色々始めたから……だと思う。
それで私に「襲っちゃえば?」って言ってから完全におかしくなったわ。
綾音さんだって襲ってないじゃん!!って言おうとは思ったけど、襲われる側からの直々の拒否をやんわりされてるってことを思い出した。
まぁ、嫁まで半ば許可出してるようなもんだしね。娘2人はシンプルにファザコンだから嫌がってるようなもんだし。憂依の方は最近はそうでもなくなってるけど。
ファザコンではなくマザコンの方に移行しつつある段階ってとこかな。
「はぁ………つらいなぁ………」
「今の時代、昭和みたいに固定概念とか先入観とかを大事にするって時代じゃないから。他人のやることに自分の価値観押し付けるヤツが終わる時代だから」
「とは言ってもっすね………」
「なんでもいいんだよ。もう。こんな色々縛られる世の中じゃ、ある程度道徳とか倫理とか捨てないと。他人を切り捨てる事自体がそうだから。排他的は一番人間として生きづらい生き方だから」
「そう、なんすか………?」
「そもそも人間って時点で誰かに依存しないといけないはずなのに、依存しないといけないものを自分から切り捨ててるんだから。自由すぎるくらいに生きれても、その分の代償は大きいから」
「そうなんすね………」
「世に名を馳せている人なんて、そういうのを潜り抜けてきた人だから。まぁ、世の中に名前を刻む前からそのスタンスを長いこと続けてきたからこそだっていうのもある」
「………………」
「自分自身を見い出せて、人間辞めてでも誰かのために動ける人が生き残れるんだよ。それの直近が兄さんってこと」
「………………」
「隼人君にも素質はあるから。妹のためって言っていっつも頑張ってるから。だったら瑠々もその気持ちに答えなきゃね」
「あっ、はぁ………」
「意外とリアルじゃ叶っちゃうもんよ。世間の目は厳しくても、なんだかんだで形にしちゃっている前例なんて沢山あるんだから」
「兄貴……」
「もう、にぃにで統一しよ」
「流石に友達の前とかじゃ恥ずかしいっす」
「どーせ結憂とかがバラすから」
「アイツならやりかねんから口止めさせます」
「あんまり喧嘩はしないでね~」
「うぃーっす」
と、綾音さんと一緒に喫煙所から出る。
今まで総督府の建物の中の喫煙ブースに居たから。今までの話を他の人に聞かれたらって思ったけど、幸い誰も来なかったから良かった。
綾音さんが居るから普通に不安だった。
綾音さんのファンに寄ってこられたら面倒だったわ。私の知り合いにも綾音さん推しは結構居るから。いつメンにも居るくらいだし。
流石に友達に「にぃに」って呼んでることがバレるのは死にたくなる。ブラコンなのも少しは隠してるし。
マジで私の黒歴史的なものが公になるのはアカン………
「明日からは天界に行くから。結憂達が暴走しないように監視しててね?」
「暴走しがちな一家っすもんね」
「そうそう。一番酷いのは私だけどね」
自分で言っちゃおしまいですよ。




